画像生成系AI VTuber「絵藍ミツア」始動 倫理的に収集した画像で“お絵かき”

画像生成系AI VTuber「絵藍ミツア」始動 倫理的に収集した画像で“お絵かき”
画像生成系AI VTuber「絵藍ミツア」始動 倫理的に収集した画像で“お絵かき”

画像生成系AI VTuber「絵藍ミツア」

「AIとみんなでつくるアート」をコンセプトにした画像生成系AI バーチャルYouTuber「絵藍ミツア(えらん・みつあ)」プロジェクトの始動が発表された。

運営は、クリエイティブ集団・ライゾマティクスのメンバーを擁する株式会社アブストラクトエンジン。

プロジェクト始動に伴い、倫理的に収集した画像でフルスクラッチ学習した画像生成AIモデル「Mitsua Diffusion CC0」も公開された。

画像生成AI VTuber「絵藍ミツア」とは?

「絵藍ミツア」 キャラクターデザイン:ディープブリザード・イラスティアさん

絵藍ミツアさんはプロフェッショナルのクリエイター/アーティストを目指すAI VTuber。

昨今話題となっている画像生成AIの多くは「プロンプト」と呼ばれる命令文をAIに入力し、画像を生成するのが一般的。つまり、人とAIの一対一のプロセスであり、人がAIに命令して画像を生成する、という工程となっている。

絵藍ミツアさんは「AIとみんなでつくるアート」をコンセプトにしており、YouTubeの配信で視聴者のコメントを元にして方向性を決めることで作品をつくっていくという。

AI VTuberを通して、多くのリスナーと共に一緒に作品をつくるという、参加型のアート体験の創出を行う。

初回配信日程は2023年3月を予定。なお、配信内で完成した作品はCC0ライセンス(いかなる権利も保有しない)で公開される予定となっている。

既存の画像生成AIの問題点を解消したプロジェクト

既存の画像生成AIは他人の著作物を、その著作権者の知らないうちに学習データセットに取り込み、ソフトウェア開発のために使用しているケースが多い。

日本の法律では、AIの機械学習を目的にした著作物の利用は「著作権法第30条の4第2号」で基本的に認められている(外部リンク)一方で、その倫理的・感情的な問題から非難されるケースは後を絶たない。 そのような状況がある中で、「絵藍ミツア」プロジェクトでは既存の学習済みのStable Diffusionのモデルを使用せず、権利的、または心理的にクリーンと考えるデータを用いてゼロから学習したり、学習画像提供者に返礼を行ったりすることで、アーティストに対する倫理的な問題の改善も目指していくという。

「絵藍ミツア」学習の仕組み

絵藍ミツアのAIは、まずクリーンなデータ(合計約1100万枚)のみを使用して、フルスクラッチで倫理的に学習され(※1)、このデータが、「Mitsua Diffusion CC0 v1.0」として公開されました。(なお、このモデルは倫理的問題の解決に重点を置いており、表現能力は高くありませんのでご了承ください。)

その後、第二段階としてハッシュタグ「#みつあ勉強用」がついたTwitterの投稿に含まれる言葉をキーワードにしてTwitter上で画像を収集し、収集された画像を学習データに取り込みます。

なお、公序良俗に反するキーワードや運営が不適切と判断したキーワードは使用されません。また、「AI学習禁止」がプロフィールに書かれているアカウントの画像は収集致しません。また、この段階では、希望者はかんたんにオプトアウト (学習データから画像を除外すること) が可能です。オプトアウト希望者は下記のGoogleフォームから申請してください。第二段階以降の学習は逐次ゼロから行われ、オプトアウト希望者の画像データの影響がモデルに残り続けることはありません。

最後に、第三段階として、選択的に学習画像提供を希望していただいた方々の画像を学習データに取り込みます。具体的にはハッシュタグ「#みつあ勉強用」をつけて画像つきツイートをしていただくことで、そのデータが絵藍ミツアの学習データとして取り込まれます。この画像は学習の最後段階で複数回使用され、絵藍ミツアの画風・概念獲得に大きく影響を及ぼします。この画像つきツイートによって絵藍ミツアのデータセットに画像を追加された方には、絵藍ミツアの画力に貢献していただいた御礼として、画像枚数に応じた返礼をご用意します。返礼内容は、プロジェクトへのクレジット、限定コンテンツ、限定NFTの贈呈、限定グッズ贈呈などを予定しています。(詳細は検討中)

なお、この画像には必ずご自身が著作権を保有する画像を使用してください。画像は目視確認され、公序良俗に反するなど運営が問題あると判断した画像はデータセットに追加されません。また、他のAIで生成した画像も受付可能ですが、必ずハッシュタグに「#AIイラスト」もしくは「#aiart」をつけてAIで生成された画像であることがわかるようにし、Twitter上で画像を投稿する際に「説明を追加」の機能を利用して入力できるALT(代替テキスト)に当該画像をAIで生成する際に用いた生成プロンプト(キーワード、呪文)と使用サービス・モデルを記載す

るようにしてください(AI生成画像に一部加筆したものを含む)。 詳細な条件などは公式ウェブサイトの学習画像ガイドラインをご参照ください。
この学習プロセスは逐次繰り返され、絵藍ミツアのAIは、どんどん成長していきます。このようにして学習されたモデルは絵藍ミツアの活動(YouTube/Twitter他SNSにおける活動を含みます。)に関連する目的及び当社の研究活動の目的のためにのみ使用されます。

※1 フルスクラッチ学習:既存のものを使わずに何もない状態から学習していくこと。現時点ではUNetのみ。今後VAEも予定。 絵藍ミツアの【学習について】

SHARE

この記事をシェアする

Post
Share
Bookmark
LINE

画像生成AIとクリエイティブの未来を考える

関連キーフレーズ

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。

コメントを削除します。
よろしいですか?

コメントを受け付けました

コメントは現在承認待ちです。

コメントは、編集部の承認を経て掲載されます。

※掲載可否の基準につきましては利用規約の確認をお願いします。

POP UP !

もっと見る

もっと見る

よく読まれている記事

KAI-YOU Premium

もっと見る

もっと見る

情報化社会の週間ランキング

最新のPOPをお届け!

もっと見る

もっと見る

このページは、株式会社カイユウに所属するKAI-YOU編集部が、独自に定めたコンテンツポリシーに基づき制作・配信しています。 KAI-YOU.netでは、文芸、アニメや漫画、YouTuberやVTuber、音楽や映像、イラストやアート、ゲーム、ヒップホップ、テクノロジーなどに関する最新ニュースを毎日更新しています。様々なジャンルを横断するポップカルチャーに関するインタビューやコラム、レポートといったコンテンツをお届けします。

ページトップへ