声優有志の会「NOMORE無断生成AI」が、10月15日に発足した。
公開された動画では、アニメ「アンパンマン」シリーズのばいきんまん役で知られる中尾隆聖さんらが登場。
「私の声が勝手に売られていたんです」と、生成AIの学習データへの無断利用について訴えかける内容となっている。
AIを悪用し声を無断で販売──「NOMORE無断生成AI」発足の背景
「NOMORE無断生成AI」の動画には中尾隆聖さんのほか、山寺宏一さんや朴璐美さん、梶裕貴さんや福山潤さんといった26名の有名声優たちが登場。
動画の最後には、全員で「NOMORE、無断生成AI」と視聴者に向けて声を投げかけている。
「NOMORE無断生成AI」発足の背景には、声優や俳優、アーティストの音声を悪用し、無断で生成AIに学習させる行為が広まっている状況がある。
学習させた生成AIを使用して「歌ってみた」動画を公開したり、キャラクターボイスとして販売するなどの悪意あるAI利用が後を絶たない。
学習データの大本である声優に無断で利益を得る行為がこの1年で広まりを見せ、問題視されている。
AI音声プラットフォームとのパートナーシップでも「演技」の領域は対象外
もちろん、声優事務所側も生成AIの活用に対して対応を見せている。
例えば、1969年創業の大手声優事務所・青二プロダクションは10月7日、AI音声プラットフォームサービスを提供するCoeFont(コエフォント)とのパートナーシップを締結。
野沢雅子さんや銀河万丈さんなどの音声を利用したAI音声サービスを提供するとしている。
一方で、このパートナーシップでも、アニメや外国語映画の吹き替えなど「演技」の領域は対象外と明確に宣言。音声アシスタントやロボット/音声ナビゲーション搭載製品へ提供に限るとしている。
「NOMORE無断生成AI」の動画も概要欄で「新しい技術は、これから私たち人間に大きな恩恵を与えてくれる」としながら、「平和的な認識のすり合わせのための議論を有識者も交えて行い、文化的なルール作りをしていきましょう」と呼びかけている。
今回の動画は「第0弾」と銘打たれており、本編は近日公開予定とされている。
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