XR表現を教えるアートスクールとは? 卒業生の映像作家 JACKSON kakiが得たもの

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XR表現を教えるアートスクールとは? 卒業生の映像作家 JACKSON kakiが得たもの
XR表現を教えるアートスクールとは? 卒業生の映像作家 JACKSON kakiが得たもの

NEWVIEW SCHOOLの歴代講師陣。宇川直宏さんや0b4k3さんらも参加している。

D.A.N.やMONDO GROSSOのMVでディレクターを務めたJACKSON kakiさんや、ゲーム「パックマン」とコラボしたARアートを手掛けたクリエイティブユニット・xorium(エクソリウム)のRyo Takegawaさんら、XRのアート/クリエティブシーンで活躍する作家を輩出するアートスクール「NEWVIEW SCHOOL」。

このスクールは、パルコ、Psychic VR Lab、ロフトワークによる、3次元空間の表現を開拓する共同プロジェクトであり、『攻殻機動隊 SAC_2045』の展覧会のVR展示もサポートする「NEWVIEW(ニュービュー)」が運営。

宇川直宏さんが主宰するライブストリーミングサイト/スタジオ「DOMMUNE」でのコラボ番組も人気を博している。

そんな「NEWVIEW SCHOOL」について、今回は卒業生の一人であり、気鋭の映像クリエイター100人を選出するプロジェクト「映像作家100人」にも選ばれたJACKSON kakiさんに話を聞いた。

宇川直宏、0b4k3ら講師務めるNEWVIEW SCHOOL

NEWVIEW SCHOOL

XRコンテンツをつくる技術を教えるスクールは数多くあれど、「NEWVIEW SCHOOL」は、技術よりも3次元空間で表現すること、体験をつくることの本質的な考え方を学べる、新たな表現の学校として人気を博しているという。

歴代講師陣には、XRに限らず、美術家の宇川直宏さん、編集者の伊藤ガビンさん、アーティストの谷口暁彦さん、たかくらかずきさん、ぬQさん、YPさん、VRChat上のクラブイベント「GHOSTCLUB」を主催する0b4k3(オバケ)さんら、新たなメディアで新たな表現を実験的に行ってきた面々が名を連ねている。

NEWVIEW SCHOOLの歴代講師(順不同)
谷口 暁彦(アーティスト)、菅 俊一(コグニティブデザイナー/多摩美術大学統合デザイン学科准教授)、YP(映像監督)、佐藤ねじ(株式会社ブルーパドル代表/プランナー/アートディレクター)、宇川直宏(現”在”美術家|DOMMUNE主宰)、0b4k3(Director)、たかくらかずき(アーティスト)、Asagi/アサギ東京(ARアーティスト)、最後の手段(映像作家)、ぬQ(アニメーション作家)、小鷹 研理(からだの錯覚の研究者)、篠田 千明(演劇作家、演出家)、山内祥太(アーティスト)、中村佑子(映画監督・作家)、北千住デザイン(プログラマー/ARクリエーター)、比嘉 了(ヴィジュアル・アーティスト・プログラマー)、伊藤ガビン(編集者)、田丸 雅智(ショートショート作家)、小泉 明郎(美術家)、倉本 美津留(放送作家)、大月 壮(映像作家 / 映像ディレクター)、豊田 啓介(建築家 / noiz Architects)、中田 拓馬(インタラクションデザイナー / 映像演出家 / VJ)、千合 洋輔(映像デザイナー / 映像作家)、evala(音楽家 / サウンドアーティスト)、長見 佳祐(ファッションデザイナー・HATRA)、伊波 英里(グラフィックアーティスト/アートディレクター)

講義では、そもそも「人間は世界をどのように知覚しているのか?」「世界観はどのように演出できるのか」「物語を体験させるとは」など、3次元である意味や理由を深く意識させる。

また講義の課題では、「テクノロジーを使わないVRを考えてください」「3手までで空間を異化させてください」といったテーマが投げかけられ、受講生は問答のように作品のプロトタイピングを繰り返す。

講義の後半ではゼミに分かれ、アーティストである講師から直接作品制作の指導を受けられるのも特徴だという。

JACKSON kakiがNEWVIEW SCHOOLで得たもの

JACKSON kakiさん

JACKSON kakiさんは1996年生まれ、静岡県・浜松市出身。バンド活動やライブイベントのオーガナイザーを経て、現在は個人プレイヤーとして、DJ/アーティストとして活動している。

並行して映像、インスタレーション、VR・AR等のメディアを横断したアーティスト活動も行っており、D.A.N.の「The Encounters」や、MONDO GROSSOの「B.S.M.F」などの楽曲のMVを監督している。
D.A.N. - The Encounters [feat. Takumi (MIRRROR) / tamanaramen]
MONDO GROSSO / B.S.M.F [Vocal: どんぐりず]
NEWVIEW SCHOOLを受講していた2019年当時は大学生。それまでVRやARをつくったことがまったくなかったという。

【JACKSON kakiさんコメント】

NEWVIEW SCHOOL入る以前、自分は美大に通ってたわけでもなく、ビジュアル表現に精通していたわけでもなかった。しかし、NEWVIEW SCHOOLでの実技と思考の講義を通して、VR/ARによって表現できる世界に触れることができた。その世界は視覚的な体験だけではなく、インタラクションやサウンドといったさまざまな感覚を通じて、世界へ没入する新しい体験だった。

映像、写真、演劇、グラフィック、美術、テクスト、物語、身体、コミュニケーション……。

あらゆるメディアやコンテンツ、文化、思想の表現を吸収し、まだ見ぬ世界へと誘う。既存の感覚やリテラシーを超えた存在と対面する。そんな強力なメディアは人類にとってのユートピアになるか、ディストピアになるか。

いまVRに挑戦することは、来る時代、新しいリアリティと想像力を構築する時代に向けて歴史を綴る行為であり、観測者となりうるのではないのか。

XRの可能性

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