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ピーナッツくん『Tele倶楽部』制作秘話、全曲解説超ロングインタビュー

ピーナッツくん『Tele倶楽部』制作秘話、全曲解説超ロングインタビュー

POPなポイントを3行で

  • VTuber個人勢の筆頭「ピーナッツくん」
  • 2ndアルバム『Tele倶楽部』を全曲解説
  • インディペンデントな表現の先端を行く、その思想
バーチャルYouTuber個人勢の筆頭、ショートアニメの主人公、ゆるキャラグランプリの覇者など、ジャンルにとらわれない多彩な活動の結果、様々な肩書を持つオシャレになりたい!ピーナッツくん

近年、彼がもっとも注力しているものに、ラップ/ヒップホップによる音楽活動が挙げられる。

2020年6月に発売された1stアルバム『False Memory Syndrome』は、ピーナッツくんのアニメーションに登場する複数のキャラクターたちで彩られた、独自のポップでファニーな世界観を提示しながら、バーチャルYouTuberという存在の自我と内面に迫り、「バーチャルにおけるリアル」という相反する概念をアクロバティックな表現で達成した意欲作だった。 1stリリース以後、多くの音楽クリエイターやヒップホップアーティスト、メディアがピーナッツくんと共鳴。

2021年にはラッパーの登竜門的なインタビューメディア「ニートtokyo」に出演するなど、VTuberの枠組みを越え、すでにストリートシーン/ネットシーンを横断する音楽・表現活動を展開し続けている。

そしてついに2021年6月20日、待望の2ndアルバム『Tele倶楽部』をリリース。この1年でピーナッツくんは音楽的なスキルをさらに磨き、彼の才能に賛同するクリエイター、アーティストが多数参加するフィーチャリング・アルバムとして世に放たれた。 豪華な客演陣とピーナッツくんが織りなす全14曲の物語は、この現代に何を目指すのか。

23,000字を越えるKAI-YOU史上最長のロングインタビューによって、唯一無二の活動を続けるピーナッツくんの思想に迫る。

取材・執筆:わいがちゃんよねや VR写真:m_k_o_

目次

『Tele倶楽部』誕生秘話 VTuber版の「ニートtokyo」構想

──ピーナッツくんの2ndアルバム『Tele倶楽部』がリリースされました。おめでとうございます!

「ピーナッツくんテッシ!」

ピーナッツくん ありがとうございますナッツ!

──今作もすばらしい楽曲の数々ですね。音源の制作はいつ頃から開始されていたんですか?

ピーナッツくん たしか2021年の2月か3月ぐらいにスタートしたナッツ。

──意外に制作は短期間だったんですね。

ピーナッツくん でも『False Memory Syndrome』をリリースしてからずっと、2ndアルバムはどういうコンセプトで形にしようかなっていうのをずっと構想してたナッツ。

実際、曲自体は早くできたナッツ。そこからミックスやマスタリングをしていただいて、ようやく一つのアルバムとしてリリースすることができました。

──この1年間、毎日投稿はもちろんですが、ぽんぽこ24とか、ゆるキャラグランプリだとか、YouTube以外の露出も非常に多い年だったと思います。楽曲の制作のリズムやペースは確保できていたのでしょうか。

ピーナッツくん 楽曲制作に当てられる時間を確保するのは大変だったナッツ。

でも最近、というか半年ぐらい前から、ぽんぽこさんに動画制作の方をかなり担ってもらっていて。ぼくは基本的にサムネイルをつくるのとBGMを入れるのだけになったナッツ。なので、それ以外の時間で何とかできるようになりました。

──毎日投稿の動画編集はかなり手離れしているんですね。ピーナッツくんの中で、ヒップホップ/ラップの音楽活動というのは、今はどんな位置づけにあるのでしょう?

