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コミケに鬼滅に嵐…コロナ禍で印象的だったポップなトピックスを振り返る

コミケに鬼滅に嵐…コロナ禍で印象的だったポップなトピックスを振り返る
「新型コロナウイルス感染症の影響で中止・延期が決まった」

何度となく書いた一文。もはやニュースを書く上でテンプレ化したような感覚すらあるこのフレーズは、2020年のポップカルチャーを語る上で欠かせない。

コミックマーケット」を筆頭に、多くのイベントやライブが開催できなくなり、アニメの放送やゲームの発売日が遅れ、新しい生活様式の中でいかにエンタメを楽しめるかが問われた。

というかそもそもオリンピックも延期になってる(本当に来年できるの?)。

KAI-YOU.netでも例年とは180度異なる年になった2020年。その年の瀬に、ネガティブな話題は多いけど、決してそれだけじゃないポップカルチャーから気になるトピックスを振り返ってみたい。

『鬼滅の刃』たった2ヶ月でその年を象徴する存在に

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』 ©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

のっけから『鬼滅の刃』かよっ!知ってるよ!

と、言われるのは承知。それでも映画公開からわずか2ヶ月で、2020年のポップカルチャーを象徴するかのような存在感を放つこの作品に触れたい。

僕は、公開初日の朝7時の回で鑑賞したけど、ちょうどその日にTOHOシネマズの全席販売が再開されて(外部リンク)、両隣に人がいる感覚を久しぶりに味わった。

社会現象、歴代興行収入1位と、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の公開以降、毎日のように報じられた『鬼滅の刃』。

個人的には、普段は『鬼滅の刃』のグッズ情報を取り扱わないようなファッションメディアが、なんてことのない『鬼滅の刃』グッズの記事を出していたことにヒットの広がりを実感した。

記録を更新し続ける姿、すっごいポジティブでした

主題歌アーティストのLiSAさんをはじめ、作品に関わる周辺をも巻き込んだ大ヒットがなぜ生まれたのか。いろいろな分析もあるけど、乱暴な言い方をすると奇跡や事故のようなものだと思う。

映画館の休業要請も緩和されて、公開日に全席販売が再開、朝7時から多いところでは1日40回以上上映する──東宝がめちゃくちゃ気合い入れたのはあるけど、それに僕らも乗っかりたくなった面は確実にある。 自粛の閉塞感や中止・延期といったネガティブな雰囲気が漂う世の中で、毎週のように数字を更新した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。

常にお祭り状態というか、この1年で失われたお祭り感を一気に取り戻すかのような、その勢いにポジティブな力を感じて、さらなる記録の更新を願った人も多かったんじゃないかって。

夏コミも冬コミも…同人誌即売会が開催されない2020年

『鬼滅の刃』の大大大ヒット!!! が現在進行形でエネルギッシュな話題を振りまく一方で、イベントの中止・延期とそれに伴う影響が相次いだのも事実。

今年コミケないじゃん!(絶望)

毎年取材していた世界最大級の同人誌即売会「コミックマーケット」が開催されない年になるなんて思ってもみなかった。

期間中70万人が訪れて、同人誌の頒布だけで40億円というお金が動くイベントがなくなったことで、印刷会社をはじめとした関連企業への影響は不可避。 KAI-YOU.netでは、初めてインターネット上で展開された「エアコミケ」について、コミックマーケット準備会の共同代表・市川孝一さんにインタビューを実施。

同人文化の存続についてまんが評論家/同人誌研究家の三崎尚人さんに取材したりもした。 2021年5月には「コミックマーケット99」の開催が発表されているけど、期間が減ったり、一般参加も抽選になったり、まだまだ予断を許さない状況(外部リンク)。

