YouTubeで活動する動画投稿者の柚葉さんが、「東方Project」の二次創作である「ゆっくり茶番劇」を商標権を取得した問題で、波紋が広がっています。
柚葉さんは、今後「ゆっくり茶番劇」の商標を使用する場合は、ライセンス契約が必要になるとして、商標使用許可申請書の提出と年間で10万円(税別)の使用料が発生すると主張。
二次創作が主流である動画ジャンルにおける商標権取得の発表に、「東方Project」原作者・ZUNさんやニコニコ代表のくりたしげたか(栗田穣崇)さんも言及、ファンも巻き込んで大きな騒動に発展しています。
その動向が注視されていましたが、5月16日に柚葉さんがTwitterを更新。「皆様からのご意見を受け、関係各所と再検討しましたところ、使用料のお支払いは不要と定めることに決定致しました」と発表しました。
その中で、今後、使用料(ライセンス契約)は不要になること、権利は柚葉さんサイドに存続することが明言されました。今回は、「ゆっくり茶番劇」商標取得に端を発した騒動の経緯を振り返ります。【ゆっくり解説】真相解明!ゆっくりの歴史と著作権の真実
同人サークル・上海アリス幻樂団が展開する弾幕シューティングゲームを中心とした作品群「東方Project」。「ゆっくり茶番劇」は、その二次創作から派生した動画ジャンルです。
「ゆっくり」と題されたコンテンツは、主に「東方Project」の二次創作キャラクターである「ゆっくり魔理沙」と「ゆっくり霊夢」が、「SofTalk」というテキスト読み上げソフトを用いた合成音声によってしゃべる会話コンテンツです。
「ゆっくり実況」「ゆっくり解説」を筆頭に、YouTubeやニコニコ動画などで一大ジャンルとして人気を集めており、前述の2つのタグが付いた動画は、ニコニコ動画(64万件)とYouTube(950万件)合わせて1000万件以上(2020年10月時点)。
最近では料理実況にも用いられるなど、「東方Project」の枠を超えて幅広い層に受け入れらた「ゆっくり」は、ネット上の動画コンテンツを代表するひとつのアイコンとなっています。
そのイラストを使った「ゆっくり」動画は四次創作とも言えるもので、権利の所在は長くブラックボックスとなっていましたが、「東方Project」25周年時に公式が動画で説明。
「東方Project」の二次創作ガイドライン(外部リンク)を満たせば、誰でも自由に使用可能であると明言されました。
騒動となっている「ゆっくり茶番劇」の商標登録では、「二次創作ガイドラインに反しているのではないか」といった意見をはじめ、一次創作者の寛大さで成立した誰もが自由に使える二次創作に商標権を主張したことへの反発、他の「ゆっくり」動画でも同様の事案が発生するのはないかという危惧など、批判的な声が上がっています。【ゆっくり茶番劇】幼馴染の優曇華と同居することに!?
「ゆっくり茶番劇」の商標を取得したのは、匿名クラブという団体が運営するライバーコミュニティ「Coyu.Live」に所属する動画投稿者・柚葉さん。普段は東方Projectのキャラクターを使用した二次創作動画などを投稿しています。
今回、柚葉さんが取得したのは、「ゆっくり茶番劇」という文字を対象とした商標。
商標の登録前に該当文字を使用していた場合は、先使用権があるためライセンス料などは必要ないものの、今後商用で使用する場合は、年間使用料として10万円を支払う必要があることを動画および公式サイトで告知しています。※重要告示※「ゆっくり茶番劇」商標使用に関する要綱 (ガイドライン) 動画版
動画はYouTubeに投稿されているため確認できますが、公式サイトについては、記事執筆現在、アクセスが集中しているためか閲覧できなくなっています。
また、柚葉さんは「ゆっくり茶番劇」を「音声合成ソフトを用いて制作された動画のこと」と説明。
「東方Project」のキャラクターなどを使用せずとも「ゆっくり茶番劇」は成立するため、今回取得した商標は「東方Project」並びに版権キャラクター、他者の商標及びサービスとは一切関係のないものだと主張しています。
柚葉さんは、今後「ゆっくり茶番劇」の商標を使用する場合は、ライセンス契約が必要になるとして、商標使用許可申請書の提出と年間で10万円(税別)の使用料が発生すると主張。
二次創作が主流である動画ジャンルにおける商標権取得の発表に、「東方Project」原作者・ZUNさんやニコニコ代表のくりたしげたか(栗田穣崇)さんも言及、ファンも巻き込んで大きな騒動に発展しています。
使用料(ライセンス契約)は不要と本人声明
