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同人誌に関わる「生態系」の危機 「DOUJIN JAPAN 2020」官房長官へ申し入れ

同人誌に関わる「生態系」の危機 「DOUJIN JAPAN 2020」官房長官へ申し入れ

「DOUJIN JAPAN 2020」ロゴ/画像は公式サイトより

POPなポイントを3行で

  • 「DOUJIN JAPAN 2020」が声明公開
  • 同人誌即売会の支援を官房長官に申入
  • “同人誌に関わる「生態系」の危機”
コロナ禍における緊急事態宣言や自粛措置によって、同人誌即売会の多くが中止となり、致命的な状況となっている。

そのような時勢の中、「コミックマーケット」などの同人誌即売会やキャラクターコンテンツの展示即売会を主催する団体のプロジェクト「DOUJIN JAPAN 2020」が、声明「私たちは、同人誌即売会の開催を続けて行きます」を公開した。

また漫画、アニメ、ゲームに関する超党派の議員連盟と共に、コロナ禍における同人誌即売会の支援について、加藤勝信官房長官に申し入れを行った。

同人誌に関わる「生態系」の危機がおとずれている

声明では、ゴールデンウィークに予定されていた「コミックマーケット99」が今冬に向けて延期したことに触れ、「同人誌即売会は多数の出展サークルやスタッフの準備期間が必要であり、短期間で中止や開催の判断を迫られることが、主催者のみならず参加者の皆さんの大きな負担となっています。」と主張。

続けて、「特に今回は4月26日までの経過措置があり、一部のイベントの開催は認められていたにも関わらず、東京ビッグサイトは経過措置もなく25日からの使用中止を24日に通知するなど、会場利用の停止があまりにも急であり、主催者及び出展者、来場者のみならず、同人誌印刷会社、展示会関連業者等に広範な損害が発生しています。」と説明。

このような経過措置のない急すぎる会場利用停止について、「このような取扱に格差があることは大変疑問と考えています」と疑問を呈した。

続けて、「イベントを開催することができたとしても、感染症予防対策や入場者数制限により運営コストが上がるばかりです。イベントの中止や規模縮小により同人誌が作られない影響は、本を作る同人誌印刷会社や、本を流通する同人書店などを含む、同人誌の世界全体に深刻なダメージを与えています。」と即売会が開催されないことによる損害を主張。

これについて、「同人誌に関わる『生態系』の危機がおとずれているのです。」と危機感をあらわにした。

「またぜひ同人誌即売会の会場で会いましょう!」

声明では、さらに続けて「私たちは、他の文化イベントと同様に同人誌即売会を『不要不急』のものとは考えていませんし、これまでも政府・自治体・会場及び上記のガイドラインの下、感染防止を徹底しての開催を行っており、クラスター等も発生させていません。」と言及。

「新型コロナ感染拡大の状況発生から既に1年以上が経過し、3度の緊急事態宣言が出されているにも関わらず、社会全体のために行う防疫措置に伴い、同人誌即売会を含めた一部の関係者のみに過度の負担が生じている状況があります。これに対して、補償その他、公的施策が殆ど整備されていない」と実情をあらわにした。

このような状況において、「同人誌即売会及び同人誌に関わる様々な個人・法人の苦境について、複数の国会議員や都議会議員に声を届け、政府・東京都に対する働きかけをしていただいてもいます。そうした活動を行いながら、私たちはけして挫けることなく開催を継続する道を探っています。」とコメント。

「ついては、政府・自治体には、丁寧かつ柔軟な措置、内容や形態が違うものをイベントという言葉で一括りに扱うのではなく、それぞれの特質・事情を考慮した対応を強くお願いします。また、開催中止に当たっての幅広い補償、定員制限に伴う会場費の減免その他、より一層のご支援をいただければと考える次第です。」と政府に対しての申し入れを述べた。

声明の最後には、「現在のコロナ禍が収束し、『新しい形』を取り入れつつも、当たり前の日常として同人誌即売会が開かれる日が戻ることを信じて、この苦難の時期を共に乗り越えたいと思います。それでは、またぜひ同人誌即売会の会場で会いましょう!」と締めくくった。

