編者は、SFガイドブック『SFが読みたい! 2020年版』で、2019年のベストSF第1位(国内篇)を獲得した『なめらかな世界と、その敵』の著者・伴名練さん。
カバーイラストは、イラストレーターのれおえんさんが担当している。
また発売前にSF及び出版関係者や販売展開を考えるという有志の書店員を対象に、同書のゲラを読みたい人を募集中。【重大告知】
— 溝口力丸 (@marumizog) June 26, 2020
『なめらかな世界と、その敵』伴名練さんの新企画を公開します。無事に刊行されれば、今年最大の事件となるかもしれません。
〝世界で最もSFを愛する作家〟が贈る、最も熱いアンソロジー。『日本SFの臨界点』全収録作を公開|Hayakawa Books & Magazines(β) https://t.co/cFzknprUIK
希望者は早川書房営業部、または担当編集者の溝口力丸さんのTwitterアカウントまで連絡されたし。
「恋愛編」には円城塔、中井紀夫
伴名練さんが編者となった『日本SFの臨界点』の「恋愛編」。表題作は、恋人の手紙を通して異星人の思考体系に迫った中井紀夫さんの「死んだ恋人からの手紙」。
そのほか「G線上のアリア」(高野史緒さん)、「ムーンシャイン」(円城塔さん)などの恋愛・家族愛テーマにした短編9本を収録。
それぞれの作品への解説と、これからSFに触れるという読者への完全入門ガイドを併録しているため、収録作品の著者を詳しく知らなくても楽しめるとっかかりがある。
『日本SFの臨界点 恋愛編』収録作品
・中井紀夫「死んだ恋人からの手紙」
・藤田雅矢「奇跡の石」
・和田毅「生まれくる者、死にゆく者」
・大樹連司「劇画・セカイ系」
・高野史緒「G線上のアリア」
・扇智史「アトラクタの奏でる音楽」
・小田雅久仁「人生、信号待ち」
・円城塔「ムーンシャイン」
・新城カズマ「月を買った御婦人」
「怪奇編」には津原泰水、中島らも
「恋愛編」と同じく、伴名練さんが編者となった『日本SFの臨界点』の「怪奇編」。表題作の「ちまみれ家族」は、日常的に血まみれになってしまう奇妙な家族のドタバタを描いた津原泰水さんによる短編。
そのほか「DECO-CHIN」(中島らもさん)、「黄金珊瑚」(光波耀子)など11本を収録。こちらも全作の解説がされている。
また、「日本SF短篇史60年を現代の読者へと再接続する」という編者・伴名練による解説1万字超を併録している。
『日本SFの臨界点 怪奇編』収録作品
・中島らも「DECO-CHIN」
・山本弘「怪奇フラクタル男」
・田中哲弥「大阪ヌル計画」
・岡崎弘明「ぎゅうぎゅう」
・中田永一「地球に磔にされた男」
・光波耀子「黄金珊瑚」
・津原泰水「ちまみれ家族」
・中原涼「笑う宇宙」
・森岡浩之「A Boy Meets A Girl」
・谷口裕貴「貂の女伯爵、万年城を攻略す」
・石黒達昌「雪女」
伴名練が厳選したアンソロジー『日本SFの臨界点』
『日本SFの臨界点』の「恋愛編」「怪奇編」の収録作品を精選した伴名練さんの代表作『なめらかな世界と、その敵』には、6つの短編が収録されている。どの短編にもSFへの愛があふれており、これまでSF作品に触れてきたファンは、その膨大な知識量に感心しただろう。
また作中の短編ごとに絶妙に変わる筆致には、普段SF作品に関心のない読者でも心惹かれるものがあったのではないだろうか。
そんな伴名練さんは、『SFマガジン』の2020年10月号に、「運が良かったのだと思う」という一文から始まる1万字のメッセージを掲載している(外部リンク)。伴名さんがこの勢いでもう10年活躍したら日本SFの寿命が100年は延びるんじゃないかという気がする
— 溝口力丸 (@marumizog) June 26, 2020
『なめらかな世界と、その敵』のあとがきとして掲載される予定だったその文章は、編集部の意向を超えて、伴名練さんの人生を変えたといっても過言でない多くのSF作品及びその関係者に対する愛情、感謝、敬意が書き綴られていた。
そしてメッセージの最後はこう締められている。
「私がこの原稿を早川書房に送った後、次に取り掛かる仕事は、特に早川書房側から依頼が来ている訳でもない、日本SFの再録アンソロジーの企画書を作成して、一方的に送り付けることである。恐らく簡単に企画は通るまいし、実現には長い年月もかかるだろう。それでも、自分の作品を書くこと以外に、そういった形でも恩返しをできるよう、可能な限り努力していきたい。願わくは、次の世代にも、幸運を。」
念願叶って発売される『日本SFの臨界点』の「恋愛編」「怪奇編」は、7月16日(木)に発売される。
日本SFの臨界点
— 溝口力丸 (@marumizog) June 26, 2020
もちろん両方買います!
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