宇多田ヒカル、最新アルバム「Fantome」参加で注目集まる。全身タトゥーのラッパーKOHHって誰?

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宇多田ヒカル、最新アルバム「Fantome」参加で注目集まる。全身タトゥーのラッパーKOHHって誰?
宇多田ヒカル、最新アルバム「Fantome」参加で注目集まる。全身タトゥーのラッパーKOHHって誰?

宇多田ヒカルが9月28日にニューアルバム「Fantome」をリリースした。オリジナルアルバムとしては2008年3月に発表したアルバム「HEART STATION」以来、約8年6カ月ぶりの新作となる本作。NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」主題歌「花束を君に」や、椎名林檎と共演した「二時間だけのバカンス」など全11曲が収録されている。

<宇多田ヒカルも注目したラッパー・KOHH>

そんな中でも「忘却 featuring KOHH」に参加しているKOHHとの異色コラボに注目が集まっている。彼は東京都北区王子出身で、Gunsmith Productionというレーベルに所属している全身入れ墨のラッパー。2012年11月に「YELLOW T△PE」というミックステープでシーンに現れた。KOHHの特徴はアメリカのヒップホップトレンドを敏感に察知して自分のフロウにしてしまうスキルと、シンプルな言葉づかい。彼のリリックはシンプルであるが故にわかりやすく、強烈に頭に残る。また発信するメッセージが常にポジティブであることも挙げられる。

デビュー当時は、女の子、家庭環境、地元・王子の雰囲気、仲間との遊びなどについて、からっとしたトーンで歌っていた。代表作は彼の名前を一躍世に広めたネームドロップナンバー「JUNJI TAKADA」。脱力した自分のスタイルをタレントの高田純次になぞらえて「適当な男JUNJI TAKADA / 何も考えてないただの馬鹿」と歌い、この曲で日本のヒップシーンの中心人物として名乗りを上げる。そして2014年7月に1stアルバムよりも先に2ndアルバム「MONOCHROME」を発表。これまでとは一転したシリアスで内省的な作風を披露し、リスナーを驚かせた。

<2016年最注目アーティスト、フランク・オーシャンから熱烈オファー>

2015年1月には韓国のラッパー・Keith Apeの「It G Ma」に客演として参加。KOHHは日本語でラップしたにも関わらず海外のヒップホップファンから絶賛される。ちなみに同曲のPVは9月24日現在で2870万再生も再生中。その後も国内外のアーティストの楽曲に多数参加し、様々なシーンにKOHHの名前を刻み込んでいった。

中でもアメリカのR&Bシンガーのフランク・オーシャンからオファーを受け、フランクのポップアップショップで配布された冊子「Boys Don’t Cry zine」に封入したCDにKOHHも客演した際は、アメリカの音楽メディア「The Fader」でも取り上げられるなど大きな話題となった。余談だが、同じタイミングで発表されたフランクの最新作「Blonde」はリリースするなり、世界各地でチャート1位を獲得するなど今年を象徴する作品となっている。

気になるフランクとのコラボの経緯だが、アメリカの人気レーベル・Def JamからKOHHのマネジメントに、「(フランクが)新作でKOHHとLootaをフィーチャリングしたい」と発言したことを受けて、オファー~実現へと至った。このオファーを受けて、KOHHとLootaはすぐにロンドンへと渡り、2日で3曲をレコーディングしたそう。現在発表されているのは上述した「Nikes」でのKOHHのバースのみということで、今後は未発表曲にも期待が集まりそうだ。

<9月はアメリカ、中国、台湾の3カ国のライブ。各地で熱狂誘う>

KOHHは日本でのライブの合間を縫って、国外ライブも活発に行っている。9月はアメリカ・ニューヨークのUNIQLO SoHoで開催された「UNIQLO USA」10周年記念のライブイベントにはUNIQLO USAから直々のオファーを受けて参加した。また中国・上海のクラブARKHAMでのイベントにも2年連続で出演するなど、これは、大手ファッション通販サイトの運営と雑誌を発行している企業からのオファーで出演が実現した。さらには台湾でもライブを開催するなど、まさに世界を股にかける活躍ぶりを見せている。

<KOHHの強みは作品リリースごとの“アップデート力”>

そんなKOHHの非常に優れている点は、作品ごとに自身のアーティストイメージもアップデートしていくということ。当初は郊外のやんちゃな兄ちゃん的風体だったが、作品で人間的成熟を表現するとKOHH自身のルックスもストリートからラグジュアリーでアートなものになっていった。つまり「成功したからカッコいい服を着ている」「しかも人間的にもひと回り大きくなった」「だから作品はもっとカッコ良くなる」というメッセージをビジュアルからも連想できるようにわかりやすく発信していったのだ。

KOHHはデビュー当初からライブパフォーマンスにも定評があった。小さいクラブの小さいステージでライブをしていた彼は、着実に場数をこなして数年後には「FUJI ROCK FESTIVAL ’16」のWHITE STAGE(15,000人収容)に出演することになる。また今年リリースした最新アルバム「DIRT II」はアメリカなどでもiTunesを通じて発売され、日本語でラップしているにも関わらずヒップホップカテゴリーの50位圏内にランクインするという快挙も成し遂げている。

そんなタイミングでこの注目ラッパーを“ファン”であると公言し、フックアップする宇多田ヒカルのセンスは、相変わらずキレキレ。さて「Fantome」を彩る「忘却 featuring KOHH」はどんな曲に仕上がっているのだろうか?

宇多田ヒカル「Fantome」
01. 道(サントリー天然水CMソング)
02. 俺の彼女
03. 花束を君に (NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」主題歌)
04. 二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎(レコチョクTVCM)
05. 人魚
06. ともだち with 小袋成彬
07. 真夏の通り雨 (日本テレビ「NEWS ZERO」テーマ曲)
08. 荒野の狼
09. 忘却 featuring KOHH
10. 人生最高の日
11. 桜流し (「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」テーマソング)

※「Fantome」の正式表記は「o」にサーカムフレックスが付きます

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