音楽誌『ele-king』臨時増刊でCOVID-19特集 ポストコロナ、文化の行く末を批評

音楽誌『ele-king』臨時増刊でCOVID-19特集 ポストコロナ、文化の行く末を批評
音楽誌『ele-king』臨時増刊でCOVID-19特集 ポストコロナ、文化の行く末を批評

『ele-king臨時増刊号 コロナが変えた世界』表紙

POPなポイントを3行で

  • 新型コロナウイルス関連書籍が緊急出版
  • 一冊は音楽雑誌『ele-king』臨時増刊号
  • もう一冊は現代思想の巨匠がコロナ時代を鋭く批評
日本におけるインディーズ音楽シーンの草分け的存在にして、出版事業も手掛けるPヴァイン

国内外の多種多様な音楽とその文化を紹介してきたが、世界初のテクノ専門誌として創刊された音楽雑誌『ele-king』を引き継ぎ、現在はWebメディアや書籍レーベルとして運営していることでも知られる。

そのPヴァインが、「コロナ以降の時代を生きるために」をテーマに『ele-king臨時増刊号 コロナが変えた世界』『パンデミック 世界をゆるがした新型コロナウイルス』の2冊を、6月24日(水)に同時刊行する。

新型コロナウイルス感染症はいまなお世界各地で猛威をふるいつづけ、緊急事態宣言が解除された日本においても第二波・第三波の流行が懸念されているという状況を踏まえての緊急出版となる。

『ele-king』臨時増刊号 コロナが変えた世界

『ele-king』の臨時増刊号では、社会学者、思想家や音楽家、経済学者など各界の識者が音楽産業のゆくえやアートの意義について多角的に語るインタビューが掲載される。

目次
インタヴュー

内田樹 / 失ったものを数えるよりも、残っているものを数えること
天笠啓祐 / 新型コロナウイルスとは何か?──科学的見地から探る原因と対策
ブライアン・イーノ × ヤニス・ヴァルファキス / ウイルス後の世界を考える
宮台真司 / 絶望こそが希望である──パンデミックが照らし出す未来への道筋
上野千鶴子 / 政治は女の方が向いている──コロナ禍が可視化した女性差別の実態
五野井郁夫 / 日本は軍隊がないからこそ戒厳令を敷かなくて済む──世界各国の対応と日本との見比べ
桔川純子 / 住民がお互いにワクチンになった──市民の自発性をベースにしたソウル市のコロナ対策
宇都宮健児 / 緊急事態宣言の意味──本当に困っている人たちに必要なこととは
重光哲明 / ウイルスは万人に平等に襲いかかる?──フランス在住の医師が語る公衆衛生と疫学の重要性
篠原雅武 / 新しい感覚の構造に私たちは気づきつつある──エコロジーの観点から見たパンデミック
ダニエル・ミラー / 多くは壊滅的な打撃を被っている──音楽産業とりわけインディ・シーンの将来について
ブライアン・イーノ / 利益の出ないモノをいかに大切にすることができるか──再解釈される文化とアート

コラム

イアン・F・マーティン / コロナ・ローカリズム──瀬戸際のライヴハウスから
坂本麻里子 / ユートピアはこうして描かれる──ブライアン・イーノからウィリアム・モリスへ
後藤護 / 疫病文化逍遥──ファクトからネオグロテスクへ
仲山ひふみ / アポステリオリな思考
高島鈴 / 洪水と生存──誰も外に出ない家の中で
白石嘉治 / トンネルをぬけて風にふかれる──あたらしい精神の形式について
三田格 / ホリデー・イン・ザ・サン(密)

「最も危険な哲学者」スラヴォイ・ジジェクの鋭い批評

ジジェク『パンデミック 世界をゆるがした新型コロナウイルス』

『パンデミック 世界をゆるがした新型コロナウイルス』の著者は、現代思想の巨匠にして、「最も危険な哲学者」とも称されるスラヴォイ・ジジェクさん。

様々な題材をラカン派精神分析の視点から語り世界的に評価されており、彼の思想を元に映画を分析する映画『スラヴォイ・ジジェクによる倒錯的映画ガイド』も制作されている。
スラヴォイ・ジジェクによる倒錯的映画ガイド
今回の著作では、新型コロナウイルスの影響によってこれから訪れるだろう「野蛮」な状態、危機的な状況を見すえ、その回避策を考え、示しているという。

目次
序章 我に触れるな。
第一章 我々はみな、同じ舟に乗っている。
第二章 何をこんなに、いつも疲れているのか?
第三章 欧州のパーフェクトストームに備えて
第四章 ようこそ、ウイルスの砂漠へ
第五章 感染流行の五段階モデル
第六章 イデオロギーのウイルス
第七章 冷静にパニクれ!
第八章 監視と処罰? ええ、お願いします!
第九章 人の顔をした野蛮が我々の運命か
第十章 共産主義か野蛮か。それだけだ!
補遺 友人からの二通の有益な手紙
サマラの約束:古いジョークの新しい使い方

解説:リュブリャナの約束 古い理論の新しい使い方?(斎藤幸平)

新型コロナウイルスはまだ全貌が解明されたわけでもなく、第1波が収まりつつあるように見えるとはいえ、まだ安心はできない。

加えて、いまだにライブハウスなどの娯楽施設の完全な営業再開も果たされておらず経済的なダメージも大きい。

多角的な視点から、Pヴァインが「今回のパンデミックからわたしたちが学ばなければならないこととは?」を問う。

情報化社会をサバイブする情報

この記事どう思う?

この記事どう思う?

関連キーフレーズ

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。