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TikTok運営が語る「バズる楽曲」のヒント 創作意欲を刺激しバイラルを生む鍵

運営が見たTikTokのバイラルヒットの潮流

──この数年でイメージの変化に伴い、アーティスト・ファン双方に受けれられつつあるTikTokですが、その中での音楽的な流行の変化は、どのように見られているのでしょうか?

宮城 サービス初期は、倖田來未さんの「め組のひと」カバーのアップテンポver.をはじめ、ダンスという切り口からバイラルヒットが生まれていました。
倖田來未-KODA KUMI-『め組のひと』~ 20th Year Special Full Ver. ~
もちろんそのパターンも依然としてありますが、必ずしもダンサブルでなくても今はヒットする

動画で使われる楽曲にバリエーションが出たり、バイラルヒットに至るまでの過程が変化していたりと、多様化している印象があります。

──数あるバイラルヒットの中でも、宮城さんがTikTokでのヒットを確信した楽曲やアーティストはいますか?

宮城 結果論と言われてしまうかもしれませんが、優里さんは当初からヒットするだろうと思っていました。

世間的には「ドライフラワー」のバイラルヒットが印象的だと思いますが、実は「かくれんぼ」の頃に、楽曲のTikTokへの入庫(※編注:TikTokでの公式化/登録)とアカウント開設について、優里さんのマネジメント側にお話させていただいていました。瑛人さんの「香水」で盛り上がっていた2020年の4月あたりだと思います。
優里 - ドライフラワー / THE FIRST TAKE
優里「かくれんぼ」Official Music Video
宮城 その頃、優里さんのストリートライブの様子をTikTokに載せているユーザーが結構多かったんですよね。実際に僕も動画を見て、彼の歌声を聞いて納得しました。

だから「TikTokで歌う動画を投稿したり、楽曲を使えるようにした方がいい」「ユーザーからの反応もあるはずだ」とお話させていただきました。

既にTikTokで話題となっていたこともあって、アカウント開設からすぐに支持を広げていき、その後「ドライフラワー」で大ヒット。予想が当たったからというよりも、彼のことをより多くの人に知ってもらえたことが嬉しかったですね。

──逆に、TikTokでのヒットが意外だった楽曲やアーティストはいますか?

宮城 メキシコ産アボカド生産者・輸出梱包業者協会のCM内で使われているジングルや青森のアイドルユニット・青森ナイチンゲールのテーマ曲ですね。

どちらも、あるユーザーの投稿がバズったことをキッカケに爆発的な流行を巻き起こしました。
青森ナイチンゲール - ちょーっと、みなさんいいですか?(ライブ・バージョン)[Official Lyric Video]
──リップシンクや踊ってみた以外にも、TikTokでは多種多様な動画が投稿されています。動画のジャンルと使われている楽曲の関連性などはあるのでしょうか?

宮城 楽曲やユーザーが増えたことで、一概には言えなくなってきています。例えば、ソニー・ミュージックのプロジェクト・MAISONdes(メゾンデ)から発表された和ぬかさんとasmiさんの「ヨワネハキ」。

この楽曲の歌詞は、“弱い音を吐いている 薄っぺらい人間です 一歩前に出るのはやめときます 絡まれたくはないからさ”と、わりとネガティブなんですが、TikTokではポップなアレンジの振り付けのダンス動画が盛り上がっています。
【102】[feat. 和ぬか, asmi] ヨワネハキ / MAISONdes
宮城 YOASOBIの「夜に駆ける」がそうだったように、楽曲のイメージや歌詞から影響を受けて「ヨワネハキ」を使った動画もネガティブな投稿が増えてもよさそうですが、今のところダンス一色になっている。

動画の色と使われている楽曲の曲調が必ずしも一致していないのが面白いところです。
YOASOBI「夜に駆ける」 Official Music Video
宮城 むしろ、逆にユーザー間で楽曲が様々な方向性で使われていると、かなりバイラルヒットが進んだ印象がありますね。

Adoさんの「うっせぇわ」も、最初はMVに使われているアートワークを使った二次創作系が多かったんですが、大ヒットしてからは子供が親に文句を言っている動画など様々なジャンルの動画に使われるようになりました。
【Ado】うっせぇわ

アーティストへのオファーに基準はある?

──先ほどの優里さんのエピソードでも話題に上がりましたが、日常的にオファーするアーティストは探されているのでしょうか?

宮城 そうですね。特に「TikTok Spotlight」のように新しい楽曲を集める企画を行うときには血眼になって探しています(笑)。

それに限らず、おすすめフィードで良い楽曲を見つけると、その曲がTikTokに入庫されているか確認し、入ってなかったらオファーしてみるようなことは日常的に行っています。

──アーティストに声をかける基準のようなものはありますか?

宮城 明確な基準はなく個人の感性に任せているので、チームの誰かが「良い楽曲だ」と思った方にオファーしています。

楽曲の入庫やアカウントの開設など、どんどんお声がけしていくスタンスですね。

もちろん、各サブスクリプションサービスで展開しているTikTok公式プレイリストで、どの位置に入れるかについてはチームで話し合って決めています。 ──新しくアカウントを開設したアーティストに、運営側からアドバイスなどのサポートはあるのでしょうか?

宮城 お声がけしたアーティストが中心になりますが、最近のTikTokの音楽トレンドや傾向について、オープンチャットで情報発信しています。

──改めてアカウントを開設したことを受けて、話をしにいくみたいなことはあるのでしょうか?

宮城 開設したから話をしにいくことはあまりないですね。

そのアーティストの楽曲が素晴らしい、もっとユーザーに知ってほしいと思ったときに、単純にTikTokで動画として上げるだけじゃなく、正式に入庫してほしいとオファーしています。

プレイリストに入れたり他のユーザーも使えるようにするのが目的です。TikTokで動画を見たユーザーがその曲を使いたいと思ったとき、多くの場合その動画の音源情報をタップして使うんですよね。

だから、最初にバズった動画を見ていないユーザーに使ってもらえるようにするためにも、楽曲を正式に入庫することをオススメしています。

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