アメリカの大手玩具メーカー・Hasbro(ハズブロ)社が2023年の決算を発表。
通年での売上高は、消費者製品部門の19%減とエンターテインメント部門の31%減により、全体では15%減少。
一方で、子会社であるWizards of the Coast(WotC)社は売上が10%増加。人気TRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を題材にしたRPGゲーム『バルダーズ・ゲート3』でのライセンス契約が約9000万ドル(約135億円)の利益を上げたと報じられている。
レイオフやストライキの影響が見られたハズブロ社の決算
2023年の第4四半期、ハズブロ社は売上高が23%減少。消費者製品部門では25%減。エンターテインメント部門は49%減となった。
一方WotC社が編入されている「Wizards&Digital」部門は売上が7%増加している。
ハズブロ社は、通期で見た時、消費者製品部門では部門自体のトレンドや事業からの撤退などが影響し、エンターテインメント部門は脚本家や俳優のストライキが尾を引いたと説明。
対して「Wizards&Digital」部門では、『バルダーズ・ゲート3』やスマートフォン向けゲーム『MONOPOLY GO!』でのライセンス契約が、売上を牽引したとしている。
なお、海外メディアのPC Gamerは、ハズブロ社のCFOであるGina Goetterさんが、投資家向けのテレフォンカンファレンスにて、『バルダーズ・ゲート3』の収益について約9000万ドル(約135億円)だと述べたと報じている(外部リンク)。
ハズブロ社は2023年、従業員全体の約20%に当たる1,900人のレイオフを実施。
2024年2月には、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のIP売却を検討しているとの報道も流れ、WotC社がこれを否定する事態にも発展した。
2023年の「GOTY」にも輝いた『バルダーズ・ゲート3』
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』は、1974年にTSR社から発売され、WotC社が1997年にTSR社を、1999年にハズブロ社がWotC社を買収する形で、現在の権利を保有しているTRPG。
その『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のシステムをもとに開発されたRPGが『バルダーズ・ゲート3』だ。
国内でも2023年12月にスパイク・チュンソフトから日本語版が販売されている。
豊富な選択肢から編みだされる物語が高い評価を獲得。
2023年には、式典「The Game Awards」でその年の最も優れた作品に贈られる賞「Game of the Year(GOTY)」など6部門を受賞している。
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