NEWVIEWが主催するXRエンターテイメントイベント「NEWVIEW FEST 2022」が、12月23日(金)から12月25日(日)にかけて渋谷PARCOおよび渋谷スクランブル交差点で開催される。
NEWVIEWの2022年の集大成となる本イベントは、「Create a Melting Reality(溶け合うリアリティを創造せよ)」をテーマに、XRコンテンツのグローバルアワード「NEWVIEW AWARDS」関連のXR作品の展示のみならず、バーチャルYouTuber(VTuber)の元祖・キズナアイさんの歌唱特化型AIとして誕生した「#kzn(キズナ)」のARライブを実施。
VRChatのクラブワールド「GHOSTCLUB」の0b4k3さんとphi16さんが演出し、DJ/音楽プロデューサー・Steve Aoki(スティーブ・アオキ)さんのリミックス曲を#kznがパフォーマンス。また、ラッパー・Kamuiさんが#kznをフィーチャーした楽曲が、アーティスト・JACKSON kakiさんによる演出で披露される。 今回KAI-YOU.netでは、#kznのARライブを手がけた0b4k3さん、Kamuiさん、JACKSON kakiさんの座談会を敢行。
XR領域の最前線で活躍するクリエイター2人、そしてヒップホップからバーチャルに最も近いラッパーは、どのようなライブに仕上げたのだろうか?
目次
「NEWVIEW AWARDS」で0b4k3が得た次につながる機会
──JACKSON kakiさん、0b4k3さんが、VR、AR、MRなどXR領域のクリエイティブに興味を持ったきっかけは何ですか? JACKSON kaki 僕は昔バンドをやっていて、2017年の「フジロック(FUJI ROCK FESTIVAL)」に遊びに行ったんですね。イギリスのAphex Twin(エイフェックス・ツイン)が来日・出演していて、そこで初めて観たエレクトロミュージックのVJ演出に衝撃を受けたんです。もう「バンドやってる場合じゃねぇ!」って(笑)。それが音楽から視覚表現に転向したきっかけです。
もともと講師のメディアアーティスト・谷口暁彦さんに興味がありました。3DCGとかVRとかって面白そうだし「Aphex Twinみたいな映像作品をVRで観たらヤバそうだよな」って応募して、この道に進むようになりました。 0b4k3 僕はソーシャルVRプラットフォーム・VRChatを始めたのがきっかけですね。
昔『PlayStation Home』っていう仮想空間・メタバースの先駆けみたいなサービスがあって、それがものすごく好きだったんです。
「似たような場所がまだあるんだ」と感動してVRChatを始めて、それがきっかけでXR領域にも興味を持つようになりました。
──0b4k3さんも2020年度の「NEWVIEW AWARDS」に応募されてますよね。
0b4k3 最初は応募する気はなかったんですけど、運営の方から「応募していただけませんか」みたいな連絡が直接きて、それがきっかけでしたね。
それで、元々VRChat向けに制作した作品をSTYLY(※)向けにつくり直して提出してみるかと。「連絡もらったし賞品もあるなら出してみるか」という、割と軽い気持ちでした。
しかしその結果、意外と多くの人に作品を観てもらえたし、結果的にPARCO Prizeを受賞して展示までしていただいて。「NEWVIEW AWARDS」は単に賞を渡すだけでなく、その先につながるチャンスを与えてくれるところが大きいと思っています。
※編注:Psychic VR Labが開発・運営するVR/AR/MRクリエイティブプラットフォーム。「NEWVIEW AWARDS」はSTYLYで制作した作品を応募できる。
0b4k3のVR映像でKamuiが受けた「新しい刺激」
Kamui 0b4k3さんも参加したPARCOの展覧会「攻殻機動隊 SAC_2045 EXHIBITION」は、俺もJACKSON kakiくんの誘いで一緒に観に行きました。そこで観た0b4k3さんのVR映像が衝撃的すぎて、マジで数分間脳みそがそのまんま置いてきぼり状態になっちゃって……。
0b4k3 観ていただいたんですね、ありがとうございます。
Kamui いやもう、今日は0b4k3さんに会えて本当に恐縮です。
あのVR映像を観て、脳みそに新しい刺激を受けたというか、今までない体験をしたなって。そういう新しい表現をつくっている世界がもうあることをそこで初めて知った。
自分が音楽で届けていること、例えば最近リリースしたアルバムの『YC2.5』で描いてるのは、あくまでもストーリーで。要は小説などと同じく受け手の感受性に委ねているわけです。
それと比べてあのVR映像の体験は、その領域を凌駕しちゃっている。視覚だけでなく身体全部で感じるような体験をして、XR表現の可能性をすごく感じました。
──Kamuiさんの楽曲「星空Dreamin'」のMVも、3DCGで制作されていますよね。ボーカロイド・suimeeがラップする姿が印象的でした。 Kamui 元々suimeeはオリジナルのボーカロイドキャラクターとしてデザインしていて、MVではその子が歌ってる演出がしたくて。それにはやっぱ動いてないと駄目だろうってことで。
ちょうどそのとき、Tsumigiくんっていう3DCGクリエイターが自主制作作品をYouTubeに上げてるのを見かけて、「いいな」と思って連絡してつくりました。
自分はあくまでプロデューサー的な形で──もちろんボーカロイドなんで歌は自分がつくっているけど、あくまでもsuimeeに主体性を持たせたかった。彼女は表でスポットライトを浴びる女の子であってほしいなと。
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