円城塔、「フィリップ・K・ディック賞」特別賞受賞 伊藤計劃に続く快挙

  • 0
円城塔、「フィリップ・K・ディック賞」特別賞受賞 伊藤計劃に続く快挙
円城塔、「フィリップ・K・ディック賞」特別賞受賞 伊藤計劃に続く快挙

『Self-Reference ENGINE』英訳版表紙

アメリカのSF文学賞であるフィリップ・K・ディック賞の受賞作品が、4月19日(日本時間)に発表され、円城塔さんの『Self-Reference ENGINE』英訳版が特別賞を受賞したことが明らかになった。

特別賞は次点にあたる賞で、日本人の受賞者としては伊藤計劃(けいかく)さんに続く2人目の快挙となった。

栄誉ある賞を頂けて大変うれしく思います。
生活のためにも、世界的に通用する作品を目指して
精進して参りたいと思います。 円城塔さんのコメント

米国SF賞の特別賞、日本人としては2人目

『Self-Reference ENGINE』日本版 文庫 表紙

フィリップ・K・ディック賞は、アメリカのSF文学賞。米国で出版されたSF作品が対象となっている。

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』などの代表作で知られるフィリップ・K・ディックさんの死後の翌年である1983年に設立された。

2011年には、2009年に若くして亡くなったSF作家・伊藤計劃(けいかく)さんの『ハーモニー』英訳版が特別賞を受賞している。アメリカの著名な文学賞を日本のSF小説が受賞するのは初めてのことだった。

そして、今回、円城塔さんの『Self-Reference ENGINE』英訳版が同じく特別賞を受賞し、日本人としては2人目の受賞者となった。

同作は、円城塔さんのデビュー作として、2007年に単行本を刊行された連作集。2013年には、英訳版が米国 VIZ Mediaより刊行されていた。

国内SFシーンの広がり

円城塔さんは、2012年には『道化師の蝶』で芥川賞を受賞したこともあるSF小説家。

生前交流のあった伊藤計劃さんの遺作である『屍者の帝国』を描き継ぐという異例の試みに挑戦し、2012年に刊行された同作は、日本SF大賞特別賞や星雲賞などを受賞した。

2014年に放送されたTVアニメ『スペース☆ダンディ』に一部脚本家として参加し、話題を呼んだことも記憶に新しい。

また、伊藤計劃さんが生前に遺した長編小説『虐殺器官』・『ハーモニー』が、2015年にノイタミナによって劇場アニメ化されることが発表されるなど、国内SFシーンがにわかに脚光を浴びている。
「Project Itoh」始動PV
この記事どう思う?

この記事どう思う?

関連キーフレーズ

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。