6月初旬頃から「連続テレビ小説」と書かれた白い文字を写真に載せることで、“朝ドラ風”のコラージュ画像をつくる遊びがXで流行りつつある。
人、風景、食べ物などなど、様々な画像に白い文字を載せるだけで、手持ちの写真がNHKの「連続テレビ小説」っぽくなると話題に。
X上には多数の朝ドラっぽい画像が公開されている。今回はこのミームについて解説する。
歴史が長い“朝ドラ”ことNHK「連続テレビ小説」
そもそも「連続テレビ小説」とは、NHKで放送されているテレビドラマシリーズ。
主に朝8時台の帯ドラマ枠として放送されており「朝ドラ」と呼ばれることも多い。
1961年の『娘と私』に始まり、現在は110作目にあたる『虎に翼』が放送中。脚本は、アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』などで知られる吉田恵里香さんが担当している。
スタートから63年間にわたり、老若男女問わず人気を集めるドラマシリーズだ。
なお、余談になるが「連続テレビ小説」はNHKエンタープライズの登録商標でもある(外部リンク)。
朝ドラ視聴者による“朝ドラ風味にする遊び”から広がった素材ミーム
写真に「連続テレビ小説」の文字を載せて朝ドラ風にする──今回のミームは、朝ドラ視聴者のXユーザー・よもやまさんによる6月7日のポストが発生源となっている。
よもやまさんの投稿した写真は、草原と焼肉の写真に明朝体で「連続テレビ小説」と文字を載せたシンプルなもの。それなのに……いやそれゆえか、朝ドラっぽさを醸し出している。
この投稿は現在までに1万5000件を超えるリポストされるなど大反響。
その上、手持ちの写真や画像に「連続テレビ小説」と載せるだけという手軽さからか、様々な画像に同様の白文字を載せた画像が、多くのXユーザーから投稿されるようになった。
「誰でも連続テレビ小説できる素材」の配布でミームはさらに拡散
6月9日には、別のXユーザーである_Shifttrrさんが、よもやまさんのポストを引用する形で「誰でも連続テレビ小説できる素材」を配布。
なお、_Shifttrrさんは、背景画像が白っぽい場合を想定して、黒文字版の「誰でも連続テレビ小説できる素材」も配布している。
これが、今回ミームが大きく広がっている要因と考えられる。ただし、ユーザーから投稿されたコラ画像の中には、既存のアニメや映画などのワンシーンを無許可で使用したものも存在する。
NHK公式アカウントも朝ドラ風画像ミームに反応
拡大を続ける朝ドラ風画像ミームは、週明けにNHKにまで到達した。
NHKの広報アカウント「NHK PR」は6月10日朝、「週末は『手持ちの写真に「連続テレビ小説」の文字を乗せて朝ドラ風味にする遊び』をやっていたNHK_PRです」とポスト。
どうやら中の人もコラージュを楽しんでいたようだ。
「サスペンスドラマ」「世界の車窓から」などのコラ画像も流行中
ちなみに、画像を「連続テレビ小説」っぽくするミームと共に、写真の下部に文字を入れてサスペンスドラマ風にするミームも流行中。
また、番組「世界の車窓から」にちなんだコラージュも注目を集めるなど、様々な亜種が生まれている。
コミケを題材に「連続テレビ小説」風コラージュつくってみた
朝ドラ風コラ画像のミーム記事を執筆するにあたって、筆者も自ら撮影した写真に_Shifttrrさんの文字テロップを用い、「連続テレビ小説」風のコラージュをつくってみた。
題材に選んだのは、6月7日に参加サークルの当落が発表された同人誌即売会「コミックマーケット」。
サーク出展した際の同人誌がたくさん入ったダンボールの山、会場である東京ビッグサイト(国際展示場)の最寄駅・国際展示場駅、夏の日差しを浴びながらの長い入場待機列などなど、コミケ関連の写真に「連続テレビ小説」の文字を載せてみた。
するとどうだろう。
意外にも、見慣れた光景にもかかわらず、ドラマチックな物語が始まりそうな予感がしてきた。
開催回数は100回を超え、2025年には50周年を迎える「コミックマーケット」。
そんな世界有数のイベントを舞台にしたNHK朝の「連続テレビ小説」。
その成り立ちや長い歴史の中で直面した課題などは、十分ドラマになりそうな──そんな可能性にもわくわくできる「連続テレビ小説」風の画像をつくる遊び。
ぜひ自分なりの朝ドラをつくって楽しでみてはいかがだろうか。
この記事どう思う?
連載
インターネットの海を回遊する“人から人へと情報や概念を伝達していく自己複製子”──「インターネット・ミーム」をサイコウ(最高・再考)する研究機関。リクエストいただければ、あなたの気になる「インターネット・ミーム」を調査いたします。
0件のコメント