商標権を取得した柚葉さんらへの批判が巻き起こる中で、複数の関係者が声明を発表。商標「#ゆっくり茶番劇」につきまして皆様からのご意見を受け、関係各所と再検討しましたところ、使用料のお支払いは不要と定めることに決定致しました。
— 柚葉 / Yuzuha【祝!ゆっくり茶番劇 商標登録】 (@Yuzuha_YouTube) May 16, 2022
✅今後、使用料(ライセンス契約)は不要になります。
✅但し、権利は当社のものとして存続いたします。
よろしくお願いいたします。
その動向が注視されていましたが、5月16日に柚葉さんがTwitterを更新。「皆様からのご意見を受け、関係各所と再検討しましたところ、使用料のお支払いは不要と定めることに決定致しました」と発表しました。
その中で、今後、使用料(ライセンス契約)は不要になること、権利は柚葉さんサイドに存続することが明言されました。今回は、「ゆっくり茶番劇」商標取得に端を発した騒動の経緯を振り返ります。
東方Projectの二次創作から派生「ゆっくり茶番劇」
「ゆっくり」と題されたコンテンツは、主に「東方Project」の二次創作キャラクターである「ゆっくり魔理沙」と「ゆっくり霊夢」が、「SofTalk」というテキスト読み上げソフトを用いた合成音声によってしゃべる会話コンテンツです。
「ゆっくり実況」「ゆっくり解説」を筆頭に、YouTubeやニコニコ動画などで一大ジャンルとして人気を集めており、前述の2つのタグが付いた動画は、ニコニコ動画(64万件)とYouTube(950万件)合わせて1000万件以上(2020年10月時点)。
最近では料理実況にも用いられるなど、「東方Project」の枠を超えて幅広い層に受け入れらた「ゆっくり」は、ネット上の動画コンテンツを代表するひとつのアイコンとなっています。
東方Project公式が表明した権利の所在
そもそも動画で使われているキャラクター2人の「ゆっくりしていってね!!!」というイラストは、ネット掲示板に投稿されたAA(アスキーアート)をもとにした三次創作。そのイラストを使った「ゆっくり」動画は四次創作とも言えるもので、権利の所在は長くブラックボックスとなっていましたが、「東方Project」25周年時に公式が動画で説明。
「東方Project」の二次創作ガイドライン(外部リンク)を満たせば、誰でも自由に使用可能であると明言されました。
騒動となっている「ゆっくり茶番劇」の商標登録では、「二次創作ガイドラインに反しているのではないか」といった意見をはじめ、一次創作者の寛大さで成立した誰もが自由に使える二次創作に商標権を主張したことへの反発、他の「ゆっくり」動画でも同様の事案が発生するのはないかという危惧など、批判的な声が上がっています。
商標取得者・柚葉は「ゆっくり茶番劇」と東方のつながりを否定
今回、柚葉さんが取得したのは、「ゆっくり茶番劇」という文字を対象とした商標。
商標の登録前に該当文字を使用していた場合は、先使用権があるためライセンス料などは必要ないものの、今後商用で使用する場合は、年間使用料として10万円を支払う必要があることを動画および公式サイトで告知しています。
また、柚葉さんは「ゆっくり茶番劇」を「音声合成ソフトを用いて制作された動画のこと」と説明。
「東方Project」のキャラクターなどを使用せずとも「ゆっくり茶番劇」は成立するため、今回取得した商標は「東方Project」並びに版権キャラクター、他者の商標及びサービスとは一切関係のないものだと主張しています。
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17件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:5421)
「元々から」ってことは、ゆっくり茶番劇をスタンスにしようとしてる新規の投稿者には商標及ぼそうとしてるってこと?
安易に辞退したと判断せずに詰めた方がよさようですね
匿名ハッコウくん(ID:5406)
のまねこ騒動より酷いよ
「そんなこと言うなら先に申請しておけばよかったじゃん」
って言うけど、ゆっくり自体が二次創作だからね
これまで申請されてなくて当たり前
全ては原作が源流なんだからさ
例えばゆっくりが巫女と魔法使いじゃなかったら
ゆっくりとしてのアイデンティティが失われるよね
匿名ハッコウくん(ID:5404)
「のまねこ」騒動と似ている。自然発生的な拡がりを持ったアイコンに対して権利を主張するのは「日本的美学」に反している。