脳波を解析して人為的に“ゾーン状態”に導くヘッドセットが開発中

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タナカハルカ
脳波を解析して人為的に“ゾーン状態”に導くヘッドセットが開発中
脳波を解析して人為的に“ゾーン状態”に導くヘッドセットが開発中

HyperXとNeurableが開発するゲーミングヘッドセット/画像はNeurable公式サイトから

脳波を測定しパフォーマンスを数値管理するだけではなく、脳の集中状態を作り出すトレーニングの補助もしてくれる──そんなSFのようなデバイスの実現が目の前まで迫っている。

ゲーミングデバイスブランド・HyperXと、ニューロテクノロジー企業・Neurableが共同で、神経技術を搭載した業界初のゲーミングヘッドセットを開発中だと発表した。

AIと神経科学を組み合わせ、パフォーマンスの最適化をサポート

このゲーミングヘッドセットの特徴は、Neurableが開発したAI搭載の非侵襲的センサー技術が、ヘッドセットのイヤークッション部分に組み込まれている点。

これにより、特別な器具を頭皮に取り付けることなく、普段通りヘッドセットを装着するだけで、プレイヤーの脳波をリアルタイムに計測/解析できるという。

さらにAIと神経科学を組み合わせたアルゴリズムが、プレイヤーの集中力や疲労度を可視化し、パフォーマンスが最適化されるようにサポートする。

宇宙のイメージと共に“ゾーン状態”を作り出すトレーニング

NeurableのCEOであるRamses Alcaide博士は、「反応速度と精度のどちらかを選ばざるを得ないという大きな課題が存在します。素早く動ける代わりに、命中精度が落ちる可能性があるのです」と、eスポーツのプレイングにおける課題を語る。

この課題を解決するために搭載されたのが、「Prime」と呼ばれるトレーニングプログラムだ。脳の集中状態である“ゾーン”にプレイヤーを導くために設計されている。

プレイヤーの集中度は「宇宙で回転する星雲」のようなグラフィックで日表現され、モニターで確認することができるという。集中力が高まると散らばった雲が収縮し、最終的には1点集約されていく。

集中力をモニタリングしている様子(画像は「TechRadar」より)

集中力をモニタリングしている様子(画像は「TechRadar」より)

このプロセスを繰り返すことで、プレイヤーはあらゆる状況下で迅速に集中状態を作り出す感覚を習得。実戦でのパフォーマンス向上につなげることができるという。

ほんの数フレームが勝敗を分けるe-スポーツの世界

一般的なゲーマー及びセミプロeスポーツ選手を対象に、このヘッドセットを用いたトレーニングセッションを実施。実際にパフォーマンス向上が確認された。

平均して、参加者の反応時間は43ミリ秒短縮され、射撃精度は0.53%向上。43ミリ秒というと僅かな差に思えるが、60fps環境では約2.5フレーム分(1フレーム約17ミリ秒)に相当。コンマ1秒を争うプロシーンでは勝敗を分ける決定的な差となる。

プロeスポーツ選手を対象にした予備研究では、より顕著な結果が表れた。反応時間は38ミリ秒短縮された一方、精度は3%近く向上。平均で21個以上のターゲットを追加で命中させることに成功している (外部リンク)。

また、本デバイスはパフォーマンス向上だけでなく、休憩タイミングを提案し、練習を効率化させる効果もある。

さらに今後は、プレイ中の「ティルト(感情的な動揺やイライラ)」を防ぐためのメンタルケアへの活用。そして、ゲーム開発者がプレイヤーの恐怖度を測定し「最も効果的なタイミングで怖がらせる」演出を行うなど、新しいゲーム体験を生み出す可能性も期待されている。

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