2003年から2009年にかけて連載された鬼頭莫宏さんによるロボットSF漫画『ぼくらの』全65話が、3月21日(金)から小学館のWeb漫画サイト「ビッコミ」で72時間限定無料配信される。
ゼロ年代SFの名作と知られる一方で、衝撃的なストーリーや展開などから、“鬱漫画”や”精神が削られる作品”とも評される作品だけに、全話一気に読むのには相応の心構えが必要になりそうだ。
「ビッコミ」公式Xは無料配信を告知すると共に、「もし未読なら明日からの衝撃に備えて、きょうは早く寝てください」と早めの就寝を呼びかけている(外部リンク)。
鬼頭莫宏の名作ロボットSF漫画『ぼくらの』
『ぼくらの』は、『ドロヘドロ』の連載誌としても知られる小学館のコミック誌『月刊IKKI』で連載されていた、鬼頭莫宏さんのロボットSF漫画。
2007年にゴンゾ(GONZO)制作でTVアニメ化。2010年には第14回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門で優秀賞を受賞するなど、2000年代を代表する作品の一つだ。
TVアニメ『ぼくらの』©︎2007 鬼頭莫宏・小学館/ゴンゾ
2020年には、描き下ろしカバーイラストに加えて雑誌掲載時のカラーを完全再現し、巻末に作品世界を深く読み解くための設定資料を特別収録した完全版全5巻が刊行された。
舞台は近未来の日本。夏休み、過疎地の村へ自然学校にやってきた十数人の少年少女が、謎の男と契約したことで巨大ロボットを操って敵と戦うという物語だ。
勝っても負けてもパイロットが命を失う衝撃
こう聞くと、ジュブナイルSFロボット漫画の王道、もしくはいわゆる“セカイ系”作品とも呼べる設定のようだが、『ぼくらの』に登場するロボット「ジアース」の動力源は、なんとパイロットの生命力。
まあ乗ると寿命が縮む程度なら……と思った人、そんな生優しいものではありません。
操縦したら最後、戦闘の勝利や敗北といった結果にかかわらず、パイロットは死亡してしまうというハードな設定が特徴だ(負けた場合は地球を含む宇宙が消滅する)。
子どもたちが重すぎる代償や社会との接続によって葛藤する姿は、名作として評価を得ると共に、ゼロ年代を代表するトラウマ作品としての印象を与えた。

この記事どう思う?
関連リンク
0件のコメント