映画配給大手の東宝は5月23日、アニメーション制作スタジオのサイエンスSARUの全株式を取得し、子会社化したと発表した。
東宝は、サイエンスSARUの子会社化によって、アニメ事業の成長スピードを加速させることが狙いと説明。
加えて、サイエンスSARUの制作環境を向上させ、より多くの創作機会の提供。従業員と所属クリエイターが、これまで以上に才能を発揮できるような環境構築を目指すという。
サイエンスSARUも公式サイトで子会社について発表。「今後の事業展開において相互の展望が大いに一致」「東宝グループへの参画により、弊社が展開するアニメ制作事業のさらなる成長を目指します」とコメントしている。
世界で評価されるアニメスタジオ・サイエンスSARU
サイエンスSARUは、2013年設立のアニメーションスタジオ。唯一無二のストーリーを通して新しい表現に挑戦するアニメーションスタジオ。
『夜明け告げるルーのうた』や『映像研には手を出すな!』など、アニメーターの湯浅政明監督作品や、『平家物語』といった山田尚子監督作品で知られている。
2022年公開の『犬王』では、米国ゴールデングローブ賞の最優秀長編アニメーション映画賞へのノミネートをはじめ、国内外の映画祭やアワードを受賞。高い評価を獲得した。
直近では、『映画 聲の形』『リズと青い鳥』の山田尚子監督による新作アニメーション映画『きみの色』が2024年8月30日(金)公開。
同年10月から放送される、「少年ジャンプ+」で連載中の同名漫画を原作にしたTVアニメ『ダンダダン』の制作も手がけている。
好調な東宝のアニメ事業、子会社化でより強固に
東宝は現在、成長戦略のキーワードとして、「企画&IP」「アニメーション」「デジタル」「海外」を打ち出している。
4月に発表した2024年2月期の決算では、アニメ事業の営業収入が前期比90.7%増の462億6900万円と、大幅に拡大。国内・海外別にみると、国内は前期比98.2%増、海外も77.8%増と、双方で大きく成長した。
サイエンスSARUは前述した通り、国内はもちろんのこと、海外でもブランド力を有するアニメスタジオの一つ。子会社化によって東宝のアニメ事業はさらに強化されそうだ。
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