Grok効果で往年のSF小説が売れている……?
日々多くのコンテンツが入れ代わり立ち代わり話題となる現代の情報社会。意外なきっかけで脚光を浴び、時代を超えて昔の作品が話題になることも少なくありません。
出版社の河出書房新社もそんな出来事に遭遇した模様。
1月28日、公式Xに「ねえ…この1月から、やたらと『銀河ヒッチハイク・ガイド』が売れてるな…? なんでだろ? と思ってたんですが、まさかGrokさんの宣伝効果なの…!!!!???」と困惑気味に投稿。
Xの生成AI・Grokの影響で、河出書房新社から2006年に刊行されたSF小説『銀河ヒッチハイク・ガイド』がやたらと売れているようです。
河出書房新社の公式Xは、「チャットAIボットであるGrokの概要ページに『銀河ヒッチハイク・ガイド』が掲載されていたのが原因?」と分析。
なるほど……しかし、なんでGrokの説明に? そもそも『銀河ヒッチハイク・ガイド』ってどんな作品なんだ?
銀河スケールのドタバタコメディSF『銀河ヒッチハイク・ガイド』
『銀河ヒッチハイク・ガイド』は、イギリスの脚本家であるダグラス・アダムスさんが、1978年に英国の公営放送BBCラジオのドラマ脚本として執筆したSF作品。
いわゆるスラップスティック──ドタバタコメディSF作品として、翌年に小説化されると各国で大ベストセラーに。河出文庫からも2006年にシリーズが刊行されています。
作中では、銀河バイパス建設のため、ある日突然地球が消滅。『銀河ヒッチハイク・ガイド』という名の通り、広大なスケールの舞台が用意されています。
一方で、ジョークを交えた会話やエピソードが満載。
「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」を巡る問答など、数多くのエピソードが後世の小説やゲーム、IT分野にもパロディとして盛り込まれ、大きな影響を与えています。
Grokにも『銀河ヒッチハイク・ガイド』と同じユーモアの血が流れている?
Grokは、Xのオーナーであるイーロン・マスクさんが率いるxAI社が開発したチャットAIボット。
2023年11月に発表され、2024年8月には画像生成機能を搭載。12月からは無料ユーザーも利用できるようになりました。
Grokについての概要ページには、「『銀河ヒッチハイク・ガイド』や、『アイアンマン』のジャーヴィスから着想を得たGrokは、ほぼすべての質問に、ウィットやユーモアを交えながら、有益で洞察に富んだ応答を提示するように設計されています」との文言が。
『銀河ヒッチハイク・ガイド』には、「ディープ・ソート」という名前の人工知能が登場。先ほどの「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」についても答えを導き出しています。
生成AIであるGrokにも、『銀河ヒッチハイク・ガイド』と同じユーモアの血が流れている、ということでしょうか。
河出書房新社の売上と、Grokの概要ページとの関連性は不明ですが、これを機に古典的な名作に触れてみるのも良いかもしれません。
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