不甲斐なさに気づいた叶の集大成
アンコールMCでは観客に感謝を告げるとともに、今回のコンサートに込めた思いを明かした。「ソロライブの話をいただいたとき、僕はあんまり『盛り上がってるかお前ら―!』みたいなのが得意じゃなくて。僕らしい形でやりたいなということで、物語形式のコンサートにさせていただきました。みなさんも自分自身に感じることがあると思うので、そういう部分で共感してもらえたら嬉しい」
そして、当日はこの時間だけ声出しを解禁。「女の子ー!」「男の子ー!」と呼びかけ、返ってきた生の声に「すごいね、体育祭?」と感動したり、「みんなの朝ごはん何ー!?」と問いかけるなどお茶目な一幕も。
そしてなんと、新曲をさらにもう一曲。8月30日発売の1st Single『How Much I Love You』の収録曲から「わたしのリンゴ」をサプライズ披露。ジャジーな曲調にうねるベースラインと叶さんの切なげな歌唱が映え、時折り控え目に手を振る仕草にも胸を掴まれた。 続く本日ラストのMCでは、「緊張した……!」と本音も見せつつ、今回あえてMCを少なくした理由や、アンコールで披露した新曲についても振り返った。
「今のままじゃダメだと思ってダンスを始めてから、ここまできたその集大成もお見せできたんじゃないかなと思います。もう不安で仕方なくて。でもやり終わってから、自分の中ではすごく良くできたなと思っていますので、みんなも同じ気持ちでいてくれたら嬉しいです」 最後にはシルエットダンサーをステージに呼び、「今度は最後まで歌わせてください」との粋な曲振りから「ブロードキャストパレード」を改めて披露。銀テープが華々しく舞う中、ハッピーエンドらしい曲でクライマックスを彩る。
シルエットダンサーとのコミカルな掛け合いで楽しませつつ、晴れ晴れとした表情で安定した歌唱を響かせた。曲が終わった後も名残惜しそうにしゃべり続けた叶さんだったが、大きく手を振りながら「また明日ね! ありがとう! 愛してるぞ!」と挨拶し、今度こそステージを後にした。 1本の映画を見終えたような満足感。特典小冊子の「観測記録」も含め、媒体を越えて紡がれた物語はライブというよりも作品と呼ぶべきものだろう。叶さんのパフォーマンス力だけでなく、プロデューススキルをも知らしめた1stコンサートだった。
【会場写真】にじさんじ・叶の歴史が表現されたステージ(全25点)【叶 1st Concert「午前0時の向こう側」セットリスト】
00.ブロードキャストパレード
01.Midnight Showcase
02.ANEMONE
03.アクシデントコーディネイター
04.セイテイノア
05.ハルを追いかけて
06.水性のマーブル
07.青色が怖くなったんだ
08.晴天を穿つ
09.大丈夫
10.K/D Dance Hall
11.Jam Jam
12.絶頂讃歌
13.惜別
14.針音
15.声を聴かせて
16.No.9
17.優しい人にならなければ
18.わたしのリンゴ
19.ブロードキャストパレード
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