小説『ぼくらの七日間戦争』などで知られる作家・宗田理（そうだおさむ）さんが4月8日、95歳で亡くなっていたことがわかった。
4月16日に、宗田理さんによる「ぼくら」シリーズなど多くの作品を刊行してきたKADOKAWAの公式サイトで発表された。
『ぼくらの七日間戦争』で知られる作家・宗田理
宗田理さんは1928年5月8日、東京都生まれの作家。名古屋市在住。1979年のデビュー以降、90歳を過ぎてからも精力的に新作を執筆してきた。
代表作は、夏休みを前にした中学生が廃工場に立てこもり、大人たちへ反乱を起こす『ぼくらの七日間戦争』。1988年に実写映画化、2019年にはアニメ映画化された。
『ぼくらの七日間戦争』左・つばさ文庫版／中央・角川文庫版／右・角川文庫旧映画カバー
本作をはじめとする「ぼくら」シリーズは、中高生を中心に圧倒的な支持を集めるベストセラーに。角川文庫版を含めたシリーズの累計販売部数は2000万部を超える。
現在もシリーズは続いており、2024年3月13日には最新作『ぼくらのイタリア（怪）戦争』が刊行。同年夏には、シリーズ新刊『ぼくらの（魔）大戦』の刊行を予定している。
シリーズ最新作『ぼくらのイタリア（怪）戦争』
なお「ぼくら」シリーズは2024年4月10日で刊行40周年。長い作家活動の中で宗田理さんは、自身の太平洋戦争の経験から、戦争がなくならない世界を心配し、戦争への反対と平和を願ってきた。
同年4月1日付けで、40周年を迎えるにあたって宗田理さんからのコメントも発表された。
【宗田理さんからのメッセージ】
社会を取り巻く環境は、『ぼくらの七日間戦争』を
書いた40年前から大きく変わったけれど、
子どもの本質は変わっていない。
いつの時代も子どもは、悪い大人をからかって、
おもしろおかしくやっつけることが好きなのだ。
新しい時代を作るのは子どもたちだ。
いまの小・中学生が大人になるころ、
世界はどうなっているだろうか。
未来を想像することはとてもおもしろい。
大人の考える常識を軽々と飛びこえていく子どもたちを
これからも書いていきたい。
2024年4月1日 宗田 理
宗田理さん
KADOKAWA「宗田理さんのご逝去に際して」発表全文
作家・宗田理さんのご逝去に際して
作家・宗田理さんが令和6年4月8日、95歳でお亡くなりになりました。
突然のことに、編集部一同深い悲しみに暮れています。
弊社では『ぼくらの七日間戦争』に始まり、累計部数2000万部を超える「ぼくら」シリーズなど、多くの著作を刊行させていただいています。
1979年のデビューからずっと、90歳を過ぎてからもなお新作を精力的に執筆されました。
45年間の作家生活のなかで常に子どもたちを応援する姿勢を変えず、またご自身の体験から、戦争への反対を表明してこられました。
穏やかで明るいお人柄と、優しい笑顔が偲ばれます。
宗田理さんの長きにわたる作家活動に最大の敬意と感謝を表しますとともに、心よりご冥福をお祈りいたします。
株式会社KADOKAWA
角川文庫編集部
角川つばさ文庫編集部
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