「私たちは、同人誌即売会の開催を続けて行きます」全文

2020年以降、新型コロナウイルス感染症の流行により、多くの同人誌即売会が中止・延期となりました。
未曽有のウイルス禍は長期化し、2021年4月、すでに3度目となる緊急事態宣言が東京・大阪・兵庫・京都の4都府県に政府より発令され、感染症との闘いが続いています。

このGWに予定されていたコミックマーケット99も3月には今冬へ向けての開催延期を発表しました。同人誌即売会は多数の出展サークルやスタッフの準備期間が必要であり、短期間で中止や開催の判断を迫られることが、主催者のみならず参加者の皆さんの大きな負担となっています。

特に今回は4月26日までの経過措置があり、一部のイベントの開催は認められていたにも関わらず、東京ビッグサイトは経過措置もなく25日からの使用中止を24日に通知するなど、会場利用の停止があまりにも急であり、主催者及び出展者、来場者のみならず、同人誌印刷会社、展示会関連業者等に広範な損害が発生しています。このような取扱に格差があることは大変疑問と考えていますし、そもそも無観客の即売会など成立しません。イベントが中止になることにより、様々な個人の作品や表現を発表する機会が失なわれ、形ある本が印刷されることが減り、本来あったはずの、作品のやり取りだけではない直接の出会いの場も作られず、多くの参加者を落胆させてもいます。

また、イベントを開催することができたとしても、感染症予防対策や入場者数制限により運営コストが上がるばかりです。
イベントの中止や規模縮小により同人誌が作られない影響は、本を作る同人誌印刷会社や、本を流通する同人書店などを含む、同人誌の世界全体に深刻なダメージを与えています。同人誌に関わる「生態系」の危機がおとずれているのです。このままでは、多くの描き手や読み手にこうした場を提供することで、日本のマンガ等の文化の裾野を拡げてきた貢献を続けていくことも難しくなるでしょう。

DOUJIN JAPAN 2020としても、この事態に昨年の内に感染症専門家の指導の下『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下における同人誌即売会の開催ガイドライン』(外部リンク)の作成・公開を行いました。これは主として大規模な同人誌即売会を念頭において作成されていますが、多くの同人誌即売会の主催者の皆さんにも参考になるものと思います。そして、それぞれの判断で、可能な限り同人誌即売会を開催できるためのひとつの方向性を示せたと考えています。

私たちは、他の文化イベントと同様に同人誌即売会を「不要不急」のものとは考えていませんし、これまでも政府・自治体・会場及び上記のガイドラインの下、感染防止を徹底しての開催を行っており、クラスター等も発生させていません。

しかしながら、新型コロナ感染拡大の状況発生から既に1年以上が経過し、3度の緊急事態宣言が出されているにも関わらず、社会全体のために行う防疫措置に伴い、同人誌即売会を含めた一部の関係者のみに過度の負担が生じている状況があります。これに対して、補償その他、公的施策が殆ど整備されていないのが実情です。

このような状況において、同人誌即売会及び同人誌に関わる様々な個人・法人の苦境について、複数の国会議員や都議会議員に声を届け、政府・東京都に対する働きかけをしていただいてもいます。そうした活動を行いながら、私たちはけして挫けることなく開催を継続する道を探っています。

ついては、政府・自治体には、丁寧かつ柔軟な措置、内容や形態が違うものをイベントという言葉で一括りに扱うのではなく、それぞれの特質・事情を考慮した対応を強くお願いします。また、開催中止に当たっての幅広い補償、定員制限に伴う会場費の減免その他、より一層のご支援をいただければと考える次第です。

そして、全ての参加者の皆さんへ。
描き続け、読み続け、サークル参加し続け、同人誌を買い続けて、それぞれのいま出来る同人活動を続けてください。
私たち主催者も、ガイドラインを守りながら感染症対策に努め、いま出来る形の同人誌即売会の開催を続けていきます。
現在のコロナ禍が収束し、「新しい形」を取り入れつつも、当たり前の日常として同人誌即売会が開かれる日が戻ることを信じて、この苦難の時期を共に乗り越えたいと思います。
それでは、またぜひ同人誌即売会の会場で会いましょう! 「私たちは、同人誌即売会の開催を続けて行きます」全文

同人文化の行く末

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