「ボカロ」を総括する同人誌『ボーカロイド文化の現在地』文学フリマで頒布

「ボカロ」を総括する同人誌『ボーカロイド文化の現在地』文学フリマで頒布
「ボカロ」を総括する同人誌『ボーカロイド文化の現在地』文学フリマで頒布

『ボーカロイド文化の現在地』。表紙はこかむもさんが手がけた/記事中の画像はすべてhighlandさんのXより

評論同人誌『ボーカロイド文化の現在地』が、11月11日(土)開催の「文学フリマ東京37」で頒布される。

「ボカロ」というジャンルの現在を総括する内容で、インタビュー2本、イラスト10枚、19記事を掲載。頒布時の価格は2000円。

音楽論や文化論、メディアミックス論、映像論、作家論、ファンアートのイラストを収録し、全350ページを超えるボリュームとなっている。

『ボーカロイド文化の現在地』目次

全350ページを超える『ボーカロイド文化の現在地』

『ボーカロイド文化の現在地』はhighlandさんが主宰した同人誌。

巻頭には「AIきりたん」「No.7」などに携わった明治大学の音声合成技術研究者の森勢将雅教授、巻末にはボカロPのフロクロさんへのインタビューを掲載。

『ボーカロイド文化の現在地』掲載の森勢将雅教授へのインタビュー

森勢将雅教授へのインタビューは、NEUTRINO版「東北きりたん」および「No.7」や、 これまでの歌声合成技術の歴史やAI歌声合成技術の展望といったトピックについて取材。

『ボーカロイド文化の現在地』掲載のボカロP・フロクロさんへのインタビュー

フロクロさんへのインタビューでは、音楽的な来歴や作曲の方法論、過去から現在にいたるボカロシーンの捉え方、重音テトへの思い入れなどがテーマとなっている。

このほかにもhighlandさんをはじめ、フガクラさんや北出栞さんら18名による論考、10名のイラストレーター陣による合成音声キャラクターのファンアートなどが収録。 highlandさんのXでは順次、本誌の内容が紹介されている(外部リンク)。また今回、highlandさん本人からコメントも到着した。

【highlandさんコメント】

初音ミク登場から16年が経ち、ボカロ文化はAI技術や新興勢力の参入により変革しつつも、これまで培ってきた文脈も確かに息づいており、メディア展開、Vtuberや歌い手文化との関わり、前衛的な表現の追求など多彩な表情を見せています。

本誌は多角的なアプローチでボカロ文化を探究し、ボカロの歴史と現在、そして未来の展望を取り上げています。多くの執筆者による評論、および専門家へのインタビューが含まれています。

ボカロに興味がある方はぜひ手に取ってみてください。通販も行います。

東京ビッグサイト開催へ、規模拡大が著しい「文学フリマ」

『ボーカロイド文化の現在地』が頒布される「文学フリマ東京37」は、大田区の東京流通センターで開催される文学作品の展示即売会。

九州から北海道まで全国8ヶ所で年9回開催されており、「自分が文学と信じるもの」をテーマに、プロ・アマ問わず、小説・評論・研究書・詩歌・ノンフィクションなど、あらゆるジャンルの文学作品が集まる。 近年は詩歌などを中心に出店応募数が増加。

こうした規模拡大や諸経費の増加への対応のため、2024年5月19日(日)の「文学フリマ東京38」から東京開催時の一般入場を有料化。

2024年12月1日(日)の「文学フリマ東京39」は、開催地を「コミックマーケット」などでもお馴染みの東京ビッグサイトへ変更することが発表されている。

今回「文学フリマ東京37」も、参加数は過去最大となり1843出店となっている。
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