Xのオーナーであるイーロン・マスクさんが、アメリカの大手玩具メーカー・Hasbro(ハズブロ)社の買収への関心を自身のXで明らかにした。
イーロン・マスクさんは11月28日、他のユーザーへ返信する形で「How much is Hasbro?(ハズブロ社っていくら?)」と投稿している。
賛否両論を呼ぶ『D&D』ドキュメンタリー本の記述
今回のイーロン・マスクさんの発言の背景には、Hasbro社の子会社・Wizards of the Coast(WotC)社が販売するTRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』初版の表現を巡る対立がある。
発端となったのは、2024年7月に刊行されたドキュメンタリー本『Dungeons & Dragons - the Making of Original D&d』(WotC)。
その中で『D&D』現シニアゲームデザイナーのジェイソン・トンドロさんが寄稿したコラムだ。
ジェイソン・トンドロさんは本書の中で、原典ともいえる1974年版の『D&D』(※)について、「身体的または精神的な障害を持つ人、年老いた人、太っている人、一般的に魅力的でない人、先住民、黒人、または女性である人を気軽に傷つける言葉がある」などと批判。
この記述が『D&D』プレイヤーたちの間で賛否両論の嵐となった。
(※)『D&D』(1974年版):ゲイリー・ガイギャックスさんとデイヴ・アーンソンさんが開発し、Tactical Studies Rules社が制作・販売。なお、同社は1997年にWotC社によって買収されている。
イーロン・マスク「誰も『D&D』をつくった天才たちを貶すことはできない」
この騒動の最中、イーロン・マスクさんは、「誰も、本当に誰も、E・ゲイリー・ガイギャックスと『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を作った天才たちを貶すことはできません。ハズブロとWotCは一体どうなってしまったんだ?地獄で焼かれますように」と批判的な反応を示していた。
その後、ポッドキャスターのイアン・マイルズさんが、ジェイソン・トンドロさんが、「古参プレイヤーからの批判については真剣に受け止めていない」と発言したと、Facebookのものらしきスクリーンショット付きでXに投稿。
これに返信する形でイーロン・マスクさんは、ハズブロ社の買収に興味を示している。
冗談なのか本気なのか、今回の投稿だけではイーロン・マスクさんの真意は明らかではないが、イーロン・マスクさんの返信に続く形でイアン・マイルズさんも、ハズブロ社の時価総額について言及している。
従業員の約20%をレイオフしているハズブロ社
ハズブロ社は、前述したように『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のほか、トレーディングカードゲーム『Magic: The Gathering(マジック:ザ・ギャザリング)』『デュエル・マスターズ』を開発するWizards of the Coastの親会社である。
ハズブロ社は2023年、従業員全体の約20%に当たる1,900人のレイオフを実施。2023年の決算でも、通年での売上高は、全体で15%減少している。
2024年2月には、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のIP売却を検討しているとの報道も流れ、WotC社がこれを否定する事態にも発展していた。
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