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バーチャル美少女ねむ、文化庁にデータ提供 メタバースとNFT巡る議論

バーチャル美少女ねむ、文化庁にデータ提供 メタバースとNFT巡る議論

3月にはメタバースの解説書『メタバース進化論』を発売したバーチャル美少女ねむさん

バーチャルYouTuber(VTuber)/メタバース文化エバンジェリストのバーチャル美少女ねむさんが、文化庁・文化審議会の文化経済部会 基盤・制度ワーキンググループに対し、メタバースおよびNFTについて助言とデータ提供を行った。

文化芸術の振興に関わる基盤・制度を調査審議

文化経済部会は、日本の文化と経済の好循環に資する事項について調査審議を行うため、2021年に文化庁・文化審議会に設置された組織。

そのワーキンググループ(部会)のひとつ「基盤・制度ワーキンググループ」(以下、WG)では、税制上の問題を含め、文化芸術の振興に関わる基盤・制度などについて議論が行われている。

2022年1月から3月にかけて第1期の審議が開催。その論点のひとつが、メタバースやNFT含む、「グローバル化・デジタル化の新たな潮流について」だった。

メタバースは「性別・容姿・立場から開放された新たな創作活動の場」

バーチャル美少女ねむさんは、メタバースについて生活実態調査や文化発信をしている立場からWGに助言。また、全世界のメタバースの住人1,200名の生活実態を調査した「ソーシャルVR国勢調査2021」のデータを提供した。

WGが公開している参考資料では、「メタバース」を以下のように捉えている。

仮想空間における表現活動の特色/画像は基盤・制度ワーキンググループ参考資料集より

いわゆるメタバースを含む仮想空間は、①物理制約を無視できる、②性別・容姿・社会的立場等から開放され、③国籍や言語の壁を超えやすく、④現実の創作活動とはルールの違う新たな創作活動の現場となっており、そうした場で活動するのは、比較的若い世代が多い。

<中略>

(出所)左:「ソーシャルVR国勢調査2021 by Nem x Mila」(2021年10月)

政策提言としては、メタバースに関して地に足のついた理解のもと、更なる活用にむけた具体的な取組を進める形となった。

◯仮想空間は、デジタル化が進む社会における新たな生活空間として確立する可能性があり、今後の文化芸術活動における主要な表現の場となることが見込まれる。既に「バーチャル日本博」等の取組を進めているが、我が国の豊富な文化芸術資源について、仮想空間ならではの付加価値やグローバル展開の可能性を意識しつつ、更なる活用に向けた具体的な取組を進めること。

国が「NFTの誤解」を留意点として認識

また、バーチャル美少女ねむさんは、NFTについて実際に発行しているアーティスト・ユーザーとしての立場から、主に蔓延する誤解から生じるリスクについて助言を行った。

WGが公開している参考資料では、NFTの留意点として以下の例を挙げている。

NFTに係る留意点と活用事例について/画像は基盤・制度ワーキンググループ参考資料集より

NFTによって紐付けられたデジタルコンテンツの活用にあたっては、様々な留意点が存在する。

<中略>

NFTに関する留意点
1.デジタルコンテンツの“所有権”を実現するものではない。
─無体物には民法上の所有に係る権利は適用されない。
2.いわゆる“コンテンツ保護技術”ではない。
─コンテンツが保存されるサーバーが外部サーバーのケースが多く、当該サーバーからデータが失われることも想定されうる。
3.制作者の“著作権”を保護するものではない。
─特段の規約がない限り、著作権を保護しない。
※最大の取引市場のopenseaの発表によれば、80%以上の出品NFTが、盗用や偽物、スパムであるとされている。(2022/1/28の同社公式Twitterより)
4.偽物を見抜き、“本物”を証明するものではない。
─登録者が制作者とは限らず、第三者が登録することも可能。
5.いわゆる“メタバース”の必須要件ではない。
─NFTを使用しない(できない)仮想空間も多く存在。
※将来的には、仮想オブジェクトへの活用可能性の余地はあり得る。

政策提言としては、しっかりと課題や留意点についても名記されることとなった。

◯NFTは、世界で急激に活用が進む新たなメディア・テクノロジーであり、文化芸術振興の観点からも有益に活用することが可能。様々な留意点を踏まえつつ、我が国の豊富な文化芸術資源を活用した具体的な取組を進めること。

◯我が国文化芸術のグローバル展開やクリエイターが自らの作品を使って直接収入を得ることができる手段の一つとしても活用できる可能性があり、そうした観点から、NFTの有効性や課題等を明らかにすること。

蔓延する“NFTの誤解” 漫画『左ききのエレン』でも

過熱的なブームとなった一方、誤った情報が蔓延するNFT。

4月23日には、『左ききのエレン』のNFTアートオークションの販促漫画で、「NFTでデジタルアート作品自体が複製不可能になる」「NFTでデジタルアート作品自体が世界に一つのデジタルデータになる」といった事実からかけ離れた説明がされており問題となった。

結果的に、指摘を行ったねむさん自身が作者・かっぴーさんの依頼を受けて監修を行い、現在では漫画の内容は訂正されている(外部リンク)。

NFTは投機対象としての側面があるからか、ありもしない機能が吹聴されがち。大手メディアによる誤報道も相次いでおり、世界的な問題となっている。

暗号資産業者による「日本メタバース協会」に批判

また、2021年12月7日には、暗号資産関連事業者4社が「日本メタバース協会」を名乗って業界団体を設立。「メタバースを支えるブロックチェーンやNFT」という代表理事挨拶の記述に、批判の声が上がった(外部リンク)。

NFTとメタバースは全く別の技術体系であり、NFTはメタバースの必須要素ではない。

このように、誤解が先行したり混同されたりと、不毛な議論になりがちなNFT・メタバース。

国がメタバースを「性別・容姿・立場から開放された新たな創作の場」と認識して、今後の政策に向けて地に足のついた提言をしたのは大きな前進だ。

メタバース文化エバンジェリスト「バーチャル美少女ねむ」

『メタバース進化論』発売開始! 原住民が語るメタバース解説書の決定版
バーチャル美少女ねむさんは、メタバース原住民にしてメタバース文化エバンジェリスト。「バーチャルでなりたい自分になる」をテーマに2017年から美少女アイドルとして活動している自称・世界最古の個人系VTuber。

HTC公式の初代「VIVEアンバサダー」にも任命されている。3月19日には、自身の体験と数多くの住人へのインタビュー、そして「ソーシャルVR国勢調査2021」のデータを元にメタバース解説書『メタバース進化論』を技術評論社より出版した。

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