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同人誌イベント、直前延期の損失 赤ブーブー通信社「行政はもっと丁寧にやるべき」

同人誌イベント、直前延期の損失 赤ブーブー通信社「行政はもっと丁寧にやるべき」

開催当日。会場の東京ビッグサイト青海展示棟には開催中止を告げる幕が/画像は赤ブーブー通信社公式Twitterより

POPなポイントを3行で

  • 新型コロナ感染拡大で緊急事態宣言が発令
  • 赤ブーブー通信社の同人誌即売会が直前で延期に
  • 経緯や被害を取材「行政はもっと丁寧にやるべき」
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、4月25日から適用された東京都として3度目となる緊急事態宣言は、同人誌即売会にも大きな影響を与えています。

赤ブーブー通信社が主催する「SUPER COMIC CITY GYU!!2021」は、25日に東京ビッグサイトで開催予定でしたが、23日夜に発表された同宣言によって延期を決定。

「SUPER COMIC CITY GYU!!2021」は7月10日(土)に、また5月9日に予定していた「超Beckon of the Mirror 2021東京」は5月15日(土)開催される見通しです。

すでに会場準備や現地へ資材の配送などもはじまっていたので、なんとか開催できないかと交渉していた」──そう話すのは赤ブーブー通信社の事業部長・西尾氏。

直前の宣言発表で混乱が予想されるにもかかわらず、一部の公演などで適用されていた例外に該当しなかった経緯、さらには延期に伴う被害について話を聞きました。

「開催したいではなく“場を残させてほしい”」

菅義偉総理の会見が20時から、その後、小池百合子東京都知事の会見が行われ、緊急事態宣言とおよびその内容が明らかになった4月23日夜。

赤ブーブー通信社にも、東京都の要請を受けた東京ビッグサイトから「会場使用を控えるように」という連絡が入りました。全容を把握したのは「一般の方と同じタイミングだった」と言います。

「一部報道では報じられていましたが、正式な対応については会見後、一般の方々と同じタイミングで把握した。翌日以降も、会場を通じて東京都と協議を重ねる中で、我々としては『多大な混乱が生じてしまう場合の想定される例外対応』の検討を求めていた。特に25日については、人もモノもすでに動いているタイミングだったので、開催したいというより“場を残させてください”という話をしていたが、結果的には判断は変わらなかった」

無観客なら開催可能という点についても、「そもそも同人誌即売会に観客というものはいない」と、イベントによってはほぼ開催中止と同義の対応にも疑問を呈しています。

「観劇やプロスポーツのように固定の座席で楽しむものではなく、展示会であれバイヤー、即売会ならサークルや一般の来場者が参加して、一定の距離感と取りながら物の売買(頒布)をする。極端な言い方かもしれないが、形態の近い豊洲市場などは閉鎖されていない。こうしたイベントの特性を鑑みずに、一律に無観客しか受け付けない点については会場・都とも議論を交わした」

「行政の対応としては、もっと丁寧にやるべきだった」

一方で、「我々としてもすべてに反対するわけでなく、感染症対策の徹底など、責任をもって協力している」と前置きした上で、だからこそ今回の対応については配慮や丁寧さが欠けると指摘。

「イベントの性質を鑑みない対応については、政府・自治体の都合もあったと思う。とはいえ、行政の対応としては、もっと丁寧にやるべきだったのではないか。我々としても宣言下で参加者は通常より減少して、3000人程度だろうと見通しを立てていた。それでも開催を求めたのは、参加者の方々はもちろん、関係するスタッフなども動いている状態だったから。ヒトもモノも急に“止まれ”と言われて止まるのは難しい

実質、前日に延期を判断する結果となった「SUPER COMIC CITY GYU!!2021」ですが、赤ブーブー通信社としての損失は「数千万円単位」。しかし、それ以上に大きな損失があると言います。

企業としての損失はあるが、イベントにあわせて事前に本をつくっている1900サークルの方々への影響が大きい。1冊あたり5〜10万円以上かけて準備したものが、直前で頒布・披露する場がなくなってしまうのは我々以上に大きな損失。法人と個人とでは被害の大きさが全然違う。参加者の方々が費用や時間をかけて準備したものが、無駄とは言わないまでも、タイミングを失ってしまう。個人にほとんどの皺寄せがいってしまうのが今回の宣言適用だったと思う

「即売会が2度とできないという認識はない」

延期発表直後、ネット上ではクラウドファンディングの実施などを提案する声もありましたが、赤ブーブー通信社としては現状予定していません。今後についても、決して悲観的な見方をしているわけではないようです。

「ありがたいことにそういった声もいただいているが、現状、延期後の日程を発表できた。今後についてもそこまで悲観しているわけではない。2020年7月から、すでに24本のイベントを開催しており、10月開催時にはサークル参加者・来場者含め延べ1万6000人(ホール別で収容数は管理)を記録した。熱意のある方々がいる限り、対策を徹底した上で開催を継続していく」

収容数やソーシャルディスタンス、さらには来場者の管理と、コロナ禍でのイベント開催には様々な条件が伴いますが、赤ブーブー通信社では早くから対応に取り組んでおり、かつこれまで開催したイベントでもクラスターは発生していません。

「感染症については2020年2月から情報収集をしていて、海外のサイトや論文など、得られる情報はすべて見た上で対策を検討している。また会社としては、インフルエンザが世界的に流行した2009年以降、社内でも日常的な警戒を強めている。その意識はイベントにも反映しており、会場内に手洗い場やスマホからの来場者記録化対応も実施している。こうした蓄積を活かしつつ、最新の動向を注視しながらウイルスと付き合っていかなくてはいけない」

最後に「(即売会が)2度とできないという認識はない。延期という形にはなってしまったが、できることなら参加予定だった方々に延期後の日程に参加してもらえれば」とコメントしました。

同人誌即売会の魅力

新型コロナと同人誌

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