なんといま、ゆっくり実況界で空前絶後の料理実況ブームが巻き起こっている。
そもそも「ゆっくり実況」とは? ブラックボックスだった権利関係
ゆっくり実況プレイとは、上海アリス幻樂団制作のシューティングゲームシリーズ『東方Project』の2次創作キャラクター「ゆっくり魔理沙」と「ゆっくり霊夢」を使用した実況動画のこと。多くの動画では投稿者の肉声ではなく「SofTalk」といったテキスト読み上げソフトが用いられており、合成音声も特徴の1つとなっている。
使用しているキャラクターがすでに2次創作のため、「ゆっくり実況プレイ」系の動画は3次創作といえばいいだろうか。「ゆっくり魔理沙」の派生イラストなどを用いていれば4次創作となる(総称してn次創作文化という)。
『東方Project』の2次創作ガイドラインを満たせば、誰でも自由に使用可能である旨が明言された。(外部リンク)
きっかけは「お料理大好き魔理沙ちゃん!」
冒頭にて紹介した料理実況ブームの発端となったのは、『ポケットモンスター』や『Minecraft』、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』などで人気を博す現在チャンネル登録者30万人超のぽへチャンネル。2017年、同チャンネルを運営するぽへさんは、『Minecraft』内で食材を集め、現実で同じ食材を調理する「お料理大好き魔理沙ちゃん!」シリーズの投稿を開始。現実とゲームが交錯する斬新なスタイルが評判となる。
その後、2020年9月には新たに「お料理大好き魔理沙チャンネル」を開設。
同チャンネルの初投稿動画「魔理沙ちゃんはとんかつを作るようです」は170万再生を記録し、チャンネル開設から僅か1ヶ月強でチャンネル登録者数が10万人を突破している。(現在チャンネル登録者数20万人)
これを受けて、他のゆっくり実況者たちも相次いで料理動画チャンネルを開設。ゆっくり料理実況ブームが巻き起こる。
ジャンルを越えた実況者たちのコラボ
誕生からこれまで多種多様な動画が登場し、ブラックボックスだった著作権絡みも整備された「ゆっくり実況」。共通のフォーマットや文脈の上に成り立つ実況者独自の持ち味こそ、「ゆっくり実況」の魅力だといえる。
先駆者であるぽへチャンネルでは、他の実況者とのコラボや、ポケモンのマホイップをケーキで再現する「#マホイップチャレンジ」など、ゆっくり実況者たちの交流を広げる試みが続けられている。
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