早川書房から出版された同作邦訳版の表紙イラストを再現したガレージキットが発売された。
ガレージキットは、表紙イラストを手掛けた真鍋博さんの没後20年回顧展にてオリジナルグッズとして販売されている。
展覧会は愛媛県美術館で10月1日(木)から11月29日(日)まで開催。
値段は税込4,000円。郵送も可能となっている。
みなさん覚えておいででしょうか?『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の表紙デザインを用いたキットがTwitterにあがったことを。
— 「真鍋博2020」愛媛県美術館【公式】 (@ManabeH2020) October 5, 2020
かつて頓挫した幻の商品を、今回改めてご製作いただきました。本展のオリジナルグッズで、税込4000円。郵送も可能です。美術館ショップにお問い合わせください。 pic.twitter.com/bRzQ3tveI8
頓挫にもめげず、発売された『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』ガレージキット
今回「没後20年 真鍋博2020」で発売されるガレージキットを製作したのは、ガレージキット原型製作・販売を手掛けるトムトムバーガーさん。学生時代から『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のファンだったというトムトムバーガーさんは、古本屋で真鍋博さん表紙のバージョンを発見し、そのセンスに感激。 数年前に真鍋博さんのイラストの電気羊のオブジェを製作したところ反響があり、ガレージキットを展示販売するイベント「ワンダーフェスティバル」にて、正式に版権を取って販売しようと動き出す。 しかし、予想はしていたものの、原画を描かれた真鍋博先生が亡くなっていたこともあったことから許諾は下りず頓挫してしまっていた。
今年の6月にそのことをTwitterに投稿したところ、そのツイートを見た愛媛県美術館から連絡があり、展覧会で販売できることになったという。
製作されたガレージキットは、真鍋博さんのイラストのイメージに加えて、作中で主人公・デッカードが見栄で飼い、周囲に偽物だとバレないか悩まされるという電気羊のイメージを組み込んだもの。何年か前に、ハヤカワ銀背の「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」表紙オブジェをレジンキットにしてワンフェスで売ろうとしたんだけど、許諾が取れなかった。イラスト描かれた方がお亡くなりになっていて確認が取れないとのことで。 pic.twitter.com/jnZ72aXpnW
— トムトム (@tomzoooo) June 15, 2020
そのため、全て電子部品で作られている真鍋博さんの電気羊とは違い、ガレージキットの電気羊には原画にない歯車や機械部品が組み込まれている。
この点に関して、トムトムバーガーさんは「もう少し世界を勉強できていれば、真鍋博先生の原画の意図と、自分が中学生の頃から夢の中で住み続けたディックの世界のイメージと、もっと両立させることを出来たかもしれません。またチャンスがあれば、さらに真鍋博先生のイメージを取り込んで、よりイメージにディックの電気羊をつくり上げたいです。」とコメントしている。
様々な経緯を経ての発売となった『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』ガレージキット。作品に対して、作者のトムトムバーガーさんは以下のように想いを述べている。
未塗装組み立て式の個人製作ガレージキットを販売ささてくださった愛媛県美術館には感謝しかありません。購入された方はぜひ真鍋博先生の原画を見て、本書も擦り切れるほど読んで、ご自身のイメージに合うデッカードの電気羊を作り上げてください。
新生するSFと超ハイクオリティな作品
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