Kaneee、swettyら若き才能も躍動
DAY2はnasthugさんのエネルギッシュなDJで幕開けし、Kaneeeさん、7さん、Campanellaさんといったバラエティー豊かな才能たちが躍動した。
バイブス満タンで会場にやってきた観客たちは、今日も午前中から大合唱でアーティストたちを迎え、昼の「NEW COMER SHOT LIVE」にはCFN Malikさん、taroさん、swettyさん、lil soft tennisさんが登場した。
ピンクのウィッグをかぶったElle Teresaさんはセクシーでスタイリッシュなダンサーたちとパフォーマンス。「Boss Bitc」では7さんとともにフロアを沸かせた。
ラップ好きの男子と女子たちは、続くDADAさんのダークで攻撃的なドリル「Satsutaba」でも熱狂した。
午後は洗練されたDaichi Yamamotoさんから。JJJさんと制作したアルバム『Radiant』からMVが公開されたばかりの「ガラスの京都」などを聴かせた。SIRUPさんはグルーヴィンな楽曲と共に真摯なメッセージも届けてくれた。
kZm、CreativeDrugStore、tofubeatsも会場を揺らす
次は情熱的なkZmさんの出番。スマホライトでいっぱいになった幕張メッセに向けて「Dream Chaser Remix」「DOSHABURI feat. JUMADIBA」「Forever Young」をぶちかました。
さらに「POP YOURS」が企画したKMさんプロデュースによるKaneeeさん、Kohjiyaさん、Yvng Patraさんの話題曲「Champions」の初ライブも行われた。
CreativeDrugStoreのタイトなマイクリレーは圧巻だった。BIMさん、VaVaさん、in-dさん、JUBEEさん、dooooさんとソロで活躍する彼らは、9月に日比谷野外音楽堂公演の開催も発表した。
夕方に向かうこの時間帯は、前日も客演で大活躍したtofubeatsさんが「水星」でダンスさせたかと思えば、Yo-Seaさんは透き通る歌声で観客を癒しながらも高揚させる。
Watsonではじまり、Tohjiで締めたクライマックス
幕張の大舞台が似合う男・Watsonさんの登場から長いクライマックスがスタートする。徳島出身のワーキングクラスヒーローはもはや全曲で大合唱が起こる。
一方で都会のクールネスを突き詰めたIOさんもMonyHorseさんとの「City Of Dreams」や「TOKYO KIDS」でぶち上げる。サンプリングされた美空ひばりすらもみんなが歌った。
爆発寸前まで高まったテンションでJin Doggさんが「BLUE feat. PETZ」、そして「街風」を叩きつける。そしてYoung Cocoさんと「チーム友達 Dirty Kansai Remix」に流れ込んで、話題の千葉雄喜さんが満を持して幕張に。あふれんばかりのチーム友達と契りを交わした。
そしてその雰囲気をものともしなかったralphさんとguca owlさんに感嘆した人も多いだろう。2人はともに違うスタイルだがそれぞれのストイシズムを発揮したショウを見せてくれた。
頂点のさらに上まで高まった状態でDAY 2ヘッドライナーのTohjiさんへ。
前半のダークで硬質な『KUUGA』モードから、Elle Teresaさんとの「GOKU VIBES」、 kZmさんとは「TEENAGE VIBE」、Mall Boyz「Higher」といったハイエナジーなラップソングで幕張全体を踊り狂わせた。
ヒップホップの多様化をキュレーションした「POP YOURS 2024」
日本における現在の“ヒップホップ”とは、特定のサウンドやスタイルを表現する言葉ではない。サブスクリプションネイティブ世代にとっては、派生したサブジャンルとカルチャーを包摂した意味合いを持っている。
「POP YOURS 2024」はフェスというフォーマットを用いて、ヒップホップの多様化をキュレーションしてみせた。DAY1のLEXさんはロック的であり、DAY2のTohjiさんはレイヴ的だった。だが彼らはともに紛れもなくヒップホップだった。
43組すべて異なる個性を持ち、最高のステージを見せてくれた。会場に足を運んだ人たち、YouTubeの生配信を観ていた人たちは、日本のヒップホップの最前線で起こったクリエイティブな事件をエンタメとして目撃した。
多くの人が思ったはずだ。来年の開催が今から待ち遠しい、と。(文・宮崎敬太さん)
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