連載 | #7 コバヤシのアナログゲームで遊んでみようのコーナー

コロナからの復活感じた「ゲムマ2021秋」レポ 超重量級からVTuberまで

嘘も脱落者もいらない! 正体隠匿をつきつめたクリエイティブAHC

擬人化された動物たちがかわいい『斯くして我は独裁者に成れり』

続いて向かったのが、アナログゲームクリエイター集団クリエイティブAHCのブース。

AHCは、人狼に代表されるような、それぞれのプレイヤーが与えられた役割を隠しながらゲームを進行していく「正体隠匿系」ゲームを制作している団体。

中でも人気なのが、正体隠匿ゲーム『斯くして我は独裁者に成れり』。

人狼のように最初に役割カードが割り当てられるのではなく、全プレイヤーが全ての役割とその勝利条件が書かれたカードを配られ、ゲームの進行に従いその中から1つを選択していきます。

そのため、途中脱落もしなければ、必ずしも嘘をつかずとも勝ちを狙うことができるようになっています。個人的には、人狼の途中脱落は参加者の不満がたまりやすく苦手だったので、この仕様はかなりありがたいです。 本作をデザインした、AHC代表・あまおち総統さんいわく「脱落者が出ないゲームはこれまでにもあったんですが、そこから、そもそも裏切者がいなくても正体隠匿ゲームがつくれるんじゃないかともう一歩踏み込んで開発しました」とのこと。

同作はそのゲームシステムで「ゲームマーケット大賞2019」の優秀賞を受賞。今後は海外展開も予定されています。

あの大作家がテストプレイヤー!? と驚愕したマダミス「探偵シド・アップダイク」

パッケージがカッコイイ「探偵シド・アップダイク」シリーズ

続いて向かったのが、文筆家の海猫沢めろんさんとゲーム作家のツムキキョウさんによるユニット「ramclear」のブース。

「ramclear」は、今回ゲームマーケットに初出展した集英社のマーダーミステリーレーベル「集英社マーダーミステリーエクスプレス」のゲーム監修もつとめるユニットです。 今回ブースでは、マッドな博士がつくり出した世界を征服できる兵器を奪い合う「博士」シリーズのボードゲーム2作『ダイスニコフ』と『ゲットゴッダーテンペスト』や、マーダーミステリー「探偵シド・アップダイク」シリーズを販売。

めちゃくちゃマッドそうな博士が味わい深いパッケージ

会場でツムキさんから作品についての説明を受けていると、シド・アップダイクシリーズの2作『Case.02 カラミティトルーパーズ』は「京極夏彦さんや森見登美彦さん、万城目学さん、綿矢りささん、小川哲さんたちのゲーム会で遊んでいただくために制作したシナリオを製品化したものなんです」と驚愕のエピソードが。豪華すぎる!

同作のシナリオを手掛けた各務都心さんがnoteにてテストプレイの様子を綴っているので、そちらもぜひチェックしてみてください(外部リンク)。

コミュニケーションの切り口が面白い『COTOCATA』

積み木の数が増えるとかなりエグいを組み合わせも生まれる『COTOCATA』

会場を回った中でも、ユニークなゲームで筆者が惹かれたのが、デザイン会社GKの『COTOCATA』でした。

同作は、親が引いたカードに書かれた積み木を組み合わせた図形を、他のプレイヤーたちは「はい」か「いいえ」でこたえられる質問で導いていくゲーム。

右にあるのが、正解の図形。この図形を導くために、「このパーツは縦ですか?」「このパーツは地面に接していますか?」など順番に質問して推理する

ブースの担当者さんと一緒に試遊させてもらった際には、筆者が「こうじゃないですか!?」と推理を披露すると、「今ある情報からだと、こういう図形も考えられるはずです! もう一回考えてみてください!」と優しく諭され、思慮の浅さを痛感しました。

取材だということも忘れてマジで悩む筆者、この後その推理は撃沈する

コミュニケーションデザインなども手がける同社の30周年事業の一環としてスタートしたという同作。今回はそのブラッシュアップ版を展示しており、今回の試遊のフィードバックをもとに、今後製品化を検討していくとのこと。

担当者さんによると『COTOCATA』は「どう質問すると相手がどう考えて返答を導き出すのか、他のプレイヤーはどう質問をし、どう推理するのかを考えてもらう」というかたちでコミュニケーションをゲームに組み込んでいるそう。

コミュニケーションをテーマとしたボードゲームというと、大喜利やあるあるを組み込んだものが多いですが、この視点はゲームというよりもプロダクトをデザインする人ならではという感じで、非常に興味深かったです。

今後も盛り上がっていきそうなゲームマーケット

様々なブースを回った「ゲームマーケット2021秋」。

やはり印象的だったのは、来場者の多さでした。

今回の記事で紹介したブースさんや、別の記事で紹介したサークル・ミナミムキさん、そしてなにより主催のアークライトさんも、その来場者数の多さは認識していて、「かなりの速度で完売した」という、ある意味でうれしい悲鳴も聞こえました。 もう一つ会場で印象に残っているのは、やはりブームがきつつある「マーダーミステリー」関連の出展の多さでした。

近年は大喜利的なゲームがかなり流行していた印象だったのですが、今回は企業も個人も結構な数がマーダーミステリーで出展しており、その勢いには目を見張るものがありました。

マーダーミステリーに関しては個別に記事も出しているので、よければチェックしてみてください。

特別に提供してもらったボドゲたちをプレゼント!

記事で紹介したブースの方々が提供してくださった『ダイスニコフ』『ゲットブッダーテンペスト』『人にやさしくなるゲーム』の3タイトルを、各1名の方にプレゼント!

応募方法をご確認の上、ふるってご応募下さい!

1.KAI-YOU.netのTwitter(@kai_you_ed)をフォロー
2.『ダイスニコフ』・『ゲットブッダーテンペスト』もしくは『人にやさしくなるゲーム』、応募したいプレゼントのツイートをリツイート

【応募期限】
2021年12月10日(金)23時59分まで

【応募条件】
・日本国内に在住の方
・KAI-YOU.netのTwitterをフォローしている方
・TwitterのDM(ダイレクトメッセージ)を受信可能な方

【当選発表】
ご応募いただいた方の中から抽選し、当選者を3名決定します。
当選者のみ、TwitterのDMにてお知らせいたします。

※『ダイスニコフ』『ゲットブッダーテンペスト』に関しては、どちらが当選するかは選択できません。あらかじめご了承ください
※都合により当選通知のご連絡が遅れる場合がございます。あらかじめご了承ください
※都合によりプレゼントの発送が遅れる場合がございます。あらかじめご了承ください
※住所の不備や転居先不明・長期不在などによりプレゼントをお届けできない場合は、当選は無効になります
※本キャンペーンの当選権利を他者に譲渡することはできません
※ご連絡後、一定期間お返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
※発送は当選お知らせ以降、順次対応させていただきます。

年末だしアナログゲームで遊ぼうよ

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