人気実況者グループ「○○の主役は我々だ！」の分裂騒動、運営が経緯を説明へ

ニコニコ動画発の実況者グループ「○○の主役は我々だ！（以下、我々だ）」が2024年9月から分裂状態にある件に関して、経緯を報告するグループ名義の文章が6月2日（月）に公開された。

「我々だ」は、10名以上を擁する大所帯のグループとして知られていたものの、2024年9月に一部メンバーとグループ運営の対立が表面化。メンバーのうち9名が新グループ「まじめにヤバシティ」を立ち上げ、独立するという事態になっている。

グループ運営側と離脱したメンバー側の主張は食い違っており、半年以上が経った現在でも平行線を辿っている。

人気実況者グループ「○○の主役は我々だ！」が突然分裂

「○○の主役は我々だ！」は、メンバーのグルッペン・フューラーさんがニコニコ動画に投稿したゲーム動画から始まった実況者グループ。

YouTubeチャンネルの登録者数は100万人以上、KADOKAWA系列の漫画誌で複数のコミカライズ作品が展開されるなど、多角的な活躍をしていた。

しかし2024年9月1日、メンバーの鬱先生さんが「一旦ここで」と題したチャンネルで、権利上の問題によりグループのイラストや名称などを自由に使用できない状況にあることを報告。

鬱先生さんに加え、メンバーのトントンさん、ゾムさん、ショッピさん、シャオロンさん、エーミールさん、チーノ（現：ちーの）さん、レパロウ（現：ひょう太朗）さん、ロボロ（現：最高コーラ）さんら8名が、運営と対立状態にあることが明らかとなった。

突如活動を縮小した「○○の主役は我々だ！」が声明　組織再編と契約失効の影響

動画投稿集団・○○の主役は我々だ！が9月6日、ブロマガを更新。「著作物を用いた活動が困難」である状況を報告した。○○の主役は我々だ！は9月1日以降、所属していたメンバーがSNSのアイコンや名称などを突然変更。「○○の主役は我々だ！」としての活動をできない状況が続...

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該当の動画は既に削除されているが、2025年6月2日の運営側の発表では、その内容について「事前の通知や、内容についての協議が一切ない状態でYouTube上にアップロードされた」「運営組織が脱退メンバーらの権利を不当に制限したような表現がなされておりました」との説明がされている。

離脱組は新グループ「まじめにヤバシティ」を設立、復帰の意思はなし

騒動の最中、9月7日には離脱したメンバーが新グループ「まじめにヤバシティ」を立ち上げ、活動を開始。

一方、9月19日には「我々だ」運営がグルッペン・フューラーさん、コネシマさんと契約を更新したと発表し、残るメンバーとも協議を続けると報告していた。

契約問題で協議中の実況者グループ「○○の主役は我々だ！」一部メンバーと契約更新へ

動画投稿グループ・○○の主役は我々だ！の運営が9月19日にブロマガ（ニコニコのテキスト発信サービス）を更新し、メンバーのグルッペン・フューラーさんとコネシマさんと契約締結に至ったと発表した。○○の主役は我々だ！を巡っては、9月1日以降、メンバーの契約更新の必...

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しかし、9月20日には「一旦ここで」チャンネル上で離脱メンバー側が、この報告には相違があると主張。

対立を表明する9人は9月18日時点で「我々だ」に復帰するつもりはないと意思を伝えており、事実と異なっているとしていた。

以降は、今回の発表まで大きな動きは無く、「我々だ」チャンネルも2025年4月13日に「ニコニコ超会議2025」の宣伝動画が投稿されたのみ。2024年9月末以来動画の更新は止まっている。

運営側は「一方的に協議を打ち切られた」と主張

今回の発表では、2024年1月ごろから調整として協議に参加していたという株式会社キャラデウスおよび、同社代表の斎藤知也さんから「特定の個人を非難・攻撃する意図ではない」としたうえで経緯が説明されている。

それによると、対立が表面化する以前から、運営方針や報酬体系をめぐり、一部メンバーと運営組織間で継続的な協議が続いていたという。

キャラデウスは、要求された報酬額はグループ運営が立ちいかなくなるほどのものであったこと、要求が受理されない場合、訴訟を示唆されていたこと、メンバー側の言動によって、一部従業員が休職を余儀なくされる状態になっていたことを主張。

妥協点を探っていたものの、脱退メンバー側の窓口担当者から一方的に協議を打ち切られてしまったとしている。

「我々だ」運営は一度解体、現メンバーと再開時期を探る

また、2024年9月1日に「一旦ここで」チャンネルへ公開された動画についても、各取引先に誤解を生む情報が伝わり、様々なプロジェクトや契約が見直しや中断を余儀なくされたと説明。

「制作途中のコンテンツのいくつかについては、その後脱退メンバーらの一部の者が『〇〇の主役は我々だ！』を介さずに直接取引することにより収益を得ており、ビジネス慣習上、不義理とみなされる行動であったと考えております」と述べられている。

キャラデウスは「我々だ」の今後について、一度運営組織を解体し、新たな体制を構築したこと、現メンバーと活動再開の時期を協議していることを発表。

「組織運営の透明性、公平性を基に説明責任を果たしてまいりますので、引き続き暖かいご理解とご支援を賜れますよう、心よりお願い申し上げます」と締めくくっている。

現在、「我々だ」運営と離脱メンバーの主張は食い違っており、いずれかの主張が公開されるたびに否定しあうような状態となっている。

騒動の大部分は視聴者には預かり知らぬ部分で行われていたやりとりであり、公開されている情報も限られているため、現時点で第三者が何かを判断することは難しいと言えるだろう。