GoogleがチャットAI導入を計画 「いかがでしたか」ブログの終焉はあるのか

GoogleがチャットAI導入を計画 「いかがでしたか」ブログの終焉はあるのか
GoogleがチャットAI導入を計画 「いかがでしたか」ブログの終焉はあるのか
Googleが自社の検索エンジンにAIを組み込む計画を進めていると、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道で明らかになった。

この計画は、GoogleのCEOをつとめるサンダー・ピチャイさんへのインタビューで言及されたもの。

米OpenAI社が開発した「ChatGPT」をはじめとする大規模言語モデルを用いたAIチャットの急速な発展は、我々の生活に多大な変化を及ぼしつつある。

筆者はKAI-YOUのWebディレクターだ。Webコンテンツやメディアを取り巻く状況を踏まえ、AI検索以降のWebコンテンツについて考えていきたい。

検索業界の世界シェア9割を牛耳るGoogle

「渋谷 居酒屋」「週末 天気」「侍ジャパン なにがすごい」……挙げ出したらきりがないが、我々のインターネットの日々は、常に検索と共にある。黎明期よりそれは変わらない。

現在、世界の検索エンジンのトップに君臨しているのはGoogleだ。そのシェア率は世界平均で80~90%だと言われている。

それは極端な言い方をすれば、Googleの検索結果で1位に掲載された場合、その分野に興味を持っている人間の9割の目に触れる可能性があるということだ。

検索ワードで上位に入るため、日々Webコンテンツの制作者たちはGoogleに評価されるための改善「SEO(Search Engine Optimization/検索エンジン最適化)」を行い続けている。

検索エンジンへの適応から生み出された“いかがでしたかブログ”

Googleは、検索エンジンがどういったアルゴリズムでWebページの検索順位を決定するのか、すべては明らかにしていない(大小の差はあれど、アップデートも続けている)。

「こういった要素を重視している」という指標の一部が公開されているだけだ。

そのような情報環境の中で、「最も検索にコスパのいいコンテンツ」として大量に生み出されたのが“いかがでしたでしょうブログ”の記事だ。

Google検索では、人の名前を打ち込むと「○○ 年齢」「○○ 恋人」などのように、Googleが「この単語を調べる人はこういうことが知りたいんだろう」と関連ワードを提示(サジェスト)してくれる。

SEOではサジェストや検索結果ページの下に出てくる「関連キーワード」が重視されている。これらの内容を盛り込むとGoogleが「このページはユーザーのニーズを満たしている」と判断し、上位に表示してくれるというのが定説だからだ。

「いかがでしたでしょう」と検索した際の関連キーワード/画像は検索結果のキャプチャー

そうして「俳優○○さんの出身は?年齢は?恋人は?調べてみました!~いかがでしたでしょうか?」のように、とにかく検索され得る関連ワードを大量に盛り込んだ記事が生み出されている。

“中身のないコンテンツ”の価値

もちろんGoogleもこういった記事の氾濫に対し、ユーザーが不満を持っていることは認識している。

その結果として、近年のGoogleは「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の4つからなる「EEAT」を指標として重視し始めた(外部リンク)。

この「EEAT」は要するに、どこの誰が書いたかもわからない、どこから得た情報か不明瞭な記事は価値を低く見積もるというもの。

専門家が自身の知見や信頼できる情報源、あるいは取材をもとに制作されたコンテンツを重視することによって、信憑性の高いコンテンツが上位に表示されやすくなる。

この指標の登場などによって、すでにWeb業界では中身のない記事への締め付けが強まっている。

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