2月16日、ドワンゴはニコニコ公式Twitterに拒絶理由通知の内容の一部を抜粋して投稿。
ドワンゴは「拒絶理由通知で示されている内容は弊社の見解と概ね一致しており、このような判断を示していただいたことを歓迎いたします」と綴っている。
特許庁が示した「ゆっくり」関連商標の拒絶理由
商標出願を拒絶した理由について、特許庁は以下のように説明している。ドワンゴは、「そもそも『ゆっくり○○』は動画のジャンルやカテゴリー、動画の内容を示す表示として広く一般に使用されており、特定の企業や個人が独占すべき文字列ではない」と改めて自社の見解を説明した。■理由1
...[略]...
本願指定商品・役務を関連する分野において、 「ゆっくり実況」 の文字は、
「「ゆっくりしていってね!!!」 や 「ゆっくり」 と称されるイラストや、 日本語音声合成ソフトから生成された音声が
用いられている、 ゲーム等の様子を実況する動画」 を表すものとして広く使用されており、
多数の者により動画が作成・配信されている実情も見受けられます(別掲参照)。
そうすると、...[略]…..
当該商品・役務が 「 「ゆっくりしていってね!!!」 や 「ゆっくり」 と称されるイラストや、
日本語音声合成ソフトから生成された音声が用いられている、 ゲーム等を実況する動画や創作した物語の動画」
を内容とするものであることを表したものと理解、認識するにとどまるものことから、
本願商標は、商品の品質又は役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと
認められます。
■理由2
... [略]...
そうすると、...[略]...
当該商品・役務が 「 「ゆっくりしていってね!!!」 や 「ゆっくり」 と称されるイラストや、
日本語音声合成ソフトから生成された音声が用いられている、 ゲームとの様子を実況する動画」 であることを
表したものと認識するにとどまるものとみるのが相当であって、
自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきです。 「ゆっくり実況」 (商標出願 2022-058346) の拒絶理由通知書より一部抜粋。 改行・略・強調はドワンゴによる|ニコニコ公式Twitterの投稿
「ゆっくり」関連商標出願は「独占の防止を目的」と強調
2022年5月、「東方Project」の二次創作である「ゆっくり茶番劇」の商標権を第三者が取得したことを発端とした騒動の中、ドワンゴは記者会見を実施。その中で、「『ゆっくり茶番劇』は動画のジャンルやカテゴリー、動画の内容を示す表示として広く一般に使用されている文字列であるという認識であり、特定の企業や個人が独占すべき文字列ではない」という見解を示していた。
そして本件に対し、ドワンゴが行なったアクションのひとつが「『ゆっくり』関連用語の商標出願」である。
ドワンゴ専務取締役COO・くりたしげたかさん(栗田穣崇)は当時、商標出願について、「ネット上の動画のジャンル・カテゴリーを示す言葉として、一般的に使用されていることを理由に、特許庁が商標登録を拒絶すれば、誰も商標登録できないことが明らかになる」と説明。
また、仮に商標が登録された場合についても、「『ゆっくり』関連の文字列について、ドワンゴは将来にわたって一切の権利行使をしないことを約束する」と報告。あくまでもユーザーに安心して「ゆっくり」関連動画を創作してもらうため、独占の防止を目的とした対応であると強調していた。
そのため、今回特許庁が商標登録を拒絶しその理由を明示したことで、ドワンゴの考えが補強されたとも言える。
今回の特許庁の判断を踏まえ、同社は「今後の具体的な対応方針については検討中です」としているが、同時に「喜ばしい進捗をお知らせいたします」とコメントしている。
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