傑作漫画『ちひろさん』実写化 有村架純演じる元風俗嬢の日々を描く

原作・安田弘之「あ。これはいい作品になるな」

主演・有村架純(ちひろ役)のコメント
原作の漫画と脚本を読んだ時、純粋に面白いと感じました。
息詰まった何かを優しく掬い取ってくれる、じんわりじんわり染み渡るお話で、まるで"ちひろさん"のドキュメンタリーを見ているかのような感覚になり、新しい視点で物語に参加することができました。
とはいえ、自分がちひろさんを演じさせていただいたわけですが、撮影が終わるまで"ちひろ"と呼ぶことができず、"ちひろさん"がしっくりくる役どころで、それがどうしてなのかは、物語をご覧になっていただけると嬉しいです。永遠にちひろさんの背中を追いかける、初めての経験でした。
今泉さんとは「有村架純の撮休」以来となりましたが、印象変わらず非常に穏やかな撮影現場でした。1カット1カットをストイックに、モニターでチェックするだけでなく時に現場で芝居を目視しながら、最後まで丁寧に切り取って下さいました。今泉監督の戦い方が、この作品にとても合っているように思いました。
この世界には、一人漂うように生きることを愛する方もいます。この作品はまさに、一人を愛する人間を主人公に迎えた物語です。誰にも、何にも邪魔されない、干渉しない、影響を受けない、ただただ思うままに生きることを選べたら。そんな生き方が出来たらどれだけ楽だろうか。
しかしながら、生きるそばには必ず誰かがいるのも事実です。
一人の時間を大切にする日常の根底には人の温もりがあるということに、改めて気づける作品でもあるのではないかと思います。
各々呼吸のしやすい場所で好きに生きていいじゃないの、と認め合える世界がたくさんありますように。
"ちひろさん"という新しい物語を是非、楽しんで頂けたら嬉しいです。

監督・今泉力哉さんのコメント
漫画『ちひろさん』にはじめて触れた時、この人物を生み出した作者に会いたいと強く思い、プロデューサーに頼んで安田さんと会わせていただきました。その場では、映画化に向けての話し合いというよりも、なんだか人生相談のような、また、ちひろをはじめとする登場人物たちの寂しさや生きづらさ、しあわせのかたちはひとつじゃないこと、変わった大人に出会うことの意義などについて、たくさん話し合ったことを憶えています。有村さん演じるちひろの寂しさはとても美しいです。私は生きるのがあまりうまくないのですが、そんな誰かに届いたら嬉しいです。

原作・安田弘之さんのコメント
この作品が大好きだ!という制作の方々からの依頼。
巷にいるなんでもない人たちを見つめる目線が大好きな今泉力哉監督。
目の奥に読み切れない静けさを持つ女優の有村架純さん。
『ちひろさん』がとうとう実写化されました。
海辺の街の撮影現場に一度だけお邪魔した時に感じた
(あ。これはいい作品になるな)
という手ごたえ。
完成品はまだ観ていませんがそうなっているはずです。

プロデューサー・山野晃さん(アスミック・エース)のコメント
漫画『ちひろさん』を最初に読んだときのことは、忘れられません。
ちひろという人物が、笑ったり、怒ったり、涙を流したりしながら、作品の中でまるで本当に息をして生きているような感じがしたのです。
今泉監督で映画化というアイデアを中里プロデューサーからお聞きし、このちひろという女性を表現できるのは今泉さんしかいない、彼の描くちひろさんにどうしても会ってみたいという一心で企画を進め、Netflixさんとご一緒に実現することが出来ました。
そして、主人公・ちひろを体現していただいた有村架純さん。繊細で豊かな表現力と、揺るぎない人間的な魅力。撮影中、ちひろとして“生きて”いた有村さんの姿一つ一つが、今も目に焼き付いて離れません。
作品はまだ完成前ですが、心の中の喜びも痛みもそっとなぞってくれるような、見終わった後、世界が少し広がって見えるような、そんな作品になりそうです。
ちひろさんとの出会いを、ぜひ楽しみにお待ちください!

エグゼクティブプロデューサー・岡野真紀子さん(Netflix)のコメント
有村架純さんは今までもあらゆるお芝居や豊かな表情で人々を魅了してきた女優さんです。その中でも今回の「ちひろさん」は、新たな発見と驚きでいっぱいでした。温かくて厳しくて、近いようで遠くて、大人なようで少女のようで、妖艶で勇敢で。見たことのない有村さんがこの映画には存在し、そしてその姿は今、世の中が最も欲している魅力的なヒロイン像なのでは、と思わせてくれました。
私もコロナ禍において、原作「ちひろさん」に心を救われた一人です。そして、今泉監督が丁寧に愛情を注ぎ続けて創り上げたこの映画を通して、一人でも多くの方に前を向いて生きていくことの美しさを感じていただきたいです。

©2023 Asmik Ace, Inc. ©安田弘之(秋田書店)2014
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