連載 | #8 「ニコニコ超会議2022」特集

花譜×星街すいせいの邂逅、VTuberが超会議で示す深化「VTuber Fes Japan」2日目レポ

花譜×星街すいせい VTuber屈指の歌姫が初めての邂逅

花譜さん「過去を喰らう」「海に化ける」メドレー

MCを挟んでライブは後半戦へ突入。オリジナリティあふれる世界観が特徴のKAMITSUBAKI STUDIOSINSEKAI STUDIOから、VALIS花譜さん、V.W.Pの3組が登場。

CHINOさん、MYUさん、NEFFYさん、NINAさん、RARAさん、VITTEさんによるVALISが「残響ヴァンデラー」でキレのあるダンスパフォーマンスを披露すれば、花譜さん、理芽さん、春猿火さん、ヰ世界情緒さん、幸祜さんという5人の魔女からなるV.W.Pが「共鳴」でたおやかに流れるハーモニーを聴かせる。

VALIS「残響ヴァンデラー」

V.W.P「共鳴」

花譜さん、星街すいせいさんによる「小夜子」

2組とも高いライブパフォーマンス力を見せつけたが、ひと際に驚きを与えてくれたのは、花譜さんと星街すいせいさんという屈指の歌姫がコラボした「小夜子」だ。

ともに2018年から活動しながら、今まで共演のタイミングが一切なし。バーチャルタレントの中でも実力派ボーカリストとして知られる2人が初邂逅を果たしたことで、ステージはこの日一番の盛り上がりを見せた。ちなみに、両者をよく知るホロライブ所属のAZKiさんは興奮を抑えられなかった模様だ。 最強と言って差し支えないコラボの余韻が漂う中、そんなムードを一変させたのがエーテル・クレスエンティアさん。「出ようぜ!VTuber Fes ステージ出演オーディション」のルーキー部門から出演をゲットした人物だ。

いざ「Prayer」を歌い始めると、ピアノとバイオリンを軸にしたサウンドの中で、細やかさと大きなアクションの抑揚がついたバレエダンスと、ほとんどブレのない声楽的ハイトーンな歌声を見せつけ、さながら「ミュージカル」を見ているかのよう。

エーテル・クレスエンティアさん「Prayer」

別次元のパフォーマンスは、「綺麗」「鳥肌」「推し以外にこんな出会いがあるだなんて」「ここNHKホール?」と動画コメントやSNS上でも反響を呼んだ。

人気VTuberらのパフォーマンスを目の当たりにしつつ、予想の斜め上から知られざる才能が登場してくる。「VTuberは沼である」という言葉がより鮮烈なインパクトとなって刺さった瞬間だった。

ゴールドシップとともに大団円へと駆け抜ける

HIMEHINA「フリコドウル」

HIMEHINA「こだましがみ」

終盤に差し掛かって登場したのは田中ヒメさんと鈴木ヒナさんによるHIMEHINA。「みんなに会えない日々のなかで生まれた曲です」と披露した「こだましがみ」を含め、アップテンポかつメッセージ性ある3曲で観客を鷲掴みにした。

この日ホロライブから最後の登場となった天音かなたさんが「特者生存ワンダラダー!!」で会場を盛り上げると、2日目出演として追加発表されると同時に話題をかっさらったゴールドシップさん(ウマ娘 プリティダービー)が天音かなたさん、雪花ラミィさん、獅白ぼたんさん、尾丸ポルカさんとともに「うまぴょい伝説」を披露。

天音かなたさん「特者生存ワンダラダー!!」

ゴールドシップさん、天音かなたさん、雪花ラミィさん、獅白ぼたんさん、尾丸ポルカさんによる「うまぴょい伝説」

「ゴールまで一緒に駆け抜けていこうぜええ!!」とゴルシが声を上げれば、観客もペンライトを思いっきり振って返し、ニコニコ動画のコメントではサビ直前の歌詞「キミの愛馬が!」を意識した「俺の○○○が!」のコメントが大量に飛び交うなど、間違いなく最高のクライマックスだった。

最後には「VTuber Fes Japan」初めてとなる公式テーマソング「ピース!!」を出演陣で歌い、2日目のライブは大団円を迎えた。終了直後、「#VTuberFes2022DAY2」をつけた感想ツイートが相次ぎ、Twitter世界トレンドで1位を獲得。多くのイベントが開催される中で、もっとも注目を集めたことを示した。

出演者全員での「ピース!!」

VTuberの深化を見た「VTuber Fes Japan」

2日目のライブで感じたのは、VTuber/バーチャルタレントシーンの深化だ。一言でVTuber/バーチャルタレントシーンといっても、この日出演したメンバーのように、それぞれの活動スタイル、領域、経歴はバラバラだ。

過去の「VTuber Fes Japan」経験者である人気タレントは、自信に満ちたパフォーマンスを披露してくれた。一方で、初参加のしぐれういさんやVALISといった面々も、経験者に勝るとも劣らない唯一無二の魅力を放ち、そしてエーテル・クレスエンティアさんのような未知の才能も輝く。

こうして現在進行形で巨大なシーンへと変化してるVTuber/バーチャルタレントの熱量を見せるという意味では、今回のステージは少し小さすぎるのでは?と思えてしまったのは筆者だけではないだろう。

「VTuber Fes Japan 2022」はシーンを引っぱるトップランカーたちのパフォーマンスや表現をまとめあげた、充実かつ豪華なイベントだった。

「ニコニコ超会議」におけるVTuberの変遷

「VTuber Fes Japan」出演者たちのインタビュー

1
2

SHARE

この記事をシェアする

Post
Share
Bookmark
LINE

連載

「ニコニコ超会議2022」特集

例年幕張メッセで開かれている「ニコニコのすべて(だいたい)を地上に再現する」イベントこと「ニコニコ超会議」。新型コロナウイルス感染症の影響で、2019年を最後にネット開催が続いていたが、「ニコニコ超会議2022」では3年ぶりに現地開催。事前情報はもちろん、人気企画として定着したバーチャルYouTuber、目に見えて勢いを増す「ボカコレ」、さらにはコスプレや会場内のブースなどをレポートしていく。

関連キーフレーズ

1件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。

匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:5351)

誤字脱字のチェックはしないのかな?

コメントを削除します。
よろしいですか?

コメントを受け付けました

コメントは現在承認待ちです。

コメントは、編集部の承認を経て掲載されます。

※掲載可否の基準につきましては利用規約の確認をお願いします。

POP UP !

もっと見る

もっと見る

よく読まれている記事

KAI-YOU Premium

もっと見る

もっと見る

情報化社会の週間ランキング

最新のPOPをお届け!

もっと見る

もっと見る

このページは、株式会社カイユウに所属するKAI-YOU編集部が、独自に定めたコンテンツポリシーに基づき制作・配信しています。 KAI-YOU.netでは、文芸、アニメや漫画、YouTuberやVTuber、音楽や映像、イラストやアート、ゲーム、ヒップホップ、テクノロジーなどに関する最新ニュースを毎日更新しています。様々なジャンルを横断するポップカルチャーに関するインタビューやコラム、レポートといったコンテンツをお届けします。

ページトップへ