ユニバーサル ミュージック合同会社と株式会社クラウドナインが連名で「Ado『愛して愛して愛して』ミュージックビデオに関するお詫び」と題した声明を発表。
歌手/アーティストとして活動するAdoさんのミュージックビデオ「愛して愛して愛して」を公開停止したことを報告した。
声明では、公開停止へ至った理由を動画クリエイターの赤卵さんとイラストレーターのさしみやまさんのユニット「さしたま」のクリエイティブの一部を無断で使用していたことが確認された旨を報告している。
Ado初のベストアルバムにも収録されていた「愛して愛して愛して」
「愛して愛して愛して」は、ボカロP・きくおさんが制作した楽曲。原曲のMVは、動画を担当した赤卵さんと、イラストを担当したさしみやまさんによるユニット「さしたま」が手がけている。
今回の声明によると、ユニバーサル ミュージックは2023年にきくおさん承諾のもと、Adoさんによる「歌ってみた」音源を制作。
Adoさんによるカバー版は、2025年4月9日にメジャーデビュー5周年を記念してリリースされたベストアルバム『Adoのベストアドバム』にも収録されている。
4月24日には、沼田ゾンビ!?さんがイラストを、Syamo.Gさんが映像編集を、Haるさんが文字デザインを、KZMさんが映像制作をそれぞれ担当したカバー版のMVが公開されていた。
カバー版MVの制作チームは「一切関与しておりません」と強調
カバー版のMVについては、公開時に発表された文章でも「本ミュージックビデオは原曲Music Videoにインスパイアを受けて、手書き文字にてリリックを表現しました」と説明(外部リンク)。
今回の声明でも「さしたま様が制作したオリジナルのMVをオマージュする意図はあった」と明言されている。
一方、クリエイティブの無断使用が発生した原因については「著作権に関する認識不足、および法務確認のプロセスを怠ったこと」だとしている。
また、MVの制作チームについては「制作過程において許諾取得の提案や法務確認の手続きを行う立場ではなく、本件の無断使用については一切関与しておりません」とクリエイターサイドに責任がないことを強調している。
今後は再発防止策を徹底、適切な対応について協議中
ユニバーサル ミュージックは再発防止策として、著作権に関する社内教育の再徹底や法務確認プロセスの強化、外部クリエイター作品の利用に関するガイドラインの策定と遵守を行うと宣言。
「二度とこのような事態を起こさないよう、全社を挙げて取り組んでまいります」と綴っている。
声明では他にも「さしたま様には大変なご迷惑をおかけすることとなり、深く反省しております。弊社より直接謝罪を申し上げ 、今後の適切な対応について協議を進めております」と、対応が継続中であることも説明。
末尾では「さしたま様をはじめ、アーティスト、ファンの皆様、関係者の皆様にご心配とご迷惑をおかけしましたことを、重ねて深くお詫び申し上げます」と改めて謝意を綴り、一連の事態を重く受け止めていることを強調。
声明は「弊社は本件を真摯に受け止め、クリエイターの皆様との対話を重視するとともにその権利を尊重し、誠実な制作活動に努めてまいります」として、締めくくられている。

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