町田ちま、戌亥とこ、朝日南アカネの一人舞台
朝日南アカネさん
戌亥とこさんと町田ちまさんが退場し、ここからソロパートへ。朝日南アカネさんはダンスナンバー「Unchained」を振り付けつきでパフォーマンス。MCでは緊張していることをいじられていたが、曲が始まればその歌唱は堂々としたもの。ラップパートではイケボで魅せ、全員着席のグランキューブを熱く盛り上げた。
町田ちまさん
下手からゆっくり歩いてきた戌亥とこさんは、「六道伍感さんぽ」でソロパートのトリを飾る。ゆったりとした曲調の中、衣装の裾としっぽがゆらゆらと揺れる。自身の仕草はリラックスしたものだが、低音から高音まで安定した隙のない歌唱でファンを魅了した。
戌亥とこさん
町田ちまさんがセンターのフォーメーションにつくと、ボカロ曲「PaIII.SENSATION」をダンス付きでカバー。EDMボカロを得意とする雄之助さんが2016年に投稿した楽曲で、原曲も初音ミク、GUMI、鏡音リンの3人ボーカル。2022年4月にプロセカこと『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』に追加されたことで再注目を浴びていた。
腕の振り付けひとつとっても、朝日南アカネさんは勢いがあって情熱的、戌亥とこさんは体に沿わせるセクシーな仕草、町田ちまさんは肩掛けマントが翻ってダイナミックに見えるなど、三者三様の魅力があった。
「Goodbye Myself」という名の奇跡
バイオリンの音が不協和音ギリギリの不穏なものに変われば、ケンカイヨシさんが手がけたオリジナル曲「fantasy/reality」。サビでは癖になる<La-da-di, La-da-da La-da-di, La-da-da>のフレーズに合わせて腕を回す姿が印象的だ。
ここまで圧倒的な歌唱とハーモニーで世界観をつくってきた3人。続くMCでは町田ちまさんが、前置きなく次が最後の曲であることをバラしてしまい、テイク2を行うなど知性担当らしからぬ一面も。
町田ちまさんの「最後の曲は、明日からのみんなが頑張ろうと思えるよう、背中を押してくれるような曲です。聴いてください」との紹介から、「Goodbye Myself」へ。
背後の映像に映る青空が切なさを高めるが、<まるで奇跡に出逢えたようだ>──これはまさに、私たちリスナーにとってはNornisの奏でるハーモニーのこと。公演は終わりに近づくが、それは悲しい別れではなく、明日からの日々を踏み出すためのもの。まっすぐ響く3人の歌声がそう思わせてくれた。
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