毛利嘉孝『バンクシー アート・テロリスト』刊行 シュレッダー事件も考察

毛利嘉孝『バンクシー アート・テロリスト』刊行 シュレッダー事件も考察
毛利嘉孝『バンクシー アート・テロリスト』刊行 シュレッダー事件も考察

『バンクシー アート・テロリスト』/画像はAmazonより

POPなポイントを3行で

  • 東京藝大大学院教授によるバンクシー入門
  • 『バンクシー:アート・テロリスト』
  • 話題になった“シュレッダー事件”の考察など
社会学者・毛利嘉孝さんによる、ストリートアーティストの代表格・バンクシーさんを考察した『バンクシー アート・テロリスト』が、本日12月17日(火)に刊行された。

世界各地にゲリラ的に出没し、ストリートをキャンバスにした作品で各国の話題をさらうバンクシーさんだが、素性の一切を明らかにしていない覆面アーティストとして活動している。

本書はそんなバンクシーさんの表現手法、故郷と推察されるブリストルについて、また話題になった“シュレッダー事件”の考察などを網羅したバンクシー入門だ。

上野俊哉さんとの共著『カルチュラル・スタディーズ入門』などで知られ、東京藝術大学大学院の教授でもある毛利嘉孝さんは、これまでにもバンクシー論が掲載された翻訳本を手がけるなど、謎の覆面アーティストについての書籍に携わっている。

素性を明かさない覆面アーティスト・バンクシー

活動初期はグラフィティを中心に、現在は空間デザインも含めた総合的な手法で表現を続けるバンクシーさん。

しかし一貫してストリートを主軸に、世の中の矛盾やアート界の権威性などをシニカルに批評し続けており、1月には日本でも東京都・港区にある防潮扉のネズミの絵がバンクシーさんの作品ではないかと話題になった。 また世界的な名声を手にした現在も素性を明かさず活動しており、その特異性もあってカルト的な人気を誇る。

昨今の活動でも特に有名なのが、2018年10月5日にロンドンのオークションハウス「サザビーズ」で起こしたシュレッダー事件だろう。

バンクシーさんが自身の作品「風船と少女」が1億5000万円落札された瞬間に、絵がシュレッダーで切り刻まれるように仕掛けを施しておいた一連の事件のインパクトは大きく、以降、日本でもその名がより広く知られるようになった。

世の中の矛盾を突く人々

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書籍情報

バンクシー:アート・テロリスト

発売日
2019/12/17
価格
本体980円+税
ページ数
328ページ
出版社
光文社
言語
日本語
ISBN-10
4334044468
ISBN-13
978-4334044466

【目次】
[第一章]正体不明の匿名アーティスト
1・1アート・テロリスト
1・2 「ステンシル」の手法と美学
1・3セレブリティたちの支援
1・4ところで、バンクシーとは何者か?
[第二章]故郷ブリストルの反骨精神
2・1黒い大西洋の記憶が残る港町
2・2ロンドンのバンクシー
2・3ミュージアムへの侵入
2・4イギリス文化のポップ・アイコン
[第三章]世界的ストリート・アーティストへの道
3・1パレスチナの分離壁とホテル開業
3・2ディズマランド開園
3・3ニューヨークを熱狂させた一か月
3・4スカーフをまとった《風船と少女》
[第四章]メディア戦略家
4・1印刷メディアの役割
4・2アカデミー賞候補作
4・3テレビに侵入する
4・4CDを乗っ取る
[第五章]バンクシーの源流を辿る
5・1古代ギリシャのバンクシー
5・2ヒップホップ文化とグラフィティ
5・3グラフィティ戦争
5・4ヘリングとバスキア、そしてウォーホル
5・5美学と政治意識の背景
[第六章]チーム・バンクシー
6・1YBAsのムーブメント
6・2現代美術マーケットというゲーム
6・3バンクシーは一人なのか
6・4プロジェクトの新しい地平
[第七章]表現の自由、民主主義、ストリート・アーティストの未来
7・1シュレッダー事件再考
7・2東京のネズミはホンモノなのか?
7・3民主主義のルール

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