武蔵美のAI絵画アワード、使用AIアプリ「著作権切れの画像のみ学習」の説明に誤り

武蔵美のAI絵画アワード、使用AIアプリ「著作権切れの画像のみ学習」の説明に誤り
武蔵美のAI絵画アワード、使用AIアプリ「著作権切れの画像のみ学習」の説明に誤り

武蔵野AI美術大学 AI絵画アワード

武蔵野美術大学が、AI Picasso株式会社と共同主催する「武蔵野AI美術大学 AI絵画アワード」に関して、使用する画像生成AIアプリ「AI Picasso(AIピカソ)」の説明に誤りがあったこと認めた。

本アワードの発表当初、「AI Picassoは著作権者の権利を尊重し、著作権切れの画像のみを学習させる"Clean Diffusion"を利用した」アプリとして説明されていたが、実際には、画像生成AI「Stable Diffusion」の学習データを利用していた。

Stable Diffusionは、米Stability AI社が開発・提供する画像生成AIモデル。その学習元に著作権で保護された最大数十億枚もの画像がアーティストの同意なしに使用されたとして、アメリカでは現在集団訴訟が行われている(外部リンク)。

「AI Picasso」はStable Diffusionを使用していると指摘

「武蔵野AI美術大学 AI絵画アワード」は、武蔵野美術大学とAI Picasso株式会社が共同主催するAI絵画アワード。6月22日に開催が発表された。

企画・制作には、スタディプラス株式会社、AI Picasso株式会社と資本業務提携を行っている株式会社カヤックが携わっている。

生成AI(ジェネレーティブAI)に関して「著作権に関する世の中の動向は、十分に注視していく必要があります」(外部リンク)と声明を発表していた武蔵野美術大学。

当初、本アワードの企画背景を次のように説明していた。

【「武蔵野AI美術大学 AI絵画アワード」訂正前の企画背景の説明】

AI技術の進歩により、クリエイティブ分野への生成AIの活用は、著作権問題をはじめ、様々な議論が高まっています。しかしながら、武蔵野美術大学では、様々な問題を考慮し向き合いながらも、AI技術を活用した新しい美術やデザインに挑戦し世の中に提案していくことは、美術の進歩において意義のあることだと考えています。

そこでスタディプラスとカヤックは、武蔵野美術大学の思いと生成AIによるAI絵画の可能性をより多くの方に知ってもらう機会を提供するため、当アワードを企画いたしました。

当アワードで活用する生成AI「AI Picasso」は、著作権切れの画像のみ学習させたデータなどを学習させ、著作権を守り、イラストレーターを尊重した、生成AIに取り組んでいるツールです。

次の応募要項を遵守のうえ、ぜひ、あなたの表現したい、「ワクワクする世界」をご応募いただければ幸いです。

しかし本アワードの発表後、SNSなどでアプリ「AI Picasso」は、(学習元に関して一部から批判を寄せられている)「Stable Diffusion」を利用していると指摘が入った。

それを受け、KAI-YOUは運営元に問い合わせを行っていた。

運営のスタディプラス「事実誤認による誤表記」

「著作権切れの画像のみを学習させる『Clean Diffusion』が使用されている」と説明されていたアプリ「AI PICASSO」

武蔵野美術大学、スタディプラス、カヤックの3団体は7月13日に公式サイトやプレスリリースの内容を更新(外部リンク)。

「AI Picasso株式会社では、著作権者の権利を尊重した取り組みとして、著作権切れの画像のみ学習させたClean Diffusionや、著作権を考慮した画像生成AIであるPicasso Diffusion等の開発提供をしていますが、『AI PICASSO』アプリ内での利用には至っておりません。正しくは、現在『AI PICASSO』アプリでは、著作権切れの画像のみを学習させる“Clean Diffusion”ではなく“Stable Diffusion”を利用しております。」と訂正。

「ご説明に誤り及び不足があったことを、深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

記述に誤りがあった理由について、KAI-YOUの問い合わせに対し、スタディプラス株式会社の担当者は「事実誤認による誤表記でございます」と説明。

「プレスリリースの内容に誤りがあったことを、深くお詫び申し上げます。今後は正確な情報提供に、誠心誠意努めさせていただきます」とコメントしている。

【「武蔵野AI美術大学 AI絵画アワード」訂正後の企画背景の説明】

AI技術の進歩により、クリエイティブ分野への生成AIの活用は、著作権問題をはじめ、様々な議論が高まっています。しかしながら、武蔵野美術大学では、様々な問題を考慮し向き合いながらも、AI技術を活用した新しい美術やデザインに挑戦し世の中に提案していくことは、美術の進歩において意義のあることだと考えています。

そこでカヤックと学習管理アプリ「Studyplus」を運営するスタディプラスは、武蔵野美術大学の思いと生成AIによるAI絵画の可能性をより多くの方に知ってもらう機会を提供するため、当アワードを企画いたしました。

当アワードで活用する生成AI「AI Picasso」アプリは、AI Picasso株式会社が運営しており、テキストを打ち込むとそれに合わせてAIが画像やイラストを生成してくれるAIお絵描きアプリです。

次の応募要項を遵守のうえ、ぜひ、あなたの表現したい、「ワクワクする世界」をご応募いただければ幸いです。

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