イラストコミッションサービス・Skebは、「二次創作公認プログラム」を4月30日(火)をもって終了すると発表した。
「二次創作公認プログラム」は、利用者がファンアートを制作した際に、コミッションの依頼文からキーワードを判定し、二次創作元である作品の原著作者にも収益を還元する仕組み。
今回の発表によると、現在の技術では誤判定が多く、機械的に判断させることは不可能であるとして、今回の終了に至ったという。
イラストコミッションサービス「Skeb」
Skebは、クリエイターに対して、イラスト、漫画、音声、テキスト、映像、音楽などの制作を有償でリクエストすることができるサービス。
短文から作品を有償でリクエストでき、自動翻訳を実装していることから海外のユーザーでも依頼を送信できるのが特徴。
今回終了が発表された「二次創作公認プログラム」の実装もあり、このプログラムに登録されたIPの二次創作の取り引きも日々行われている。
原著作者に収益を還元「二次創作公認プログラム」とは?
「二次創作公認プログラム」は、クリエイターが制作したファンアートでSkebが得たサービス手数料を、事前に登録されている原著作者に原則10%を還元するプログラム(外部リンク)。2019年6月に実装された。
サービス手数料から原著作者へ支払うため、クリエイター/クライアント側のユーザー双方に追加の手数料がかからず、さらにクリエイターは「二次創作公認プログラム」を適用されても、従来通りの収益を受け取ることができた。
原著作者は、プログラム登録時に自身に関連あるワードを設定。ファンアートがクライアントに依頼された際など、リクエスト本文に原著作者が設定したワードが含まれる場合、収益が還元されていた。
プログラムには、東北のイメージキャラクター・東北ずん子、ビタワンさん作の漫画『いきのこれ! 社畜ちゃん』などのIP、渋谷ハルさんや宇推くりあさん、ChumuNoteさんなど多数のVTuberが登録していた(外部リンク)。
「二次創作であるか機械的に特定することは不可能」
4月2日、Skebは「二次創作公認プログラム」の終了を発表(外部リンク)。
発表の中で、原著作者が設定しているキーワードが一般名詞である場合や、イラストの参考としてキーワードが使われるケースが多く、過半数が誤判定であったと明かした。
加えて、原著作者から誤判定の修正に関する問い合わせも多く、原著作者とSkebの双方にとって、売り上げ以上の負担が発生する場合もあったという。
その上で、「現在の技術では、納品されたイラストがどのコンテンツの二次創作であるか機械的に特定することは不可能であるという結論に達し、本プログラムを終了させていただきます」と説明。技術的な課題も多かったことがうかがえる。
プログラム終了にVTuberからは悲しみの声も
なお、「二次創作公認プログラム」の登録者も多かったVTuberからは、終了に対してX上で悲しみの声も上がっている。
VTuberの柚子花さんは「分配はもちろん、納品の元データがDLできるのすっごい便利で助かってました!」と感謝を示していた。
この記事どう思う?
関連リンク
1件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:10608)
生成AIには「クリエイターに還元しろ!」と詰め寄りながら、企業などの権利者に還元するサービスが終わるって…
何もかもが間違ってる