株式会社KADOKAWAは8月14日、2025年3月期の通期連結業績見通しと第1四半期決算を発表した。
KADOKAWAは業績見通しについて、6月に発覚した大規模サイバー攻撃の影響により、売上高で84億円の減少影響、営業利益で64億円の減少影響が発生すると説明。
一方で、電子書籍事業や、アニメ事業、ゲーム事業などは好調が継続。売上高では期初見通しを維持し、営業利益はマイナス9億円の修正に留まる見込みとしている。
業績にも影響を与えたKADOKAWAへのサイバー攻撃
KADOKAWAは6月8日に、グループのデータセンター内のサーバーにサイバー攻撃を受け、公式サイトなどのほか、「ニコニコ動画」などの関連サービスを停止。
関連会社が保有する機密情報や個人情報が漏洩した他、出版製造・物流のシステムが停止。出版事業に関して既刊の出荷部数が平常時の3分の1程度に落ち込んだとも報告していた。
2025年3月期の第1四半期決算としても、サイバー攻撃の影響によって出版・IP創出事業とWebサービス事業を中心に26億円の売上高の減少、19億円の営業利益の減少が発生したと説明している。
『ELDEN RING』の売上が全体の業績を牽引
一方アニメでは、『ダンジョン飯』や『この素晴らしい世界に祝福を！』などの人気タイトルが、前年同期をさらに上回る成長を実現。
ゲームでも、子会社のフロム・ソフトウェアが6月に発売した『ELDEN RING』のDLC、『ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE』の販売が堅調に推移。
本編の販売も増加し、ゲーム事業全体の業績を牽引。
全体でも前年同期と比較して、売上高で約70億、営業利益で約27億円の大幅増収増益となったと説明している。
KADOKAWAは、出版・IP創出事業については8月中旬以降に既刊の1日当たりの出荷部数が平常時の水準に回復。Webサービス事業では9月以降、全面的なサービス復旧すると見通しを説明している。
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