2016年に「いまヒップホップに何が起きているのか?」と題して日本語ラップを特集していた『ele-king』。
今回の特集では「ハイプじゃないんだ──日本ラップの現状レポート」として、5年間における出来事や変化を通じて、日本のヒップホップシーンを紐解いた1冊となっている。
表紙・巻頭を飾ったISSUGIさんをはじめ、ralphさん×Double Clapperz、NENEさん、Kamuiさん、あっこゴリラさん、田我流さん、Seihoさんのインタビューを収録。
加えてヒップホップシーンの知るために聴いておくべき50曲とアルバム50作を紹介。楽曲紹介にはQRコードが付属しており、その場ですぐに聴くことができる。
ヒップホップ・ラップを取り巻く環境の変化
5年前の特集で『ele-king』は、KOHHさん、PUNPEEさん、tofubeatsさんや、ヒップホップクルー・BAD HOPら、現在シーンの先頭を走るラッパーたちを取り上げていた(関連記事)。この5年の期間で、日本のヒップホップ・ラップはより一層の知名度を獲得して人気を高めてきた。
2012年、ヒップホップ・ラップを取り扱った番組『BAZOOKA!!!高校生RAP選手権』でフリースタイルバトルシーンがユースから注目を集める。
その後2015年には『フリースタイルダンジョン』、2017年には『ラップスタア誕生』(※当時は「ラップスタア誕生!」)などを通じて、多くの若手・人気ラッパーが登場してきた。
また、TikTokなどのSNSの浸透、CMや番組主題歌への起用などによって、ヒップホップに触れる機会が格段に広がっている。
5年を経た日本のヒップホップの現状
『ele-king』最新号では、『ラップスタア誕生』シーズン4(2020年)で優勝したralphさん、話題を呼んだドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』の主題歌「Presence」に参加したNENEさん(ゆるふわギャング)が登場。また、幅広い層から支持されている名曲「ゆれる」でも知られる田我流さんにもインタビューを実施。スタイルや売れ方の異なるラッパーたちの言葉に注目だ。
話題のラッパーが集結しているが、単なる流行ではなく、それを超えた先にある「音楽」としてのヒップホップを深掘りした特集だ。
関連商品
出版社:Pヴァイン
発売日:2021/7/6
ムック:160ページ
ISBN-10:4909483985
ISBN-13:978-4909483980
寸法:15.2 x 1.1 x 21.8 cm
オリジナリティがヒップホップのドレスコーデ
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雑誌情報
『ele-king』 vol.27
- 価格
- 1,650円(税込)
- 出版社
- Pヴァイン
- 発売日
- 2021/7/6
- ムック
- 160ページ
- ISBN-10
- 4909483985
- ISBN-13
- 978-4909483980
- 寸法
- 15.2 x 1.1 x 21.8 cm
contents
巻頭ロング・インタヴュー:ISSUGI
ISSUGI selected discography (大前至)
〈Dogear〉15周年──その功績を振り返る (大前至)
対談:磯部涼 × 二木信──日本のラップ・ミュージック、ここ5年の変遷
インタヴュー
ralph × Double Clapperz
NENE
Seiho
Kamui
あっこゴリラ
田我流
必聴ジャパニーズ・ラップ/ヒップホップ大カタログ
・曲50選
・アルバム50選
(二木信 / 市川タツキ、韻踏み夫、上神彰子、荏開津広、小林拓音、つやちゃん、272、MINORI、ヨシダアカネ、吉田雅史)
コラム
ギターの速弾きコンテストと音楽は違う (宮崎敬太)
荘子itが好きな日本のヒップホップ3選 (荘子it)
〈音響〉をディグするビート・アルチザンたち (吉田雅史)
ヒップホップと即興音楽シーンの交点 (細田成嗣)
リアルとフィクションのはざまで (小林拓音)
其処・個々に拡散するフェミニズム (水越真紀)
ストリーミング時代におけるDJミックスの楽しみ方 (上神彰子)
ヴィジュアルの変化──オートチューンとマンブルの果てに (つやちゃん)
The Catcher in the Suicide Country (泉智)
「インディラップ」的視点から聴く日本のヒップホップ (Genaktion)
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