価格は2000円。文学フリマ後にはBOOTHでも販売される予定。
同誌は、編集者/ライターとして活動する北出栞さんによる、「セカイ系」をキーワードにした完全個人編集のプロジェクト。
音楽ジャーナリスト・柴那典さんと、映画批評家・渡邉大輔さんを交えた「エヴァンゲリオン」、そしてボーカロイドカルチャーまでを網羅した座談会。
慶應義塾大学で教鞭をとる哲学研究者・山内志朗さん、および『日和ちゃんのお願いは絶対』などの著作で知られるライトノベル作家・岬鷺宮さんへのインタビュー。
気鋭のアーティスト・布施琳太郎さんによる新海誠論、社会学/ジェンダー理論を専門とする高橋幸さんによる『エヴァンゲリオン』論などを収録している。
ZINE『ferne』の概要
デザインを竹久直樹さん、表紙イラストを木村勇さんが手がけた『ferne』。専門領域、年齢など幅広い寄稿者とその内容は以下の通り。1995年から2021年の「セカイ系」作品を列挙した年表を収録もされ、約224ページとなる予定。
『ferne』収録内容
【巻頭言】
「セカイ」から、再び始めるために
北出 栞
【論考】
青空と神話——ドイツ・ロマン派の芸術観から探る「セカイ系」のアクチュアリティ
北出 栞
【座談会】
「セカイ系文化論」は可能か?——音楽・映像の交点からたどり直す20年史
柴那典+渡邉大輔+北出 栞
【論考】
この手のなかに溶けゆく世界——新海誠とAppleにおける流体のマテリアリズム
布施琳太郎
【インタビュー】
セカイ系とは、哲学そのものである
山内志朗
【論考】
実存と救済——男性主人公の「僕」と戦闘美少女の「君」からなる物語の構造
高橋 幸
【論考】
セカイ系を再定義する——あるいは、『イリヤの空、UFOの夏』をもう一度考える
平野遥人
【インタビュー】
いま「セカイ系」物語を書くということ
岬 鷺宮
【論考】
不可能性としてのセカイ系——杉井光の忘却の否定神学について
王 琼海
【座談会】
セカイ系・日常系・感傷マゾ——フィクションと私たちの関係、20年間のグラデーションを探る
サカウヱ+ヒグチ+わく+北出栞
【エッセイ】
プライベイト
慈
【年表】
セカイ系作品クロニクル 1995-2021
編集後記
プロフィール
「セカイ系」をキーワードに多角的な思考を展開する1冊
2000年代初頭にアニメ・ゲーム文化周辺で生まれた「セカイ系」。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』完結を迎えた庵野秀明監督の「エヴァンゲリオン」シリーズや、『君の名は。』『天気の子』で大ヒットを記録した新海誠監督の作風を形容する言葉でもある。 同誌は、破滅的な世界の終わりが描かれることも多い同ジャンルと、世界的な危機として語られる(ポスト・)コロナの2020年代を重ね合わせ、人間と世界との距離感について多面的に考察。
「セカイ系」からどのような思考が展開できるか、そのバリエーションを1冊の本によって示したものになっている。
『ferne』収録のあるインタビューの締めの言葉(北出発言)です。本を作っていくプロセスの中で、「闇」に対する考え方も変わりました(そして「光」についても)。 pic.twitter.com/aQrMVVh37G
— 北出栞◆文フリ東京【タ-28】 (@sr_ktd) October 27, 2021
フィクションと現実の交わる場所を考える
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書籍情報
『ferne』(フェルネ)
- 企画・編集・発行
- 北出栞
- デザイン
- 竹久直樹
- 表紙イラスト
- 木村勇
- サイズ
- 四六判/224ページ
- 価格
- 2,000円
- 販売場所
- 11月23日(火祝)第三十三回文学フリマ東京(東京流通センター)
- ブース番号
- タ-28
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