現代美術家でライヴストリーミングスタジオ・DOMMUNE主宰の宇川直宏さんプロデュースによって、アーティスト/インタラクションデザイナー/プログラマ/DJなどマルチに活躍する真鍋大度(Rhizomatiks Research)さんと、画家である中山晃子さんの作品を展示。
さらに今後は、現代美術画廊「TARO NASU」を運営する那須太郎さんのプロデュースで、コンセプチュアル・アートを手がけるライアン・ガンダーさんの作品が展示される。
メディア芸術日本文化を発信「空の玄関美術館」
「DEEP JAPAN」は文化庁による「空港等におけるメディア芸術日本文化発信事業」のプロジェクトの一環として『メディア芸術 × 文化資源分散型ミュージアム』を国内の空港で展開。日本の観光基盤の拡充、強化及びメディア芸術の振興を目的としたこの試みは、参加する国際空港それぞれが主役になりアーティストとコラボしながら「空の玄関美術館」を共同でつくり上げていくプロジェクトを目指しているという。
今回発表された展示は、2つの期間と場所で実施される予定。
第1期の関西国際空港での展示は2月16日から3月31日(火)まで。第1ターミナルビル国際線南到着導線・約570mにわたって真鍋大度さんの作品「phase」、そして国際線北到着導線・約400mにわたって中山晃子さんの作品「渦潮図」が展示される。
真鍋さんによる「phase」は、瀬戸内の波のデータと国際線到着時間のデータから生成するデータビジュアライゼーションの新作。
中山さんによる「渦潮図」は、鳴門の渦潮(なるとのうずしお)からインスピレーションを受けて表現された新作だ。 中山晃子さんは自身のTwitterで作品を紹介。「400m!絵の端が消失点で消えるくらい長い」と驚いた様子を見せた。
第2期のJR関西空港駅構内での展示は、3月上旬から3月31日(火)まで。ライアン・ガンダーさん作品「Imagineering」が展示されるほか、瀬戸内ブランドを促進させる組織・せとうちDMOの協力のもと多様な瀬戸内エリアの周遊先を提案するパネル展示もされる。本日より関西国際空港北ウィングにて「渦潮図」を展開しています。400m!絵の端が消失点で消えるくらい長い。
— Akiko Nakayama 中山晃子 (@akikonkym) February 16, 2020
ディレクションは宇川直宏さん、南ウィングには真鍋大度さんです。ありがとう、、🌊 pic.twitter.com/mPcwPiTNyi
オリンピックも控えている今の日本での旅をはじめる観光客に対し、最先端のメディア芸術に触れてもらいながら日本文化の新たな気づき、魅力を伝えていく役割を果たしそうだ。
宇川直宏「国際空港を舞台に描く全く新しいメディア芸術のネットワーク・ハブ!各空港をその端末と見立てた今世紀的分散型ミュージアム構想!」
プロデューサーの宇川直宏さんは、「国際空港を舞台に全く新しいメディア芸術のあり方を発信する」と強い意欲を示している。空港とは読んで字の如く,空の港であり,空の玄関である。
このフロアは,他国,他地域との文化的交流を果たす“玄関口”であり,文字通り境界を超えて訪れた人間同士が混交する生きた“回廊”でもある。このようなアクティヴな人間の活動を支える空港において,国際文化交流の振興を図る文化庁が,この度,我が国の先鋭なるメディア芸術と歴史的な文化資源をクロスフェードさせる新たな試みを世界に拡散させてゆく…。そう , これは , 地域固有の文化とその物語がミックスされたメディア芸術作品を空港にインストールする分散型ミュージアム構想なのである。今後ますますの拡大が見込まれるインバウント観光客の長期滞在,他地方への接続を図り,日本の観光基盤の拡充・強化及びメディア芸術の振興を目的としたこの試みは,参加する国際空港それぞれが主役になり,アーティストとコラボレートしながら「空の玄関美術館」を共同で作り上げていくプロジェクトを目指している。その関西国際空港ヴァージョンは,まるでダンスフロアのように,あらゆる日本のレアグルーヴ(歴史的文化資源)と,最前衛の実験的テクノロジー(メディアアート)がビートマッチングを果たす。
名付けて JAPAN MEDIA ARTS DISTRIBUTED MUSEUM 《DEEP JAPAN》 !
ここで開帳される作品は,アーティストの作品が,瀬戸内のイメージとメディアミックスされ,歴史的邂逅を果たすメディア芸術の普遍的可能性の探求なのだ。歴史を紐解くと,いつの時代も,新たなる触媒(メディウム)や,新奇な技術的発明(テクノロジー)は,創造の主が利用する道具,そして器に過ぎない。例えば,ロックアートも洞窟壁画も,ナスカの地上絵もピラミッドも,そして縄文式土器も前方後円墳も,神話を背負った太古のメディアアートだと捕らえることができるが,遥か以前からメディウムもそしてテクノロジーも,イマジネーションを具現化するひとつのツールに過ぎなかったのである。我々はインダストリー 4.0 の現代に新たなる日本文化史として「空の玄関美術館」を構想する。そして地方創生のオルタナティヴ・フューチャーを想い描き,国際空港を舞台に全く新しいメディア芸術のあり方を発信するのである。
まず1組めの Rhizomatiks Research 真鍋大度の作品は,滑走路と並行の走る 約570m の廊下に 314 個の LED を設置。この LED のライティングパターンは, 瀬戸内の波のデータ,そして関西国際空港に海外から入国する飛行機の国際線到着時間のデータから生成されている。医師であり博物学者であったシーボルトを始めとして数多くの欧米人から高く評価された景勝地である瀬戸内海の波周期を,海外から日本に訪れたインバウンドの訪日記録と連動させ,旅行客の活動を瀬戸内の環境の推移とシンクロさせる試みだ。
また,中山晃子の作品は,流動する色彩によるうつろいゆく現象を絵画として描く彼女の作風が鳴門海峡と融合。古事記によれば神が矛を海に差し入れかき混ぜてゆく中で,混沌の世界に初めて形が生まれた場所だという鳴門海峡。一瞬の中で生きている色彩という名の芸術が,千年前にこの海に神話を見つけた語り部たちの隣に立ちながら,映像,詩作,パフォーマンスと,それぞれのメディアで物語の生まれるところに触れる。
JAPAN MEDIA ARTS DISTRIBUTED MUSEUM 《DEEP JAPAN》 これは,テクノロジー × 歴史! メディア × 観光! そしてアート × 伝統! これは,メディア芸術を新たなる日本文化史としてマッシュアップさせる「空の玄関美術館」構想である。そしてそれら各構成要素が深く奥行きを持って空港内でメガミックスされてゆく全く新しいネットワーク・ハブであり,各空港をその端末と見立てた今世紀的分散型ミュージアムなのである。今回はこのミュージアムに日本を代表する2組のアーティストが参加する! そして,更に第2期として「岡山芸術交流 2016」参加作家の展示が同じくクリエイティブ・プロデューサー那須太郎氏によりJR関西空港駅構内で展開されるのだ!
目を見張るアート作品
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