西尾維新
にしおいしん
概要
新人賞投稿時代から執筆のスピードを売りとしており、1度のメフィスト賞に2、3作投稿していたことから講談社の編集者・太田克史らの目に止まった。
2002年に『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』で、第23回メフィスト賞を受賞しデビュー。当時はまだ20歳だったこともあり、キャッチコピーは「京都の二十歳、西尾維新」であった。同作の主人公を全篇の語り手に置いた「戯言シリーズ」は特に若年層に対して高い人気を博し、『このライトノベルがすごい!2006』において1位にランクイン。
2005年から2006年にかけて発表された『化物語』は「〈物語〉シリーズ」としてシリーズ化され、アニメ化・ゲーム化など様々なメディアミックスが行われている。なお、シリーズ全小説作品がシャフトとアニプレックスによってアニメ化されることが決定している。『傷物語』は2016年に映画化。
『コミックファウスト』の2006年8月号に掲載された『放課後、七時間目。』以降、漫画作品の原作も手がけており、2009年から『週刊少年ジャンプ』掲載の『めだかボックス』で漫画原作者として連載デビューした。同誌での自画像は「2時40分」を指しているデジタル式腕時計となっている。
2009年以降作家別売上ランキングトップ10に入り、2012年にはランキング1位に輝いた。もともとは漫画家を目指していたと西尾維新本人はいう。
2012年、『少女不十分』を作家生活10年の集大成として刊行。
西尾維新とライトノベル
西尾の著作の多くは、一般文芸レーベルの講談社ノベルスから発行されているが、しばしばライトノベルとして分類されることがある。
乙一は冲方丁との対談で、西尾について「広義のライトノベルに入ると思う」と述べている。『日経キャラクターズ! no.5』では「一般文芸とライトノベルの壁を越える新世代の作家」として西尾を紹介している。
『西尾維新クロニクル』では「戯言シリーズ」について「ライトノベルと評価されることも多い」としている。
ライトノベルのガイドブック『このライトノベルがすごい!2005』に掲載された2004年度版ライトノベルランキングでは「戯言シリーズ」が2位にランクインしたが、ここでは「戯言シリーズがライトノベルであるか否かは意見が分かれる」とコメントされている。
さらにライトノベルについて「文庫こそライトノベル」「パッケージ」「キャラクターの年齢」など様々な意見があることを考慮し、同書の「ジャンル別ガイド」では「戯言シリーズ」および『きみとぼくの壊れた世界』を文庫以外の「ボーダーズ」として紹介している。
翌年に発行された『このライトノベルがすごい!2006』では「戯言シリーズ」がランキング1位を獲得。
これを記念して行われたインタビューで西尾は「戯言シリーズ」について「ライトノベルかどうかは微妙」「『ライトノベルレーベルではない』という意味ではライトノベルではないが、『イラストと小説のコラボレーションがライトノベル』という意味ではライトノベルに含まれる」とコメントし、自身の作品がライトノベルと認識されることについて抵抗はないとも述べている。
人物
素性も明かし、あとがき等ではわりと身の程を語ることも多いが、メディアには絶対に写真や姿を見せないため、覆面作家ともいわれる。
その執筆スピードの速さ、作品の同時並行数の多さから「複数人いるのではないか」「創作チームの名義なのではないか」といった推測が飛び交うことも多い。
「〈物語〉シリーズ」に続き「戯言シリーズ」もアニメ化
〈物語〉シリーズアニメ化
2009年『化物語』を第1作として〈物語〉シリーズTVアニメ化がスタート。『化物語』『偽物語』『猫物語(黒)』「セカンドシーズン(原作小説のセカンドシーズンに当たる6作品『猫物語(白)』『傾物語』『花物語』『囮物語』『鬼物語』『恋物語』)」『憑物語』と続き、2015年10月には『終物語』がスタート。なお2016年1月よりアプリ限定で『暦物語』が配信された。
なお時系列でシリーズの最初にあたる『傷物語』は三部作の劇場版として公開が決定している。2016年1月に「I 鉄血篇」が公開されており、2016年夏には「Ⅱ熱血篇」の全国上映が決定。
アニメがきっかけとなって原作を読みだすファンも多いため、西尾維新初心者はアニメが気に入ったら原作を読むのもいいかもしれない。
戯言シリーズアニメ化
2016年5月6日に発売する「最強シリーズ(戯言シリーズからの派生シリーズ)」最新作『人類最強の純愛』に先駆け、5月1日からティザーサイト「人類最強のカウントダウンサイト」が公開されていた。発売日の0時に向けたカウントダウンが行われ、ここで「戯言シリーズ」のアニメ化が発表されることに。
特徴は言葉遊びやセリフ回し
西尾維新の特徴としてよく語られるのは、見た目の描写よりも言葉遊びを存分に使った表現やセリフ回しでキャラクターを印象づけるということ。特徴的な名前のキャラクターがはっとするような一言を発するため、一人ひとりに愛着が湧いていくのだ。屁理屈だろうと理屈は理屈さ。
特にキャラクターの名前だけを例にとっても、分かりやすい言葉遊び・名前が伏線を表しているもの・他のキャラクターと対照的になるように作られているもの等が見受けられる。戯言シリーズについては、西尾維新の著書『ザレゴトディクショナル』のなかで由来や裏話を知ることができる。
西尾維新の著書(2016年4月現在)
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忘却探偵シリーズ
掟上今日子の備忘録、掟上今日子の推薦文、掟上今日子の挑戦状、掟上今日子の遺言状、掟上今日子の退職願 -
〈物語〉シリーズ ファーストシーズン
化物語(上・下)、傷物語、偽物語(上・下)、猫物語(黒) -
〈物語〉シリーズセカンドシーズン
猫物語(白)、傾物語、花物語、囮物語、鬼物語、恋物語 -
〈物語〉シリーズファイナルシーズン
憑物語、暦物語、終物語(上・中・下)、続・終物語 -
〈物語〉シリーズオフシーズン
愚物語、業物語 -
戯言シリーズ
クビキリサイクル、クビシメロマンチスト、クビツリハイスクール、サイコロジカル(上・下)、ヒトクイマジカル、ネコソギラジカル(上・中・下) -
人間シリーズ(戯言シリーズからの派生シリーズ)
零崎双識の人間試験、零崎双識の人間ノック、零崎双識の人間人間、零崎双識の人間関係、零崎双識の、零崎双識の人間関係(匂宮出夢との関係、無桐伊織との関係、零崎双識との関係、戯言遣いとの関係)、 -
最強シリーズ(戯言シリーズからの派生シリーズ)
人類最強の初恋 -
世界シリーズ
きみとぼくの壊れた世界、不気味で素朴な囲われた世界、きみとぼくが壊した世界、不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界、ぼくの世界 -
りすかシリーズ
新本格魔法少女りすか(1・2・3) -
伝説シリーズ
悲鳴伝、悲痛伝、悲惨伝、悲報伝、悲業伝、悲録伝 -
刀語シリーズ
刀語(第一話〜第十二話) -
美少年シリーズ
美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星 、ぺてん師と空気男と美少年、屋根裏の美少年 -
その他
ニンギョウがニンギョウ、ダブルダウン勘繰郎、トリプルプレイ助悪郎、xxxHOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル、DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件、難民探偵、少女不十分、りぽぐら!、めだかボックス、十二大戦、JOJO'S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN等
関連リンク
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