1年数ヶ月ぶりに取材できるなら最高だけど、取材に行くべきなのかという点も考えていかないといけない。

コミティアにBAD HOP、クラファンを通じた支援増加

日常的に開催できることのありがたさを実感すると同時に、開催できないことで存続が危ぶまれたり、経済的な打撃が心配されたりしたイベントはコミケだけじゃない。

自主制作漫画の展示即売会「COMITIA(コミティア)」をはじめ、クラウドファンディングで運営継続に向けた資金を募る、というケースが多かった。 目標金額3000万円を大きく上回る1億4791万1500円が集まった「コミティア」には、ファンはもちろん、作家や出版社など多くの漫画関係者が支援した。

それ以外にも、コロナ禍でチケットを全額返金しながら、会場である横浜アリーナから無観客ライブを無料配信したヒップホップクルー・BAD HOPも力強く印象に残っている。 川崎を拠点に活動する彼らはその後、1億円以上という負債の補填に向けてクラウドファンディングを実施。目標には届かなかったものの、多くの支援が集まった。

プラットフォームの1つ・CAMPFIREでは、4月の流通額が前年の415%の22億円を記録。ゲーセンミカドや渋谷のclubasia、2億円を達成したレペゼン地球のクラファンも記憶に新しい。

選択肢の1つにバーチャル(仮想空間)が浮上した1年

観客を入れた状態でのライブができなくなる一方で、数を増やしたのが実会場は無観客で行う配信ライブ。 プラットフォームの1つとしてZAIKOの名前を聞く機会も多かったけど、それ以上に記事で書いた記憶がある言葉が「バーチャル」または「仮想空間」だ。

渋谷のハロウィンイベントすらバーチャルで実施するくらい(そこまでしてやる必要あるかの是非は置いとく)、普段からVRコンテンツに親しんでない人にもその言葉は広がったかも。

配信もバーチャルも、盛り上がりの大きさやリアルと比べてどれだけアーティストに還元できるのかについては様子を見たいところ。 でも、すでに世界から70万人以上が参加するまでに成長した「バーチャルマーケット」は、コロナ禍におけるポジティブなイベントの1つだと思う。

ちなみにKAI-YOUでバーチャルといえば「バーチャルYouTuber」だけど、そちらについては泉さんの記事をご覧あれ。

嵐のドキュメンタリー見た? 絶対見たほうがいい!

もうさすがに長いので全体についてこのへんで。最後に個人的に特に気になっていた話題、2021年から活動休止となるについて。

本来であれば、活動最後の年にさまざまな企画を予定してたはず。配信で実施はしたけど、国立競技場での7年ぶりの「アラフェス」もしかり。

「NHK東京2020オリンピック・パラリンピック放送スペシャルナビゲーター」としての活躍も見たかった。

前年12月まで1年以上かけて50公演を行った「ARASHI Anniversary Tour 5×20」でこれまでのファンへの感謝を伝えた彼ら。
『ARASHI’s Diary -Voyage-』 第22話 予告編
そんな彼らが今、ほぼ現在進行形で何を考えているのか──それらが断片的にでもわかるNetflixのドキュメンタリー「ARASHI's Diary -Voyage-」は絶対に見るべき。

歌ってる以外、演じてる以外、TVで見る以外の彼ら、コロナ禍ですべての予定が狂って葛藤を抱える彼らの姿がそこにはある。

国民的アイドルと呼ばれるまでに成長した存在の、パフォーマンス以外の場面を目にできるなんて最高だしすごくポップじゃない?

SNSやデジタル配信を一気にスタートするという挑戦は(これは2019年だけど)、まるでジャニーズ事務所の後輩たちの今後の道を開拓しているかのよう。

今、この文章を書いている瞬間も、活動休止前の最後の時間が刻一刻と減っているという事実に、まだ若干現実味がない。

あまりに普遍的なポップを象徴する存在がいない2021年は、少し寂しい一方で、彼らに代わるポップスターの出現に期待しちゃいます。

著者(KAI-YOU.net編集長 恩田雄多)近影「来年もよろしくお願いします。よいお年を〜」/撮影:宇佐美亮

2021年がもっとポップになりますように

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