忘れられない「TGS2023」レポート〜取材帰りに骨折して入院しちゃったSP〜

ゲーム事業が本格始動したKAMITSUBAKI STUDIO

KAMITSUBAKI STUDIOブース

続いて訪れたのは、ゲーム事業が本格始動したKAMITSUBAKI STUDIOのブース。

今回は、テキストゲーム『神椿市建設中。REGENERATE』、VRのアドベンチャーゲーム『神椿市建設中。VIRTUAL REALITY』、リズムゲーム『神椿市協奏中。』に加えて、MRライブが体験できる『花譜 MRアーカイヴ(追憶)』などのタイトルで出展していました。

今回筆者は、バーチャルシンガー・花譜さんのMRライブを体験。 ライブが始まると、ブース内の壁に描かれたイラストが立体化し、絵の中から花譜さんが登場。そのまま歌い始めるという演出が。

MRライブ自体も面白かったのですが、VRとは違い、肉眼で見ているのと変わらない視界の中で、一部分だけが映像になっているのは、かなりユニークな体験でした。

さすがにリアクションが嘘すぎる

ライブを体験している間、同行者の恩田は筆者の様子を撮影することに。筆者の視点では、花譜さんが目の前で歌ってるにもかかわらず、無表情でこっちをパシャパシャ撮っている彼の姿が非常にシュールでした。

普段と変わらない世界の中で、自分だけは周囲から見えていないものが見えているという漫画のような体験が楽しめました。

理由は不明! とにかく巨大な何かに追いかけられるインディーゲーム

今回の「TGS2023」では、インディーゲームのブースが別ホールに集結。

世界から様々なタイトルが集まる中、個人的に気になったのが『Strange Shadow』というゲーム。プレイヤーは廃墟と化した街で、巨大な存在から逃げ惑うという作品です。

開発段階ということもあるでしょうが、同作では自分が誰なのか、ここがどこなのかといったストーリーテリングがほとんどなし。もちろん、その巨大な存在がなぜ自分を追いかけてくるのかも不明。唯一わかるのは、アレに捕まったら死んでしまうだろうということのみ。

「クトゥルフ神話」などで描かれる、巨大で異質な存在が、対話の余地もなく自分を襲ってくるという恐怖、いわゆるコズミックホラー(宇宙的恐怖)を感じさせてくれる作品でした。

雰囲気満点のタイトルが並ぶインディーレーベル「ヨカゼ」

「ヨカゼ」のブース/画像はレーベルの運営・まさしさんのXから

そのほかにインディーゲームで注目したいのが、レーベル「ヨカゼ」のブース。

イラストレーター・はなぶしさんと共にゲーム『ピギーワン SUPER SPARK』を開発するhako 生活さんが所属し、レーベルとしてはボカロP・はるまきごはんさんと『幻影AP』を共同制作している「ヨカゼ」。

今回は、同レーベルのタイトルから『World for Two』を体験。

ポップなドット絵とは裏腹に、どこか寂しさが感じられる

プレイヤーはアンドロイドとなり、滅びた世界で、博士と共に新たな生命をつくり出そうとする作品です。

博士の口から徐々に語られていくバックストーリーや、遺伝子を組み合わせることで思っても見なかった生き物が生まれていく驚きを、ドット絵によるどこか寂寥感のあるビジュアルが包み込む、情感に溢れるいいゲームでした。

アジア発ポストアポカリプス系ソシャゲがしのぎを削る

もう一点、会場で気になったのが、アジア圏のスタジオによるポストアポカリプス系ソシャゲの多さ。そして、どのブースもかなり力が入っている点でした。

このようなジャンルのゲームでは、Yostarが提供する『アークナイツ』などが有名ですが、その数はどんどんと増えていっています。

ゲーム『鳴潮』のキャラクター・無冠者の巨大なオブジェ

今回も、KURO GAMEが大々的なセットを組んで出展。ゲーム『鳴潮』に登場する「無冠者」というキャラクターオブジェは、巨大かつライトアップされていて、遠くからでも目を引きました。

また、『スノウブレイク:禁域降臨』もかなり手の込んだブースで出展。ブースの隣では、『スノウブレイク』キャラのコスに身を包んだレイヤーさんが写真撮影に応じていたのですが、セットの中にリングライトなどが用意されており、気合いが感じられました。

コスプレイヤーさんが映えるよう、ブースに照明が完備

筆者はTGS以外にコミックマーケットなどの取材も行なっていますが、様々なイベントに顔を出すたびに新たなタイトルを見かけます。

アジア圏のタイトルの躍進は、ゲームファンにとってはわざわざ言葉にするのも野暮なほど自明の勢い。オフラインイベントを見ていると、まだまだその勢いは強くなっていきそうです。

骨折、救急搬送…オンラインでも満喫した「TGS2023」

そんなこんなで会場を楽しく見て回った後、冒頭で書いた通り、筆者コバヤシは滑って転んでしまい、左足を骨折。救急車で搬送されました。

この原稿も、ベッドの上に投げ出された包帯まみれの足を眺めながら病院で書いています。1週間後には手術です。怖いです。

まさかこの後救急車で運ばれるとは思っておらず、はしゃぐコバヤシ

一般開放日には、オフライン開催となったCRカップを見に行きたかったですが、動けなくなってしまったため、ベッドの上からだるまいずごっどさんのミラー配信を見ることに。

とはいえ、各選手が積んできた努力がありありと伝わってきた同大会は、オンラインでも手に汗握る本当に素晴らしいものでした。

結果的に、オンライン・オフライン双方で満喫することになった「TGS2023」。

私のように途中で怪我をしてしまった人のためにも、今後ともオンラインコンテンツを充実させていってくれるとありがたいなと思います。

追伸:編集長の恩田も回復に向かっています。

【写真66枚】まさかこの後大怪我を負うとは思っていない男の記録


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