にじさんじ「Nornis」1stライブレポ 3人の歌姫は徹頭徹尾アーティストを貫いた

にじさんじ「Nornis」1stライブレポ 3人の歌姫は徹頭徹尾アーティストを貫いた
にじさんじ「Nornis」1stライブレポ 3人の歌姫は徹頭徹尾アーティストを貫いた

にじさんじ所属VTuberによる音楽ユニット・Nornis(ノルニス)。左から町田ちまさん、戌亥とこさん、朝日南アカネさん

バーチャルライバー(VTuber)グループ・にじさんじ発のユニット・Nornis(ノルニス)が3月15日、グランキューブ大阪メインホールで初のワンマンライブ「Nornis 1st LIVE -Transparent Blue-」を開催した。

Nornisは町田ちまさん、戌亥とこさん、朝日南アカネさんと、かねてより高い歌唱力で知られる3人組のVTuberユニット。2022年末に1stシングル『Transparent Blue』をリリースし、その収録曲はもちろん、これまで制作してきた楽曲を初めてライブという形で届ける機会となった。

会場は、生バンド・ストリングスにふさわしいホールという環境。VTuberのオリジナル曲というと、一般的には自己紹介的な楽曲や、コール&レスポンスが映えるアイドルソングの印象が強いが、今回のセトリにはそうした曲もない。

彼女たちが披露したのは、徹頭徹尾アーティストとしてのライブ。3人の表現者によって観客の感情が大きく揺さぶられた公演の模様をレポートしたい。

【画像30点】アーティスト・Nornisの晴れ舞台 取材・文:ヒガキユウカ 編集:恩田雄多

目次

Nornisの始まりの曲で開幕

定刻を迎えて暗転すると、緊張感の中、ストリングスのアンサンブルが始まる。途中バンド隊も加わり、劇的な展開にあおられる緊張感と期待。やがて曲調が変化すると、町田ちまさん、戌亥とこさん、朝日南アカネさんがステージに現れた。

1曲目は、Nornisのデビュー曲でもある「Abyssal Zone」。2022年6月、ユニット活動スタートの告知とともにMVが投稿された、Nornisの始まりの曲だ。VTuberのオリジナルMV、それもユニット1曲目にもかかわらず、本人たちのビジュアルが登場しないことも話題を呼んだ。
Nornis「Abyssal Zone」
インタビューによれば、当時全員がこのユニットについて「なぜ!?」と思っていたという(外部リンク)。しかし、戌亥とこさんと朝日南アカネさんの絡み合うユニゾンと、それを推進力にどこまでも伸びる町田ちまさんのロングトーンを聴いた瞬間、このライブの大成功を確信した。

迫力ある開幕から雰囲気が一転。町田ちまさんの「グランキューブ大阪、楽しんでいきましょう!」という少し緊張まじりの声を合図に、バケーションソング「Daydreamer」へ。 3人の表情も柔らかいものになり、思い思いにリズムを取りながら歌う。配信では本人たちを左右、後ろ、さらには真上から抜くアングルも映り、より現実とシームレスになったAR技術の発展に感動する声も多かった。

そのままノンストップで「Through the glass」に突入。時折入るセリフとバイオリンの旋律がアクセントとなり、楽曲の緊迫感を高める。制御によりペンライトの色が鮮やかに変化する中、ラスサビでは力強いユニゾンを響かせ、最後には町田ちまさんのボーカルフライが心をグっとつかんだ。

3人の歌姫がもたらす緊張と緩和

ここで、本日最初のMC。「こんばんはNornisで~す」という戌亥とこさんの挨拶によって、聞き惚れていた会場にもリラックスした空気が訪れる。

メンタルコーチ担当の戌亥とこさん、知性担当の町田ちまさん、愛嬌担当の朝日南アカネさんが順番に挨拶すると、観客はペンライトを振って応えた。緊張している朝日南アカネさんを遮って戌亥とこさんが進行しようとするなど、漫才のように和やかなMCに観客からも笑い声が漏れる。

せっかくの1stライブということで、順番に声出しも楽しんだ(今回「基本的には声出しNGだが、演者が求めたときのみマスク越しにOK」という形をとっていた)。 続いては、「KING」などでも知られるボカロP・Kanariaさんの「酔いどれ知らず」をカバー。落とし気味の照明の中に赤いライトが映え、クールな声で歌う3人の輪郭が妖艶に光っていた。

3人が目を閉じてスタンバイすると、3拍子のイントロが始まる。次の曲は『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』のエンディングテーマ「君の銀の庭」。朝日南アカネさんの歌い出し、町田ちまさんの高音と戌亥とこさんの低音の掛け合い、それらが合流して美しい混声からサビへ突入。

原曲を歌うKalafinaも女性3人のボーカルユニットであることから双方のファンにはたまらない選曲だったが、原曲よりも丸みを帯びたような柔らかいハーモニーが、かえってNornisらしさをよく現わしていた。
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