アメリカの玩具メーカー・ハズブロ社が第3四半期決算報告を発表。3カ月間で2億3,320万ドルの利益を報告した。
主にハズブロ社の子会社であるウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の『マジック:ザ・ギャザリング』を中心としたゲーム事業が好調となり利益を大きく伸長している。
TCGの元祖『マジック:ザ・ギャザリング』が売上を牽引
『マジック:ザ・ギャザリング』は「スパイダーマン」シリーズをはじめとするマーベルブランドコラボレーション、「久遠の終端」のリリース、特別セット「Secret Lair」の継続的な好調により前年比55%増の4億5,940万ドルの収益を記録。
一方で、ハズブロ社のコンシューマー製品部門は予想を下回る低迷により、利益が一部相殺された。ハズブロ社はウィザーズ・オブ・ザ・コースト社に売上を依存しているという批判も聞こえてくる。
ただし、ハズブロ社のクリス・カークス(Chris Cocks)最高経営責任者(CEO)はコンシューマー製品部門に関して「12月のThe Game Awardsで重大発表を控えており、勢いに乗って2026年を迎える準備が整っています」とコメントを残しているため、今後の動向が注目される。
また、『モノポリーGO!』を含むデジタルライセンス事業も、最終利益を21%増加させて3億6,460万ドルに押し上げ。『モノポリーGO!』は日本では馴染み深いゲームとは言えないが、2024年には世界最高アプリ内課金収益を獲得している(外部リンク)。
『モノポリーGO!』/画像はGoogle Playから
サプライチェーンの中国依存脱却を進めるハズブロ社
2025年4月には、ドナルド・トランプ大統領が中国からの輸入品に145%の関税を課すことを発表。その1か月後にハズブロ社は、年間6,000万ドルから1億 8,000万ドルの営業損失を予測した。
実際は中国からの輸入品に対する関税は30%に引き下げられており、損失への懸念は払拭された。とはいえ、ハズブロ社はサプライチェーンの中国依存脱却を進めている。
同社はこれまでおもちゃ/ゲームの50%を中国で生産していたが、来年末までに米国以外の単一国からの調達比率を30%以下に抑える目標を掲げている(外部リンク)。
また、9月にハズブロ社は、2026年末までに100年もの歴史を持ったポータケット本社をボストンに移転させると発表。しかし、本決算報告ではそれに関する追加の情報は明らかにならなかったため、引き続き動向に注目が集まる。
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