ゲームクリエイター・桜井政博さんが10月11日、YouTubeチャンネルで、任天堂の元代表取締役社長の故・岩田聡さんについて語る動画「岩田さんのこと 【雑談】」を公開しました。
『星のカービィ』の開発で支えてもらったことや、『大乱闘スマッシュブラザーズ』の命名に岩田聡さんが携わっていたことなど、「私に対する最大の理解者でありました」と話す恩人との数々の思い出が語られています。
なお、桜井政博さんはこの動画のオープニングで、これが最後の雑談動画になると発表しています(桜井政博さんが主宰するYouTubeチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」自体も、2024年内の終了が決定している)。
『スマブラ』の愛称は岩田聡あってこそのものだった
桜井政博さんは、「最後といえばやはり岩田さんのことについて語らないわけにはいかないでしょうね」と切り出し、チャンネル最後の雑談回をスタート。
桜井政博さんが、ゲーム開発などを手掛けるハル研究所の面接を受けた際に、面接官として対面したのが岩田聡さんとの出会いだったそう。
以降様々な場面で顔を合わせることになる2人ですが、岩田さんが任天堂にいく以前から、主に開発現場にいた桜井さんと経営側にいた岩田さんですから、ゲーム開発を共にしたことはほとんどなかったといいます。
そんな2人が開発を共にした貴重なゲームが、『大乱闘スマッシュブラザーズ』です。同作の原型となる試作品、通称『格闘ゲーム竜王』では、岩田聡さんがプログラムを組んでいます。
そんなゲームのタイトルを決める打ち合わせで、“ブラザーズ”の採用を推したのが岩田聡さんでした。
キャラクターが単に争うだけではなく、仲間同士のちょっとしたケンカであることを感じさせるニュアンスが気に入っていたのだとか。この後押しがなければ少なくとも“スマブラ”の愛称は存在しなかったかもしれないわけで、ここだけでもかなり貴重なエピソードトークです。
岩田聡の対話を重視する姿勢 桜井政博が明かす最後の会話
桜井政博さんは、岩田聡さんが“直接的な対話”を重視していたと動画の中でコメントしています。
ハル研究所時代には社員との面談を重ね、任天堂時代には「社長が訊く」と題して自らインタビュアーとなり社員に話を聞く斬新な企画を主導。
また、ゲーム好きには今ではお馴染み、任天堂が直接ファンに新情報を伝える配信番組「Nintendo Direct」を始動したことに触れて、岩田聡さんがいかに人との対話を重視していたのかを語っています。
桜井政博さんは京都の任天堂本社にもよく呼ばれていた(しかも秘書経由でもなく直接)ことや、東京では宿泊先のホテルで食事をしながら話し込んだことなど、個人的なエピソードも。
そのほか、2015年に亡くなった岩田聡さんと最後に話したシチュエーションも明かされており、知られざる2人の関係性をうかがい知ることができます。
両者がこれまでの受けてきたインタビューや関連書籍で語ってきた内容を補足する部分もあり、その点でも貴重です。詳細はぜひ本編をご覧ください。
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