ドワンゴが「ゆっくり」関連用語を商標出願へ 「ゆっくり茶番劇」騒動に進展

ドワンゴが「ゆっくり」関連用語を商標出願へ 「ゆっくり茶番劇」騒動に進展
ドワンゴが「ゆっくり」関連用語を商標出願へ 「ゆっくり茶番劇」騒動に進展

「ゆっくり茶番劇」商標登録問題について記者会見するドワンゴ専務取締役COO・くりたしげたか(栗田穣崇)さん/画像はニコニコ生放送「『ゆっくり茶番劇』商標登録に関するドワンゴのアクション」より

東方Project」の二次創作から派生した動画ジャンル「ゆっくり茶番劇」が商標登録された問題で5月23日、ニコニコ動画を運営するドワンゴは記者会見を行った。

ドワンゴはその中で、20日に発表した「『ゆっくり茶番劇』は動画のジャンルやカテゴリー、動画の内容を示す表示として広く一般に使用されている文字列であるという認識であり、特定の企業や個人が独占すべき文字列ではない」という見解を改めて説明。

加えて、本件に対してドワンゴが行う4つのアクションとして、「商標権の放棄交渉」「無効審判請求」「相談窓口の設置」「『ゆっくり』関連用語の商標出願」を発表。東方Projectの原作者・ZUNさんとコミュニケーションを取りつつ進めていくと報告した。

柚葉氏の商標取得が発端「ゆっくり茶番劇」問題

YouTubeで活動する動画投稿者・柚葉さんが、動画投稿サイトなどで広く使われている文字列「ゆっくり茶番劇」を商標登録し、批判が巻き起こっている今回の問題。

記者会見には、ドワンゴ専務取締役COO・くりたしげたか栗田穣崇)さん、ドワンゴ法務部部長・小川和晃さんが出席した。 会見では「ゆっくり」を、「東方Project」のゲームキャラクターをデフォルメ化したもの、「ゆっくり動画」を、ゆっくりのキャラクターと特徴的な合成音声を組み合わせる動画の制作スタイルとして説明。

2008年から2010年頃には「ゆっくり動画」が文化として定着したとして、2022年現在、すでに80万動画以上がニコニコ動画上に投稿されていると、歴史的背景を解説した。

商標権の放棄交渉ほか、ドワンゴ側のアクション

その上で、20日の発表と同様に、「【ゆっくり茶番劇】+動画タイトル」や「【ゆっくり劇場】+動画タイトル」のような動画の投稿は、「当該商標登録にかかる商標権を侵害することはなく、問題はない」というスタンスを、改めて示した。

さらに新たな情報として、予告していたドワンゴが行う4つのアクションを提示。まずは、権利を取得したとされる動画投稿者・柚葉さんに対しての商標権の放棄交渉を行なっていくという。

商標権の放棄交渉
・「ゆっくり茶番劇」の商標登録に対する無効審判請求
・使用料を請求されてしまった方への相談窓口の設置
・商標登録による独占の防止を目的とした「ゆっくり」関連用語の商標出願

なお、柚葉さんが所属するライバーコミュニティ「Coyu.Live」は5月21日、柚葉さんから「月曜日から放棄手続きを開始する」という連絡があったとTwitterで報告(外部リンク)。

ドワンゴとしてもその情報は確認しているものの、手続き開始が事実なのか、また商標権者であるかどうかも含めて、これから確認した上で、先方と交渉を進めていくとコメントした。

「ゆっくり」関連用語をドワンゴが商標出願

提示された4つのアクションの中でも特に注目されるのが、4つ目の「ゆっくり」関連用語の商標出願

これは、ドワンゴが「ゆっくり」関連用語の商標権者になるということだ。

くりたしげたかさんは「権利行使をするということではない」とした上で、「ネット上の動画のジャンル・カテゴリーを示す言葉として、一般的に使用されていることを理由に、特許庁が商標登録を拒絶すれば、誰も商標登録できないことが明らかになる」と説明。

また、商標が登録された場合についても、「『ゆっくり』関連の文字列について、ドワンゴは将来にわたって一切の権利行使をしないことを約束する」と報告。あくまでもユーザーに安心して「ゆっくり」関連動画を創作してもらうため、独占の防止を目的とした対応であると強調した。

「ゆっくり茶番劇」商標登録を巡って

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3件のコメント

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匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:5431)

こういう時はほんと頼もしいよな…
やっぱりニコニコは最高だぜ!

onda

恩田雄多

ご指摘ありがとうございます! KAI-YOUの恩田です。
失礼いたしました、先ほど修正いたしました!

匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:5428)

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