米山舞、ダイスケリチャード、寺田てらが語る「Ground Y」コラボの真意

米山舞「黒って自分を強く、高貴に見せてくれる」

米山舞さん。アニメーター、イラストレーター。『キルラキル』『キズナイーバー』『プロメア』などの作品に関わったのち、 エヴァンゲリオンのアパレルブランド「RADIO EVA」メインビジュアル、カネボウKATEの「欲コレクション」パッケージイラスト、Eve「YOKU」MV監督などを担当。

──コラボのオファーをもらった時はどう思いましたか?

米山舞 自分の好きなブランドだし、名のあるブランドなので嬉しかったです。そこに自分のイラストがハマると思ってもらえたのも光栄でした。

──もしかして普段から着られていますか?

米山舞 数を多くを持っているわけではないんですが、結構着ています。靴下とかも履いたり。

──ではイラストを描く時もスムーズにイメージできましたか?

米山舞 はい。そもそもヨウジヤマモトのトーンマナーが決まっているというか、黒のイメージがありますよね。それもあって掴みやすかったです。

「もしヨウジヤマモト関連のオファーが来たらこのパターンはどうかな?」とか、結構考えていたので、あまり迷いませんでした。

ラフを出して「いい感じですね」って返信をもらって、そのままパターンを出してもらって。ビッグシルエットのものがよかったので、そのために大きめにイラストを描いて、あとはプロの皆様にお願いしますって感じでした。 ──今回はデザインの出力先が服なので、普通の紙やアクリルに向けて描くときとは違う意識があったと思います。

米山舞 線画を使おうと思ったのでそこは意識して描いて、あとは無彩色が良さそうだなぁとか。

──確かに米山さんのイラストは、今回のコラボのために描き下ろされたイラストの中でも特に黒が映えるものになっていますよね。

米山舞 黒って自分を強く、高貴に見せてくれると思っていて。それも威圧的ではなく、自分のコンプレックスを隠してくれるというか。

好きな自分でいられる気持ちにさせてくれる。自分を肯定してくれる色だなって。あとは布になった時の軽く柔らかい感じも好きですね。

だから描き下ろしたイラストは、全体的に流線をイメージしています。服が風になびいた時に良さそうなイメージに構成したつもりです。

──身にまとうものとして、着た時の変化にも対応するようにデザインしたと?

米山舞 もともと自分の絵も曲線的に構成されているので、そこはそのまま。あとはGround Yの服から、布と布の間の風を着ているようなイメージを感じ取っていたので、そこも意識して描いています。

プロとプロの仕事が合致したコラボの妙

米山舞さんの描き下ろしイラストを使用したシャツ

──実際に手に取られてどうでしたか?

米山舞 パターンの取り方がプロだなと思いました。ボタンが縫い合わさるところに合わせてイラストが来るように出力されているんですよ。

たぶん他のイラストレーターさんも詳細なパターンまでは注文していないと思うんですね。だから自分たちイラストレーターはイラストレーターとしての仕事を、パタンナーの方はパタンナーとしての仕事をされていて、2つのプロの仕事が合わさった、すごく良いコラボだなと思っています。

──イラストとアパレルの組み合わせは定番ですが、シンプルなだけに、しっかりとしたデザインに落とし込むのは難しいんですね。

米山舞 だからこそ今回はプロの技を見たというか。イラストを服にデザインする際の色の変換も含めて、それを感じました。

ちゃんと人が手に取ってみたくなるアイテムようになっていると思います。そこに自分の絵があるのは嬉しいですね。

パターンの取り方をイラストレーターによって変えてくださっているので、同じブランドの中でも個性が出ていて、それぞれのファンの方も嬉しいんじゃないかなと。普通に欲しくなりますね。

着用イメージ

──米山さんのイラストを使ったロングシャツは、ワンピースのようにもなっているパターンで印象的ですよね。

米山舞 ヨウジヤマモトもGround Yも、ジェンダーレスのコンセプトがあると思うので、シャツワンピは自分からリクエストを出しました。イラストを広く長く使ってもらいたかったのもあって、あの形になっているんです。

時代を彩るイラストレーターたち

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