ピーナッツくん ぼくはゆるキャラとか、アニメとか、いろんな活動をしっちゃかめっちゃかにやっているんですが、今は音楽をつくるのが一番楽しいなって感じがするナッツ。(ラップが)自分の活動のメインになればいいなと思っているナッツよ

ピーナッツくんのアニメに関してもいろいろあるナッツが──実はアルバム『Tele倶楽部』に至るまでに多くの構想が入り混じって、今回ようやく世に出せたんです。例えば、今回のMVをつくるのに、かなり3Dを使ってるんですが。
ピーナッツくん - 笑うぴーなっつくん (Prod.nerdwitchkomugichan)
ピーナッツくん もともとぼくは3DCGアニメーションの「ピーナッツくん」をつくりたかったんですよ。そのピーナッツくんのアニメをフル3Dにしようっていう構想が随分前からあったナッツ

それで人造人間ジンゾウさんという天才クリエイターにアドバイスを仰ぎながら、コツコツやってたんですけど、結構なコストがかかるので、ピーナッツくんのショートアニメのペースでそれをアップしていくのは厳しいなと。それで音楽世界のピーナッツくんにしようっていうことにまとまったナッツ。

──ピーナッツくんが挑戦していたのは、有名なゲームエンジン「Unreal Engine」ですよね。本当はアニメーション作品のために学んでいた技術だったけれど、むしろそれが音楽活動の方にシフトしていったと。

ピーナッツくん そうです。あとタイトルの『Tele倶楽部』という構想自体が、もともと音楽のアルバムのタイトルにする予定じゃなくて。

実はバーチャルYouTuber版の「ニートtokyo」みたいなYouTubeのインタビューメディアをつくろうというプロジェクトだったナッツ

──以前、ちらっとその構想をお聞きしました。ロゴやビジュアルをつくれる方を探していると。ガチだったんですね。

ピーナッツくん そうナッツ! それをつくろうと思って、実はちゃんと動いていたんです。それでタイトルはどうしようかなと。「ニートtokyo」みたいな、いい感じの名前ないかなあ……と思って、ずっと考えた挙句『Tele倶楽部』という言葉が思い浮かんだナッツ。

VTuberの人たちは自分たちの配信でいろいろ喋っていますけど、それでも全然拾えてないようなエピソードがたくさんあります。それをガンガン語ってもらう場所が欲しかったんです。

まさに「ニートtokyo」的なことをやろうと思ってたんですけど、なぜかあんまり周りの賛同を得ることができず……。あとぼく自身がある種の目標にしていた「ニートtokyo」に出演できたっていう流れもあって、ちょっともう企画ごとシフトチェンジしようと。
ピーナッツくん : 一番リアルなバース
──なるほど。

ピーナッツくん それで『Tele倶楽部』っていうタイトルのアルバムをつくろうって思ったナッツ!

──そんな紆余曲折があった中での『Tele倶楽部』だったんですね。これはテレクラとテレグラムをかけて生まれた言葉なのでしょうか。 非合法っぽさを感じる響きが素敵なタイトルですね。

ピーナッツくん いや、そのつもりはないナッツ(笑)。でもぼく、めっちゃ考えたんですよ。何かVTuberシーンを丸ごと表象できる、アングラなタイトルにしたいなと思って……。なんせ下敷きはあの「ニートtokyo」ですからね。

まず、直感で5文字だなと思ったナッツ。現在のVTuber業界を代表している事務所・にじさんじホロライブも、5文字じゃないですか。

──たしかに。当初の企画ではそういう大型の箱を意識した動きも視野に入れていたということですね。

ピーナッツくん そうナッツ。それでまず5文字。次に、にじさんじとホロライブにない母音を使おうと思ったんですよ。にじさんじが「i-i-a-i」、ホロライブは「o-o-a-i-u」──あれ⁉️ 「エ」の段を全然使ってないじゃん!と思って(笑)

それで「エ」からはじまる面白い言葉を考えていくことに。「Tele」は遠隔って意味なんでオンラインでほとんどを済ますぼくらVTuberらしいかなと。さらにアングラ感を持たせるための「倶楽部」で、『Tele倶楽部』──これだって確信したナッツ。

──すごい。完全に音から考えているんですね。本当にラッパー思考ですね。

ピーナッツくん これはサウナで整ってる時に思いついたナッツ!

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匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん

ロッキンの20000字インタビューを超える超ロングインタビューはっきりいって物足りなささえ感じるほどに最高でした

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